Ashnod’s Coupon

お客様からのリクエスト。

Ashnod’s Coupon》。
多くの人が知る、
「ジュース買ってこい」
と命令出来る、素晴らしいカード。



Ashnod’s Coupon
コスト:0
アーティファクト
(T),Ashnod’s Couponを生け贄に捧げる:プレイヤー1人とドリンク1本を対象とする。
そのプレイヤーは、そのドリンクをあなたのために取ってくる。
エラッタ:あなたはそのドリンクに必要なあらゆるコストを支払う。
アングルード:レア
——————
ルール上、
プレイヤーにとって合法な飲み物を対象に取らなければいけない。
未成年者が「ビール!」と言ってはいけない。
また、入手不可能な飲み物も対象に指定出来ない。
対象の飲み物が売り切れの場合、立ち消えする。

MTGのトーナメントで使えないカードの中で、
最も話題になるカードである事は疑いようもないだろう。
実際に使った人は結構少ないはずである。
使われた人も。
自分はその実際に使われた側である。

このカードには色々と思い出がある。
「Cardshop Serraのできるまで其の弐」
のこらむのB店で働いていた時の事だ。

突然、数人の友人たちとともに、
「アングルードも使ってOKで大会しよう。」
「使っていいカードはType1(Vintage)の制限カードは守るとして、
 あとはなんでもあり。
 《Chaos Orb》と《Falling Star》は持ってる人いたら1枚制限。
 アンティカード禁止。」
「《Ashnod’s Coupon》アリって事だよな?」
「ああ。お店の外のところに自動販売機2つあるし面白いんじゃない?」
「むしろそれを使うためと言ってもいい。」

これで決まった。
何人もの友人たちが突然にしてアングルードのカードを必死に買っていた。
理由は、
「誰もが《Ashnod’s Coupon》をトレードに出す気が無かったから」
である。
そして当日、20人近い人が集まり大会開始。
もちろん自分も出場した。

「第一回戦開始!」
という声からたった十数秒後、
ガタッ!
という音とともに3人が起立。
言うまでもない。
Ashnod’s Coupon》が1ターン目に起動したのである。
「CCレモン。」
「午後ティー。」
「カルピス。」
各テーブルでは普段のトーナメントでは聞く事の出来ない単語名とともに、
席を立つプレイヤーの姿。
中には最初からテーブルにデッキとともに小銭を用意している猛者もいた。
とても正常とは思えない。
一日に何本ジュースを飲む気なのか。

友人がジュースを買いに行かされているのを見て笑いながら、
自分は先攻1ターン目、
Jack-in-the-Mox》からマナを出そうとサイコロを降るところからスタート。
Jack-in-the-Mox》とは、

Jack-in-the-Mox
コスト:0
アーティファクト
(T):6面ダイスを1個振る。1が出た場合、
Jack-in-the-Moxを生け贄に捧げあなたは5点のライフを失う。
そうでない場合、Jack-in-the-Moxは以下の効果の1つを持つ。
2 – あなたのマナ・プールに(白)を加える。
3 – あなたのマナ・プールに(青)を加える。
4 – あなたのマナ・プールに(黒)を加える。
5 – あなたのマナ・プールに(赤)を加える。
6 – あなたのマナ・プールに(緑)を加える。
アングルード:レア

という、1さえ出なければとりあえず何らか1マナ出てくれるMox。
先攻1ターン目、土地より先にこれをプレイした自分。
見事サイコロの目は1が出て、
「あ…ライフ15点スタート…。《Jack-in-the-Mox》壊れました。」
周囲に大笑いされながらも
「ジュース買いに行かされる奴よりマシだ!《》置いてエンド!」
と宣言。
対戦相手、後攻1ターン目。
「セット《Underground Sea》。《Ashnod’s Coupon》。アロエドリンク。」
「なっ何故パックのジュース名を…。外に自動販売機あるのに?」
「コンビニまで走れ。」
この会場からコンビニまでは約150m。
1ターン目に午後ティーやCCレモンを買いに行った人たちのジュースは、
お店の外にあった自動販売機に売っているものだった。
しかし、自分の対戦相手の指定したジュースはどういうわけかパックのジュースで、
見事に自分だけコンビニまで走る羽目になった。
周囲に笑われながらコンビニまで走る自分。

ジュース買って戻ってきた自分の2ターン目、《》置いてエンド。
相手2ターン目、
「セット《》。《Ashnod’s Coupon》。」
「何?!2枚目?!」
「甘いんだよ。2マナから《Copy Artifact》だ!」
とても正常とは思えない。
2ターン目にしてアドバンテージを無視して、
突然に《Ashnod’s Coupon》をコピー。
2ターン目にして3本目のジュースである。
初期手札7枚、後攻ドロー+2ターン目ドローで合計9枚の手札のうち、
すでに3枚が《Ashnod’s Coupon》として使われているのだ。
土地2枚セットとしているので、残りの相手の手札は4枚。
しかもこの時、1本目のアロエドリンクを飲み終わりかけている。
普通では考えられないプレイングである。
手札にある《Mana Drain》で《Ashnod’s Coupon》カウンターすべきだったんだろうか?
などと、わけのわからない事を考えながら、
またしても指定されたアロエドリンクを買いにコンビニに走った。

自分3ターン目、
「《Underground Sea》置いて、《Mox Jet》置いてエンド。」
相手3ターン目、
「《》セット、《ネクロポーテンス/Necropotence》。」
「《Mana Drain》でカウンター。」
「エンド。」

自分4ターン目、《Mana Drain》の3マナと土地と《Mox Jet》から《Mirror Mirror》プレイ。
なお、自分のデッキは
Mirror Mirror》で相手のデッキで戦うつもりのバカデッキだった。
自分のデッキに勝ちパターンがほとんど無い。
一番の心配は「相手のデッキに勝ちパターンが無い場合」である。

相手4ターン目、
「セットランド。タップアウトしてるよな?行くぜ!
暗黒の儀式/Dark Ritual》!《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》!」
墓地には
Ashnod’s Coupon》2枚、《Copy Artifact》、《ネクロポーテンス/Necropotence》の4枚と、
今プレイした《暗黒の儀式/Dark Ritual》。
確かに全てプレイ出来る。
が、
とても正常とは思えない。
「《Ashnod’s Coupon》を2枚プレイ。《Copy Artifact》!コピー先は…」
「俺の場にある《Mirror Mirror》か《Mox Jet》だよな?」
「誰がそんなもったいない事するか!《Ashnod’s Coupon》だ!」
なにがどうもったいないのかさっぱりわからない。
そんなにこいつはアロエドリンクが飲みたいのか。
「やめろ!これ以上俺をコンビニに走らせるな!」
「やだ。とりあえず《暗黒の儀式/Dark Ritual》から《ネクロポーテンス/Necropotence》。
5ライフ払ってエンド。」
Ashnod’s Coupon》を起動しないようだ。
「起動しないの?《Ashnod’s Coupon》。」
「だって今起動したら、《Ashnod’s Coupon》も《Copy Artifact》もゲーム外に行っちゃうじゃん。」
「これ、まだ回収して出す気か。」
「ああ、デッキに《時のらせん/Time Spiral》も入れてあるしな。」
とても正常とは思えない。

次ターン、またしてもコンビニに走らされる自分。
MTGの大会なのに何故こんなにも疲れるのか。

この第一回戦、自分はゲームには勝利したが、
気持ちは非常に負けた気分だった。

なお、
この大会の参加者が1日に購入したジュースの合計数は50本を超えた。
まったく、MTGとはお金が必要なゲームである。
自分は8回はジュースを買いに行った。
まったく、MTGとは体力が必要なゲームである。

ちなみにこの大会で、《B.F.M.》を普通にプレイした猛者もいた。
99/99のクリーチャーで1パンチで相手を倒したと喜んでいた。
たった1度しか行われなかったアングルードOKの大会だったが、
非常に盛り上がり、楽しい1日になった。
アングルード(とアンヒンジド)が発売されてから随分な時間が経ったが、
今でも仲間内で楽しく遊ぶ事をお薦めしたい。
また、
そんな時に下記のデッキを是非とも使っていただきたい。

クリーチャー8枚
1《Richard Garfield, Ph.D.
3《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder
2《寛大なるゼドルー/Zedruu the Greathearted
2《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers

インスタント12枚
1《Ancestral Recall
1《けちな贈り物/Gifts Ungiven
1《神秘の教示者/Mystical Tutor
4《Mana Drain
4《Force of Will
1《吸血の教示者/Vampiric Tutor

ソーサリー4枚
1《Time Walk
1《修繕/Tinker
1《ヨーグモスの意志/Yaegmoth’s Will
1《Demonic Tutor

アーティファクト19枚
4《Jack-in-the-Mox
1《Ashnod’s Coupon
1《Mox Lotus
1《Black Lotus
1《Mox Pearl
1《Mox Sapphire

1《Mox Jet
1《Mox Ruby
1《Mox Emerald
1《Time Vault
1《通電式キー/Voltaic Key

1《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond
1《太陽の指輪/Sol Ring
1《魔力の櫃/Mana Vault
1《Mana Crypt
1《精神隷属器/Mindslaver

プレインズウォーカー3枚
2《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor
1《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker

土地14枚
2《Volcanic Island
2《Underground Sea
2《Tundra
2《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
3《汚染された三角州/Polluted Delta
2《沸騰する小湖/Scalding Tarn
1《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy

————————————-
プレイングが非常に難しいが、
相手のライフではなく、サイフを0にする事が可能。
土地破壊デッキの事を「ランドデストラクション」と呼び、
手札破壊デッキの事を「ハンドデストラクション」と呼ぶ。
たぶんこのデッキは「サイフデストラクション」と呼ぶ。

最終的には
Richard Garfield, Ph.D.》が入っているので、
カードの知識さえあればどんな事でも出来るだろう。
Mox Lotus》を《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》としてプレイする事も出来る、
非常に夢のあるデッキである。

ではまた。



記事作成日:2011/11/19



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