再録禁止と価格変動について。前編

ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。
そしていつものようにこらむで回答・・・という流れなのだが、
ツイッターの文字制限がとにかくきつい。
まともな回答をすると500文字以上になってしまうため、
「これはどうやって回答したら?
 どう考えても文字数が・・・。
 丁寧な言葉遣いをしようと思ったら、
 一瞬にして文字制限が・・・。」
と思っているうちに、
似たような質問、全く同じ質問が来てしまう事もあったため、
同じようなカテゴリと判断出来るものを、
こらむとしてまとめ、一気に回答という形をとらせてもらうことをお許しいただきたい。

まず、似たような質問を全てここへ。

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Q1
おはようございます。 ふと思った疑問を書きます。
既存デュアラン再録禁止なら、新しいデュアラン刷ればええやん!
今のデュアランにない色を刷ればええやろなぁ、
もしくは全く別の名前のデュアランにすれば、既存のほうの価値もそないに下がらんやろなぁ。
新たなデュアランで古参プレイヤーやショップも新規資産になるやろし、
しばらくはレガシーの参入障壁少なくなるやろ! て眠い頭で浮かんでました。
店長さん的にはやっぱりレガシーほぼ必須なデュアランを新しく刷るなんてのはどう思われます?
さっきの追記です。
「ンなデュアラン出したらスタン環境が荒れるゥ!」
て友人から指摘されたんですけど、
まーーぶっちゃけ新デュアラン入ったパックなら
ドミナリア以上にバカ売れするだろうし、
それこそ今こそMtGの初め時!て言われそうだし、
人増えそうだし、良いこと尽くしな気がするので、
スタン環境が荒れるぐらいのは見逃しておくれよ。て思いました。
かなり長文、乱文になってしまい、失礼しました。
セラさん的にはどう思われますか?
ひとりのプレイヤーとして、かつ1つのショップとして、意見聞いてみたいです。

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Q2
いつもタメになるお話を楽しく拝見させていただいてます。
あんまりカード買えなくてごめんなさい。 質問よろしくお願いします。
再録禁止カードを伝説やワールドにして新規で、
とした場合に好悪の気持ち、
またどのような影響があると思われますか?

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Q3
ツイートやコラム等、いつも楽しく勉強させていただいています。
質問お願いします。
デュアラン等の再録には反対されていますが、
伝説やワールドで唯一性を持たせた新規、という場合ならどう思われますか?
この仮定に意味があるかは判りませんが宜しくお願いします。

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Q4
再録禁止に関するお話で自分からも質問宜しいでしょうか
最近カードの偽造が横行しており、
特に再録禁止カードなどは貨幣の偽造より簡単で且つローリスクです
このままだと再録禁止を解除せずともカードに対する信用が落ちきってしまうと思うため
いずれはWotCも再録禁止を解除する(と自分は思う)のですが
セラさんはWotCがどういう対応を取ると思いますか?

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Q5
ここ最近の再録禁止カードの値上がり方が、流石に酷いと思ってるのですが、
ウィザーズ社はこのまま何もしないと思いますか?
それともそろそろ何か対策を行うと思いますか?
また、再録禁止解除ということになれば、
カードショップ等には事前に連絡は来るのでしょうか?
教えていただけると幸いです。

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Q6
GW後にデュアランはじめ、
レガシーヴィンテージパーツが一気に値上がりしました。
単に需要だけでなく、投機目的の買い占めを考えてしまうのですが、
ここ最近の潮流含めご見解ご教示くださいませ。

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Q7
MtGカードの高騰は、MtGカードコレクターの方からは、どういう認識なのでしょうか?
他分野ではありますが、日本の遊戯王カードコレクターの方々は、ここ最近の遊戯王カードの高騰に対して、
『正常な(高騰する前の)相場に戻って欲しい』などという人もいます。
個人的には、トレカは、いわゆるアンティークといいますか、骨董品的なものではないのかなぁと。
私は、昔の絵画や壺などの骨董品などと同じで、高騰するのは当たり前と思うのですが
Serra様は、トレカの高騰に対して、どのような認識でしょうか?

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Q8
今高騰中の再録禁止カードは今後値下がりする事はあると思いますか? 高騰前の値段に戻るとか。

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Q9
セラさん的に今後高騰しそうだと思うカードはありますか?

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Q10
デュアランの値上がりっていつまで続くと思われます?

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Q11
すごい高かったのに、凄い安くなったカード
凄い安かったのに凄い高くなったMTGカードを知りたいす

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Q12
答えられている質問と同じような質問で申し訳ないのですが、
再録禁止は競技人口、盗難、フェイク等色々と問題を抱えている以上
やはりwotcから何かしら対処が必要と自分も考えているのですが、
再録禁止リストの撤廃はリスクはあまりにも大きいと聞きます。
もう一つの策として言われているブレストやウィル辺りが使用可能で
再録禁止をプールに含まない新フォーマットを
設立するというのは現実的なのでしょうか?

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ひとまずこれだけ。
質問だけで読むの疲れた、と言われてしまいそう。

質問の言いたいところをまとめてみよう。

再録禁止について
・別名で新デュアルランド刷ればええやん!
・再録禁止のカードにちょっと伝説とかで制限かけて再録したら?
・再録禁止撤廃したら?
・もし再録禁止が再録されるとしたらお店に連絡来る?


カードの価格変動について
・ちょっと値段高すぎじゃない?
・高騰についてどう思う?
・カードを投機目的で買う人もいるんじゃない?
・高騰してるカードが下落することもある?
・今後高騰するカードは?
・高値→安値、安値→高値になったカードは?


WotC社について
・WotC社はこの高騰状況と偽造に対して今後どう対応すると思う?
・新フォーマットの可能性は?


質問の概要としては、だいたいこんなところだろうか。

質問の中にはカードの偽造について触れているものもあるが、
今回のコラムの内容とはまた違った話であるので、別の機会にお話しさせていただきたい。
カードの偽造については
質問箱や問い合わせでも質問が複数来ているため、そちらとあわせて回答する予定。

まず再録禁止系のお話をするに必要な情報を。

再録禁止カードリストというものは、
Official Reprint Policy(公式再版ポリシー)で規定されている。
過去に何度かの改定が行われているものの、
パワー9やデュアルランドのようなパワーカードの再録については、
再録禁止解除の意向を示した事は一度も無い。

一時期、
「ジャッジ報奨などでもらえるFOILカードは再録禁止リストを無視する。」
というルールがあったが、
これに対する批判の声から2010年3月に
「2011年以降、再録禁止リストのカードは報奨等のFOILによる再録も今後は行わない。」
と発表。
この改定が行われて以降、
8年以上改定は行われていない。
最後に行われた再録禁止改定は、
より再録について厳しく制限する改定をしており、
そこから8年の時間、一切変更が行われていないため、
この再録禁止リストについては信用のおけるものになっている。
(これでMTG25週年だからと改定されると、
 突然このこらむが台無しになるが。)

さて、いくつかの質問の回答に移ろう。

まず、再録禁止カードの中の強力で高額なカード達に関しては、

「再録禁止リストは、
 そのカード達の価値を著しく下落させない限りは、
 カードのリメイクや上位互換カードの作成に対する拘束力が無い。」


というものがある。
これはわかりやすく書くと、
「過去の強すぎるカードの完全な上位互換みたいなものを作って、
 過去のお高いカードの値段が下がるような事はしないが、
 逆に、市場に影響力の無いものは上位互換を作る場合もある。」

ということ。

Timetwister Time Spiral
一例を出せば、
Timetwister》のような強力で高価なカードに対し、
時の逆転/Time Reversal》や《時のらせん/Time Spiral》などの下位互換は作るが、
そのままの再録はもちろんのこと、
コストを下げてみたり、効果をより強くしたりといった事は、
行わないと言っているのである。
時のらせん》は土地がアンタップする分強いだろ!
という人もいるが、撃ったら追放される事と、
素の6マナという点はどう考えても下位互換である事を免れない。

この理屈から言って、
いわゆる「新デュアルランド」の作成はありえない。
湿った墓/Watery Grave》のようなギルドランドが限界であろうと思われる。
再録禁止カードに対して、
伝説カードにしたり、能力制限をかけるかたちで、
なんらかのリメイクカードは過去にも幾度も作られているが、
「最上位」に位置する再録禁止カードの立場を揺るがせた事はまず無い。
(例:《The Abyss》という最上位に対して、
 《深淵の大魔術師/Magus of the Abyss》や《墓への呼び声/Call to the Grave》。)

こういったカードの作り方からも、
リメイクへの努力は間違いなく行われているが、
WotC社が再録禁止リストを真摯に守り続けている姿勢がうかがえる。
一部の強力カードを伝説などの制限を設けてリメイクというのも現実的ではない。
デュアルランドを名を変えて伝説にすると確かにバランスがとれているように見えるが、
作りそうか作らなそうかで言えば作らないほうだと思う。
確かにデュアルランドが名を変えて、伝説であった場合、
デッキにデュアルランド4枚+伝説にしたリメイク1枚をフェッチからサーチする構成が可能になるし、
デッキに1枚だけ突っ込んでおけば良いデュアルランドはその伝説リメイク版でもOKになる。
レガシーの入りが少しだけ楽になる事も間違いないが、
それでも作るかと言われるとちょっと難しそうだ。

とはいうものの、
再録禁止を間違って撤廃してもお店には連絡など来ないだろう。
というよりお店に連絡より先にネットで情報が出回ってしまう時代だろう。

今後高騰するカードは?
という質問の答えは、
「再録禁止カードの中で、
弱すぎるカード以外すべて」

と回答する。
ここには弱くてもオールドスクールでなら活躍するカードが例外になるので注意。
オールドスクールは思っている以上にプレイヤーが増えているのか、
Cardshop Serraではオールドスクールカードが結構売れていく。
ヴィンテージ、レガシー、オールドスクールがより市民権を獲得する事になれば、
それだけ古いカードの価値は上がっていくだろう。

カードを投機目的で買っている人がいるんじゃないか?
というものについては、
100%いると回答出来る。
投資するだけの価値があるのだから当然である。
経済力に余裕のある人が「遊びながら投資が出来る!」と思ったらやるだろう。
一応注意書きしておくのだが、
投資:将来が有望なものに対し、長期的に資金を投じること。
投機:相場の変動を利用して利益を得ようとする短期的な取引。
という違いがあるので、
自分は投資という言葉を選んだ。
MTGのカードを投資目的で買う人、投機目的で買う人、
どちらもいるだろう。

再録禁止リスト撤廃したら?
という意見については、

こらむ:再録禁止リストについて。

を参照していただきたい。

だいぶ長くなってしまったので、次回に続く。

ではまた。



記事作成日:2018/08/30



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