へんてこデッキ紹介その11。
記事作成日:2019/01/05 執筆:加藤英宝
今回のデッキはヴィンテージ。
ある日突然、
《ギトラグの怪物/The Gitrog Monster》を始めとした様々なEDHデッキを作るTが、
「降ってきた。」
と言い出した。
Tは基本的に常識人であり、
どこかのKとは違う。
病院でも勧めたくなる発言をする人ではない。
Kは手遅れなので病院を勧める事もしない。
Kは「お前のほうがよっぽど手遅れ。俺は一般人。」と反論をするが、
こういう奴は自分の事がまるでわかっていない。
さて、いきなり「降ってきた。」と言ったT。
何やらヴィンテージのデッキが思いついた模様。
店主「で、どんなデッキ組むの?」
T「ノンクリーチャーオースバーン。」
店主「・・・聞こえなかった。もう1回。」
T「ノンクリーチャーオースバーン。」
Kウィルスにでも感染したのか、T。
なんだかとんでもない事言いだしたぞ。
ノンクリーチャーオース
と言っている挙げ句、バーンと言い出したぞ。
オースデッキというのはそもそもクリーチャーを入れているものである。
それがノンクリーチャーと言い出したうえに、
さらにバーン。
店主「Tに病院を紹介したほうがいいのか、
それともオクスリをやってしまったから言い出したのか、
俺には区別がつかないぞ。」
という言葉を飲み込み、
ひとまずデッキを見せてもらった。
デッキ名:Tお手製ノンクリーチャーオースバーン2018 さようなら平成
(デッキ名は店主が強制的かつ勝手にださい名前にしました。)
-インスタント23枚-
4《Force of Will》
4《危険因子/Risk Factor》
4《稲妻/Lightning Bolt》
3《火+氷/Fire+Ice》
2《精神的つまづき/Mental Misstep》
1《突然の衰微/Abrupt Decay》
1《Ancestral Recall》
1《渦まく知識/Brainstorm》
1《直観/Intuition》
1《神秘の教示者/Mystical Tutor》
1《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
-ソーサリー9枚-
4《這い寄る恐怖/Creeping Chill》
2《ガイアの祝福/Gaea’s Blessing》
1《思案/Ponder》
1《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
1《Time Walk》
-エンチャント4枚-
4《ドルイドの誓い/Oath of Druids》
-アーティファクト8枚-
1《Black Lotus》
1《Mana Crypt》
1《Mox Emerald》
1《Mox Jet》
1《Mox Pearl》
1《Mox Ruby》
1《Mox Sapphire》
1《太陽の指輪/Sol Ring》
1《Time Vault》
-プレインズウォーカー1枚-
1《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
-土地15枚-
4《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》
2《Volcanic Island》
2《Underground Sea》
1《Taiga》
1《Bayou》
1《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
1《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》
1《森/Forest》
1《沼/Swamp》
-サイドボード-
3《虚空の力線/Leyline of the Void》
3《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
2《暗殺者の戦利品/Assassin’s Trophy》
1《突然の衰微/Abrupt Decay》
1《グリセルブランド/Griselbrand》
1《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》
1《業火のタイタン/Inferno Titan》
1《ドラゴンの息/Dragon Breath》
1《落盤/Cave-In》
1《沈黙の墓石/Silent Gravestone》
メインにクリーチャーが無い。
《ドルイドの誓い》フル投入なのに。
ただ、《ドルイドの誓い》を起動させても、
ライブラリーが消えてなくなる事はない。
《ガイアの祝福》の能力でライブラリーは回復する。
で、何をするつもりなのだろう?
T「《ドルイドの誓い》が起動すれば12点ドレインだ。
あとは火力で行ける。」
ああ、そうか。
《這い寄る恐怖》か。
このカードの効果は、
《Creeping Chill/這い寄る恐怖》
コスト:3黒
ソーサリー
這い寄る恐怖は各対戦相手にそれぞれ3点のダメージを与え、あなたは3点のライフを得る。
這い寄る恐怖があなたのライブラリーからあなたの墓地に置かれたとき、
あなたはこれを追放してもよい。そうしたなら、
這い寄る恐怖は各対戦相手にそれぞれ3点のダメージを与え、あなたは3点のライフを得る
アンコモン
このカードの2つ目の能力は、《ドルイドの誓い》で誘発する。
《ドルイドの誓い》でこのカードが4枚ライブラリーから墓地に落ちれば、
相手のライフが12点削れる。
(手札に無い事が条件だが。)
で、同時に《ガイアの祝福》が落ちるのでライブラリーは回復する。
《這い寄る恐怖》は追放されるので二度と撃てないので、
この時点で《ドルイドの誓い》はただの置物と化す。
というとんでもなく変わった事をやろうとしている。
T「《危険因子》なんて最初の1発間違いなく4ダメージ食らってくれるだろ?
で、フェッチ切ったりもするし、
《危険因子》を墓地から再活しても4ダメージ選ぶ人多いでしょ。
だってヴィンテでカード引かせる人いないし。
つまり相手のライフが12まで減ればあとはもう瞬殺コースだ。」
とコメント。
《危険因子》の効果も書いておこう。
《Risk Factor/危険因子》
コスト:2赤
インスタント
対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは
「危険因子はそのプレイヤーに4点のダメージを与える。」
を選んでもよい。
そのプレイヤーがそうしなかったなら、あなたはカードを3枚引く。
再活(あなたはあなたの墓地から、このカードを、
これの他のコストの支払いに加えてカード1枚を捨てることで唱えてもよい。
その後、このカードを追放する。)
レア
つまり、このデッキは、
《ドルイドの誓い》が起動すると・・・多分相手は死ぬ。
削り切れない場合は《稲妻》や《火+氷》で押し切るんだそうだ。
「なるべく先に《危険因子》を撃っておいて、
相手のライフを12以下にしてから、
《ドルイドの誓い》で瞬殺を狙いたい。」
と言っていた。
「普通ならそんな方法で死ぬと思ってないだろうから、
初見殺し出来る。
初見殺し出来たらサイドボード後に普通のデッキにしてみるのも1つだ。」
とも言っていた。
全く、変わった事が思いつくものだなぁと。
店主「で、このノンクリーチャーオースバーンは、
先日のヴィンテージでどうだったの?」
T「うん、全然勝てなかった。あ、でも1勝したな。
まだ練る余地はある。」
とのこと。
なお、言われないと案外気づかないのだが、
《直観》を撃ち、《這い寄る恐怖》3枚を選択すると、
当然2枚は墓地に落ちる。
この2枚は、
「あなたのライブラリーからあなたの墓地に置かれたとき」
の条件を満たすので誘発する。
つまり、残りライフ6以下になると《直観》で人が殺せる。
色々な方法で、想像しない角度からライフを削りに来る変わったデッキだ。
そして、《這い寄る恐怖》はコスト4なので、
撃てない程のコストのカードではないため、
手札に来たら諦めて撃つという事もある。
通常撃ちした場合は追放されないので、
いつか《ガイアの祝福》でライブラリーに戻る事もある。
そんな悠長な事してたらヴィンテージだと殺されるんじゃない?
と思う人もいそうだが、
こればかりは相手次第。
10ターンかかる事もあれば3ターン以内で終わる場合もあるのがヴィンテージ。
さて、Tはこのデッキはまだ練る余地があると言っているので、
いつかまたこのデッキの別バージョンが出てくる事に期待しよう。
ではまた。