アラビアンナイト
今回のお話はエキスパンション、アラビアンナイト。
筆者が1度も開封したことのないパック。(2005年2月現在)
マジックのエキスパンションで、
唯一、現実世界の物語がカードになっているセット。
このエキスパンションのカードは、
ジン、イフリートの名前を除いて、
全てのカードがお話に由来するのを知っているだろうか。
(ジン、イフリートの名前はスタッフの名のアナグラムだとか。)
また、カードの効果の多くもお話をもとに作られている。
言うまでもなく、
《Ali Baba/アリ・ババ》
コスト:赤
クリーチャー 人間(Human) ならず者(Rogue)
赤:壁(Wall)1つを対象とし、それをタップする。
1/1
能力は当然のごとく、
「Open Sesame!」(開けゴマ!)
で壁が動いてしまうストーリーそのまま。
逆にストーリーとのズレを感じるのは、
《アラジンのランプ/Aladdin’s Lamp》。
《Aladdin’s Lamp/アラジンのランプ》
コスト:10
アーティファクト
(X),(T):このターン、次にあなたがカードを引く代わりに、あなたのライブラリーの一番上からX枚のカードを見て、それらの中から1枚を除いて残りをすべてあなたのライブラリーの一番下に無作為な順番で置く。その後、カードを1枚引く。Xは0にはできない。
能力が「ランプの精」を呼び出す能力だったら面白かった。
ただ、このランプの能力も、当時のカードの中では、
「願いが叶う」能力だったと位置づけしたかったのだろう。
全然願いが叶わないんですけれども。
こんなに重たいコストなら、
「カードを引く代わりに」という単語いらないような気が。
マジックのアラジンのランプと言えば、
同じアラジンの中に出てくる、
《アラジンの指輪/Aladdin’s Ring》。
《Aladdin’s Ring/アラジンの指輪》
コスト:8
アーティファクト
(8),(T):クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。
アラジンの指輪はそれに4点のダメージを与える。
これはランプの精と同じく、
指輪の精がいるが、
(実は全然目立たないので忘れている人も多い)
ストーリーの中ではランプの精の力のほうが強いので、
ランプのほうを10、指輪を8にしたのだと思われる。
(コストが安いほうが強い!なんて言っちゃダメです。)
今はショットガンなどとあだ名されるこの指輪にも、
製作者の何かしらの思い入れがあったのだろうと想像している。
そうでもないとこの2つのカードは浮かばれない。
また、《アリ・ババ》と並ぶアラビアンナイト(千一夜物語)の有名キャラクターと言えば、
《Sindbad/シンドバッド》
コスト:1青
クリーチャー 人間(Human)
(T):カードを1枚引き、それを公開する。
それが土地カードでない場合、それを捨てる。
この能力は《シンドバッド》のストーリーに合わせられたもので、
知っている方も多いかもしれないが、
《シンドバッド》は幾度と無く冒険をし、
幾度と無いピンチに陥る。
それでも彼は諦めず(懲りず?)に冒険を繰り返し、
多くの財を築いた、というお話。
そんな彼の冒険した多くの場所の中に、
《Bazaar of Baghdad》(日本語未訳:直訳はバグダッドのバザー)
《Elephant Graveyard》(日本語未訳:直訳は象の墓場)
《Diamond Valley》(日本語未訳:直訳はダイアモンドの峡谷)
《オアシス/Oasis》
《Desert》(日本語未訳:直訳は砂漠)
《Library of Alexandria》(日本語未訳:直訳はアレクサンドリアの図書館)
《島魚ジャスコニアス/Island Fish Jasconius》
があり、《シンドバッド》の能力は
タップ(冒険)して、新しい土地を探す、
という感じに作られている。
《島魚ジャスコニアス》はお話の通り、島ではないので手札に入らない。
(島だと思って焚き火をしたら島が動き出す、というストーリーのところ。)
上記の土地の中で、有名なものは《Diamond Valley》。
《シンドバッド》が宝石の谷に落ちて、どうしようかと思っているところに、
大きな肉が落ちてきて、それをルフ鳥が拾いあげ、
これを元に宝石をとっている商人が出てくる、
という《シンドバッド》の序盤のお話に登場。
このルフ鳥は《ルフ鳥の卵/Rukh Egg》のカードとしてマジックには登場。
ルフ鳥はシンドバッド以外のアラビアンナイトのストーリーにも、
要所要所で出てくる。
話を続けていると長くなりすぎてしまうので、
今回はこのへんでストップしておこうと思うが、
興味のある人は、
アラビアンナイトのカードを眺め、
千一夜物語を読んでみると面白い。
知らなかったカードの一面を見ることが出来るので、
興味を持った方は是非一度読んでいただきたい。
筆者はいずれアラビアンナイトのパックでも開封してみようと思います。
誰か一緒に開けたいって人、一緒に買って開けましょう。
ちなみに《Library of Alexandria》は実在の図書館。
残念ながら現存はしていない。
ではまた。