Contract from Below

今回のお題は《Contract from Below》。

Contract from Below
コスト:黒
ソーサリー
アンティを賭けてプレイしない場合、
プレイを開始する前にContract from Belowをあなたのデッキから取り除く。
あなたの手札を捨て、あなたのライブラリーの一番上のカードをアンティに追加する。
その後カードを7枚引く。
レア

βからRevisedまでにあったアンティカード。

アンティとさえ書いていなければ、一人《Wheel of Fortune》。
1マナとしては《Ancestral Recall》を超えるであろうカード。
よほどの事が無い限り、トーナメントでは使えるようにはならない。
アンティカードをルール改正でアンティに関する記述を無くし、
トーナメントで使えるテキストに修正された場合、
このカードの価値は跳ね上がるだろう。
十中八九ありえない。
が、
よくよく考えてみれば、《Illusionary Mask》というカードは、
既にカードのテキストと全く違う事が書いてあるのだから、
可能性が0ではない。
いつか撃てる日が来たら嬉しい1枚。

この《Contract from Below》、
わざわざ友人に頼んで和訳をしてもらった。
もちろん絵の中にある英文を。
羽ペンや爪で書かれている隠されたところはこの単語だろうと、
しっかり教えてくれた。

カード名:「Contract from Below」の和訳→「下記の契約について」

カードのイラスト内の文:
I ,the undersigned, do hereby agree to all stipulations as discussed above
(署名者は、上記に定められている全ての規約に同意するものとする)

Signed,(署名)
        ←署名用空欄
—————–


カード名は下記の契約内容を参照しろと書いてあり、
画像は上記の契約内容を参照しろと書いてある。
「何がなんだかサッパリわからない」
となってしまうだろう。
しかし絵をよく見てもらいたい。
この契約書の書類は上部分が巻かれているため、
契約内容がわからない。
この契約内容(巻かれて見えない部分)は何なのか。
それはカードテキストと解釈出来る。

「あなたの手札を捨て、あなたのライブラリーの一番上のカードをアンティに追加する。」
「その後カードを7枚引く。」

これが契約内容。
署名欄に自分の名前を書いたら契約成立。
黒マナ払って、手札捨てて、1枚アンティ追加して、
契約上の払うもの払ったら7枚カードを引く、と。
カードそのものが契約書。

このカードの署名用空欄の位置に、
この絵のアーティストであるDouglas Shulerのサインをもらってみたい。
Douglas Shulerとは言うまでもなく、
セラの天使/Serra Angel》を描いてる画家である。

トリスケリオン/Triskelion
Demonic Tutor
氷の干渉器/Icy Manipulator
惑乱の死霊/Hypnotic Specter
放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer
心霊破/Psionic Blast

など、インパクトの強い絵を描く。
同じDouglas Shulerの描いた《Demonic Tutor》の絵の悪魔が持っているあの本の中には、
この契約書が入っているのかもしれない。
よくある悪魔との契約と言えば、
「どんな願いでも叶えられるが、
 その代償は自身の魂である」
というもの。
この《Contract from Below》の記述にはぴったりだ。

願い:カードを7枚引く。
代償:負けた場合にアンティ(魂)を持っていく。

黒のコストと手札を捨てる部分は悪魔召喚の儀式なんてところまで考えてみても面白い。

実際にこのカードをデッキに入れて使うとして、
貴方の手札に《Demonic Tutor》があったら、
案外とこのカードを持ってきて撃つ事も多いのではなかろうか。
1ターン目に土地、マナアーティファクトなどを高速展開して、
さあ手札を補充したいとなったら、これ以上に強いカードは無い。
そこで悪魔の教示者(Demonic Tutor)から悪魔に魂を売る契約(Contract from Below)。
同じβからあるカードで、同じ画家の絵でこの世界観。
そして、
悪魔との契約についての逸話は、
「契約し、願いを叶えた後、破滅して凄惨な死を迎える」
「契約し、願いを叶えた後、破滅しかけるが何らかの形で救いがもたらされる」
とおおむね2パターンが存在する。
マジックにおける”破滅して凄惨な死を迎える”のは、
プレイヤーが負けてアンティを失う時。
つまりは、勝てば”破滅しかけるが何らかの形で救いがもたらされる”のである。

非常によく出来ている。

Whispers Guildで仮訳が「黄泉の契約」となっているが、
これは《黄泉からの橋/Bridge from Below》というカードがあるためと思われる。
このカードがBelow=黄泉となっている事から、
こちらの仮訳もそうしているのだろう。
また、黒という色の特徴、
それから、魔法の世界、ファンタジーの世界としての意味合いもあるので、
「黄泉の契約」
という仮訳のほうがイメージには合っている。
友人はあくまでこの絵とカード名の示すものを表現してくれている。

この《Contract from Below》、こらむ読むまでは
カード名さえ知らなかったお客様も多いのではなかろうか。
昔のカードは引っ張り出すとこんな風に趣のあるお話が飛び出てくる。
トーナメントでも使えないカードではあるが、
ファンタジーの世界観に浸るには十分なほどいいカードと言える。
たまにはこんなカードをコレクションしてみるのはいかがだろう。
マジックの別な楽しみが生まれるかもしれない。

ではまた。



記事作成日:2011/09/21



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