ショップの経営などについて

ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。

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以前に比べてカードの強弱がはっきりしすぎている
(カードデザインが粗製乱造になっている)ように感じます。
これではシングルカードの平均価格も高くはならないですよね?
これで、ショップ経営がなりたっていくものなのですか?
巷では閉店する店が多いようにも見えますし・・・
最近のカードについてどう考えているか、率直なところを聞きたいです。
(ただし経営者ですから、店のことも考えて、ごめんなさいでもしかたないかな?)
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ひとまず質問者の方の問題を2つに分けて回答したい。

1:最近のカードについてどう考えているか?
2:こういった環境でショップ経営は成り立つ?


まず1から。
カードの強弱については、
昔も今もハッキリしている部分はハッキリしていて、
強いカードは本当に強くデザインされている。
反面、曖昧で中途半端なカードは今昔関係なく多いので、
簡単には言い切れない感じも。
ただ、

・クリーチャーは昔より完全上位をかなり出した。
 ゲームへのバランスの影響は良くも悪くもかなり出ている。
 これがゲームバランス崩壊の方向には行ってほしくない。

・カードに条件を付け、条件を満たすとプラスアルファがあるタイプが増えた。
 (ただしそういうカードは限定された環境以外では使われない。)
 一例:○○が場に出た時、△△という条件を満たすなら□□をする。
 といったカード。陰鬱や昇殿などのルールのカードはほとんど該当する。
 このテのカードが要求してくる条件が半端に面倒なものが多く、
 純粋に強いと言えるカードは多くない。
 こういう条件付きカードはあまり出てほしくない。

・呪文カードはコストが高く、効果も強いというカードが多い。
 「撃てれば強いけどね、撃てれば。」
 と評価されるカードであったり、
 指定コストが多く、効果も強いため、特定の色専用カードをかなり出した。

 わかりやすいものでは《謎めいた命令/Cryptic Command》。
Cryptic Command

 撃てれば強い。でもコストも高く、
 そしてレガシークラスでは活躍出来ない。
 指定コストが多いのは嬉しくないが、
 マルチカラーカードに強みが出る事は嬉しい。
 マルチカラーで強いあたりでは《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》が良い例か。
 こちらはレガシーでも活躍してくれているのが嬉しいところ。

・プレインズウォーカーは単純に同じ名前の奴等がしつこいの一言。
 ギデオン、リリアナ、ジェイス、チャンドラ・・・を何度出したら気が済むのか。
伝説ルールの変更で横に並ぶ事もできるようになったものの、
 ユーザーはもっと色々な種類のプレインズウォーカーを見たいはず。
 (灯争大戦で随分な数のプレインズウォーカーが出るみたいなので、
 今後はこれは改善されるのかもしれない。)

これらの意見は店主個人の意見だけではなく、
スタッフやお客様とのお話の中で出るもの。
特にプレインズウォーカーについては辟易しているという声をよく聞く。

ギデオンやジェイスのお話ではなく、
そろそろ別世界の新しいお話にしたら?
もしくは古いお話を少し掘り下げてみるのはどう?
とも思うし、
個人的にはポータル三国志のように、
北欧神話、ハリーポッターなど、
現実にある歴史・神話・ファンタジーをカード化する事を望んでいる。
あとは、個人的にはクリーチャーをこれだけ強くデザインするのなら、
「戦闘ダメージがスタックに乗る」
という以前にあったルールは残して欲しかったなと思うところ。
これがあったからこその駆け引きがあったので、
ちょっぴり残念だ。

2つ目の質問へ。

ショップが成り立つ?
という話については、
これは実はカードの強弱とは結構別問題であったりする。

TCG業界またはMTG業界全体が縮小、減少になるのなら、
多くのショップが潰れる事になるのだが、
今はそういう時期ではない。

まず、廃業(閉店)するショップというのは、
経営が成り立たないから廃業になるわけだが、
これはそれぞれの環境や条件は様々なので一概には言えない。

ただし、雨後の筍のように、
毎年毎年、新規参入の個人事業主は必ずと言っていい程出てくる。
全部が全部ダメだなんて事はなく、
生き残る事業主もいる。
開幕1年以内で廃業するショップの中で最も多いものは、

「俺、自分の持っているカード売るわ。
 これで生活出来るんじゃない?」


くらいに甘い事を考えて始める人。
だいたいこのタイプは失敗する。
これはどの世界にもいる。
脱サラしてラーメン屋を始めて即潰れるなんて話と同様。
経費、売上、税金といったものを計算出来ない人はだいたい潰れる。
ただ、この世界にも他業種の世界にも結構いるのだが、
親のスネをかじりまくって生きているタイプも結構いる。
親のスネをかじりまくって首相になる奴もいるのだから世も末だ。

ショップの経営は単純な経営能力と人材、あとは運。
運と言ってしまうとちょっと乱暴な表現。
「人事を尽くして天命を待つ」
という表現のほうが適切。
やるだけの事をやってみて、
それでもうまく行かない事はいくらでもある。
人事を尽くした人だけが「運」と言っていいだけの厳しいお話。
多くの潰れるお店、会社というものは、
「人事を尽くして天命を待つ」
と言えるだけの事をしていない事が多い。
これは個人の人生でもMTGでも同じだ。
ある程度までは人間というものは、
勝つべくして勝ち、
負けるべくして負ける。
天災に遭うようなものはどうしようもないが。

Cardshop Serraはひどくトラブルばかりに見舞われたが、
それでも潰れずに済んでいる。
これから先はわからないけれども、
出来る事ならこのまま続けて潰れないショップでいたい。
そして100年後、200年後にMTGが1つの文化として残るための礎を作りたい。

ではまた。



記事作成日:2019/05/02



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