なりたかった職業

ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。

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もしなれるのであれば、
カードショップのオーナー以外になりたかった職業などはありますか?
コラムでセラさんのもしも物語的なものを書いてもらえたら、ぜひ読んでみたいです

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おお、なんと面白い質問。
喜んで回答をば。
まず、前提として、
なりたかった職業というものは子供の頃からほとんど無かった。
学生時のなりたい職業を書く作文なんてものは面倒でしょうがなかった。
なにせなりたいものが無かったのだから。

10代後半は、
「何故憲法に労働の義務なんてものがあるのだ?
 働く事を強制される理由は一体何なのだろう?」
と思っていた。
税金についても同じだ。
何故納税しなければならないのだろう?
歴史を勉強していても、
随分と昔から税金という制度は存在しているし、
これがどうして存在しているのだろう?
全く納得がいかない!
納得いかないのに税金なんて払えるか!
納得いかないのに労働なんて誰がするか!
と思っていた。
完全に子供だ。
(当時、子供とギリギリ言える年齢だったのだが。)
いや、実際のところ今もちょっとくらい思っている。
正しく使われない税金なんて払いたくないし、
働かないで済むのなら一日中MTGに決まっておろう。
なに?一日中MTGだったら飽きるだろうって?
甘ったれが。
飽きないダメ人間だからカードショップのオーナーやってんだよ。
コレクション眺めて1時間ニヤついてるのが普通になってから出直してこい。
この領域になれるまでは地道に働いて納税してろ、真人間め。(※)

※真人間のままでいましょう。絶対にこういう人の真似はしないように。
そしてこの領域になったとしても、労働と納税は残念ながら義務です。

こんな事ばかり考えているダメ店主、
子供の頃からどういうわけか、
「人の下につくのは嫌だ。」
とだけ思っていた。
思っていたというより、
そういう認識が出来なかった、想像出来なかったと言ったほうが正しいか。
子供の頃から頭のどこかには独立の文字があったのかもしれない。
歴史が好きだったので、
学者という道も考えなくも無かった。
学者も上にさえ行ければ、人の下にはならない。
が、世の中はそんなに簡単でもないし、
そもそも学者というやつは大金を得られる職業でもないだろう。
大金が欲しかったわけではないが、
不自由をするのも嫌だったので学者の道は目指さなかった。

カードショップのオーナーが大金を得られる職業でもないのに。

それから、
子供の頃から現在まで、
よく言われるのは
「お前はとにかく説明が上手で、
 物事を教える事が上手い。」
「英宝さんが歴史の教師だったら、
 歴史を嫌いになる事は無かった。」
「相手の頭脳に合わせて説明が出来る人を初めて見た。」
「人にわかりやすく説明する天才。」
「教師の子供だからなのか教師に向いていると思う。」
「どんな疑問にもある程度的確な答えをくれる珍しい人。」
といったこと。
つまり、結構な頻度で「教師に向いている。」と言われていた。
が、
教師など真っ平御免。
たぶん職員室の空気に耐えられない。
自分をよく知る友人からは、
「教師になったら、生徒から人気が出て、
 職員室で煙たがられる教師になると思う。」
と言われた。
自分でもそんな気がするうえに、
定時出社、定時退社が完璧なスケジュールになっている職業が、
どうしても向いている気はしなかった。

そんなアダルト・チルドレンな社会不適合者がなりたかった職業が1つ。
それは宗教法人。
日本の一般的な ...
これだけ書くとカルト宗教やりたいように聞こえそうだが、
別になんでも良かった。
お寺の住職、神社の神主、宗教法人の教祖などなど。
理由はいろいろ。

・いくつかの税金が免除されるから。
・英宝という名前が坊主にありそうだから。
・袈裟を着てBARに行き、生臭坊主と呼ばれたかった。
・ついでに宗教法人の教祖なら、
 一日中何やってても許されそうだから。
 (主に一日中MTG。)
・この職業も人の下につかなくて良いから。
・第一人称で「拙僧」と言ってみたかったから。


思い出すだけでも動機が不純だとよくわかる。
この中で最大の理由は税金だ。
宗教法人は随分と税金について優遇されている。
とにかく税金というやつから離れたかったのだ。

ちなみに、今までに名前を聞かれて、
「英宝。」
と答えると、
「えいほう?寺の坊主か?」
と20回以上言われている。
家系を辿ってみても寺や宗教には無関係なのだが。

坊主になりたいと結構思っていたものの、
動機が不純な挙げ句、
どうやってなったらいいのかわからなかったので、
結局坊主にはならなかったし、なれなかった。
だいたいこんな考えの人間は坊主なんぞやっちゃいけない。

坊主という職も、
「人の下につくのは嫌だ。」
という思考のままに行き着いた「なりたかった職業」の1つだと思う。

結局自分は「人の下につかなくて良い」立場である経営者になった。
なった理由は案外とシンプルなもので、
「失敗をした時に、自分以外の誰かが責任をとるのが嫌だ。
 自分以外の誰かにまで損をさせるのが嫌だ。
 自分の失敗くらい自分でケツをふきたい。」
という気持ちから。
この気持ちになった要因の1つは、
自分がカードショップに勤めていた頃に、
一瞬の隙をつかれて、
ブースターボックス1箱盗まれてしまった事があった。
その時にお店にいた従業員は自分だけ。
お客様が多い日で、対応している間に盗まれてしまった。
自分はこれをオーナーに報告し謝罪した。
オーナーは、
「君が悪いわけではない。盗まれてしまったものはどうしようもない。」
と咎めもしなかったが、
自分は自分を責めた。
自分の財布からお金を盗まれたほうがまだ気楽だと思った。
そんな感覚になる人のほうが少ないのだろう。
この時、
盗まれてしまう自分の無能さと、
自身で責任がとれない事の無力さの2つは、
当時の自分にとってとても悔しかった。

自分はそんな悔しさを抱えつつ、
どこかでは宗教法人をやってみたいなぁと思うおばかさんのまま、
いつの間にやらカードショップのオーナーになった。

ところで、
今からでも宗教法人「マジック・ザ・ギャザリング」出来ないかなぁ。
ここはあえて宗教法人《救済の天使》が胡散臭くていいかもしれない。
怪しさ爆発は宗教法人ネビニラル。
一番面白そうなのはファイレクシア教。

一応教義だけは考えてある。
MTG教の十戒
一.汝は《Black Lotus》の他に、何ものをも神としてはならない。

二.汝は偽物のカードを造ってはならない。

三.汝はパワー9をみだりに唱えてはならない。

四.汝は黒枠の良さを覚えて、これを正とせよ。

五.汝の所有カードを大切に扱え。

六.汝引退するなかれ。

七.汝不正するなかれ。

八.汝盗むなかれ。

九.汝の対戦相手のデッキを傷つけてはならない。

十.汝の隣人の財産を欲してはならない。


気付いた人もいるだろうが、
八番と十番だけは元祖のモーゼの十戒と全く一緒だ。
破ったらだいたい士道不覚悟で切腹。

そういえば、
活動実態の無い宗教法人や、
この先跡継ぎがなく困っている宗教法人というものは、
田舎のお寺などにあったりして、
それを買う事が出来るような話を聞いたことがある。
これが本当なら、
ファイレクシア教設立も夢ではないのかもしれない。
一人称「拙僧」も夢ではないのかもしれない。
英宝住職と呼ばれる日も夢ではないのかもしれない。

あ、その時はお布施は現金以外にカードもOKです。
お布施は1ジェイスからお願いします。
1ジェイス札 3
ではまた。



記事作成日:2019/01/19



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