Time Walk

今回のお題は《Time Walk》。

今回は久々に1枚のカードに焦点をしぼってのお話。
しかも一風変わった話題に。

Time Walk》とは、
筆者が「マジックで一番強い魔法は何?」
と聞かれた場合に真っ先に思い浮かんでしまうほど大好きなカード。

今更な気もするものの、カードの効果は、


Time Walk
コスト:1青
ソーサリー
あなたは、このターンに続いて追加の1ターンを行う。
エキスパンション:α、β、UN
レア

1粒で3度おいしい《Ancestral Recall》に瞬時のパワーは劣るものの、
Time Walk》をマジックの上手な相手に撃たれた時ほど
「ああ、死んだかな・・・」と思う瞬間は無い。
Time Walk》は全体としての爆発力を発揮した時、
他のどのカードよりも威力が出ると言えるようなカード。
無理やり言って
「2マナで1ドロー出来て、
 追加の土地が置けて、
 追加の戦闘フェイズが来る(もしくは召喚酔いを消す)カード。」
である。

Ancestral Recall》のように、いつ撃ってもとりあえず強い、
と言えないだけに価格では負けてしまうが、
これほどにぶっとんだ効果がたった2マナというのはあまりに強い。
両方を持っていて、使った事のある人ならわかると思うのだが、
Time Walk》を撃った時のほうが「勝った!」という感じがしないだろうか。

この《Time Walk》、意外に知らない人が多いのだが、
素晴らしくセンスの良い絵である。

よーく絵を見てみてほしい。
なにやらガイコツ?が3匹。
一匹が遠くに座っていて、
一匹は歩いていて、
一番大きいやつが止まっている。

座っているやつのところがゴールであるかのように、
道が続き、そこまでの道のりに時計がある。
(ついでに言うとガイコツ?の顔も時計だ)

この絵が何を表現しているかといえば、

座っている小さいガイコツ(未来)
歩いているガイコツ(現在)
止まっていて一番大きいガイコツ(過去)

という時間の流れを表現している。
過去は現在からは近く、
ゴールのようである未来は現在から果てなく遠い、
しかも未来までの道のりだけ坂道。
道の周りは時計が描いてあり、
これが時間の流れ。
と、非常に哲学的なことまで表現されている。

過去のガイコツは
「過去なので動かない。そして人間は過去の知識と経験が大半なので、
 このガイコツが一番大きく描かれている。」

現在のガイコツは
「現在なので現在進行系で未来に向かって歩いている。
 過去を振り返らないよう未来の方を向いている。」

未来のガイコツは
「未来(ゴール)は果て無く遠く、険しい坂道の先にある。
 現在のガイコツが来るのを待っている。」

これに気づいた時、この絵を描いた画家さん、
素晴らしいセンスと頭の良さだと思った。

たった1枚の絵にこれだけの事を表現出来る事、
Time Walk》(直訳:時間歩行)という単語から、
ここまでのものが描ける発想力、
マジック史上最高の画家ではないかと思うくらい。

参考までに、この絵を描いた画家はAmy Weber。

有名な絵は《Time Walk》の他に、
チビ・ドラゴン/Dragon Whelp
羽ばたき飛行機械/Ornithopter》(5thまでの絵)
Copy Artifact
氷の干渉器/Icy Manipulater》(Ice Ageの絵)
ミシュラのアンク/Ankh of Mishra》(4thまでの絵)
終末の時計/Armageddon Clock
時の精霊/Time Elemental
歪んだ秘宝/Warp Artifact
調和の中心/Concordant Crossroads
Divine Intervention
Fork
High Tide》(魚の絵)
Illusionary Mask
宝石の鳥/Jeweled Bird
などなど。
結構トーナメントカードが多い。
リチャード・ガーフィールドのアナグラムで有名な《Phelddagrif》もこの人が描いている。

このAmy Weberさんは、
アーティストプルーフの裏側の真っ白な面に、
絵を描いて下さいとお願いすると、
とても丁寧に綺麗な絵を描いてくれる事でも有名。
もうマジックでは絵を描かれていない画家さんではあるものの、
可能なら戻ってきて欲しい画家さんナンバーワン。
独特の絵を描き、ファンも多い。
マジックの初期の頃を語るに欠かせない画家の一人。
なお、Cardshop Serraの店主はこの《Time Walk》の原画が欲しくてたまらない。
セラの天使/Serra Angel》の原画の横に飾りたい原画である。

今のマジックはストーリーにそった絵がほとんどなので、
こういう絵が見られなくなってしまったのがとにかく残念。
また、コンピュータグラフィックで描かれたものが増え、
綺麗な絵は増えたものの、味気無いものばかりで、
こういった作者のセンスが問われるカードは確実に減ってしまった。

今のプレイヤーさんたち、
気がむいたときにでもこういうカードに目を向けてみてほしい。
今のカードとは違った趣を見つけられる事があるだろう。

ではまた。




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