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趣味を仕事にして。

記事作成日:2018/07/12 執筆:加藤英宝

ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。

———————
趣味や好きなことを仕事にできることほど嬉しいことはないかもしれないですが、
好きなものを仕事にすることに対してどのような思いがあるか、
また、好きなことを仕事にしたいと思っている人に何かアドバイスがあればお願いします。
記事にあげてもらえたら嬉しいです笑
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質問者の方からも「記事に」とあったので、
こらむのお題に。

趣味を仕事にして嬉しいか、と言われたら、
確かに自分は嬉しかった。
嬉しかったけれども、
自分を省みてみると、

「自分はただサラリーマンになれなかっただけ。」

と思う。
起業する人の何人かは同じ事を考えると思う。
もちろん、
世の中はそれほど甘くはないので、
起業してもお店が継続出来るとは限らない。
所詮は資本主義経済。
お金が無い事には継続もままならない。

結婚するのも簡単、起業するのも簡単。
どちらも紙切れにサインして提出するだけ。
結婚は難しいだろ!
相手見つけなきゃいけないんだから!

という人もいるだろうけれども、
起業も同じ。
何を商売にするかを見つけなきゃいけないので。

そして、
結婚も起業もその後の継続はお金が無ければおしまい。
するだけなら紙切れにサインのみ、
継続するならお金という紙切れを入手しなければ継続不可。
この点含めて大して変わらない。
紙切れを紙切れに変える仕事をしている人間だけに、
紙切れの事に関しては間違いは無いはずだ。

さて、
好きなものを仕事にすることに対してどのような思いがあるか、という質問。
これも実はどのような、と言われると難しい。
案外としぶとくこの世界にしがみついている事が出来たので、
年によって思う事も様々だった。
よく思う事と言えば、
「俺、これで生きていけるの?」
という疑問だけが何度も頭によぎる。
起業してから頭をよぎった回数の多いものかもしれない。
「あ、まずいかも。」
「そろそろだめかも。」
と思った事も。

1人で仕事をして1人で全ての事をやる人には関係がないが、
1人以上を雇い、その人の給料を払うとなると、
「ああ、この人の分の責任も自分が負わないとな。」
という気持ちが出てくる。
当たり前の話なのだが、
一緒に働く人を路頭に迷わせたくない。
自分の舵切りが一緒に仕事をする人の未来に影響してくる。
それは決して軽くないなと何度も思った。

3つ目の質問、
「また、好きなことを仕事にしたいと思っている人に
 何かアドバイスがあればお願いします。」
とのこと。
アドバイスというより、
大量にある店主の失敗談を書いて、
「同じ轍を踏むな。」
でいいような気がする。

店主自身でないお話でならまず1つ。
同業他店のお話を。

飲食店ほど多くないにせよ、
(そもそもの母体が違うから当然なのだが。)
このMTGの世界も毎年必ず何店舗か新しいお店を見る。
全てが全て同じ事情ではないはずだが、
完全に1人で起業するタイプに多く見られる傾向は、
「俺、自分のカード売っていけばOKじゃない?」
というような事を考え、起業。

こういう個人は先程の
「結婚も起業もその後の継続はお金が無ければおしまい。」
がわかっていない。
わかりやすい程に取扱商品が激減して、
そのままホームページは閉鎖か放置。
ひどいショップの最後では、
お客様が入金を済ませたのに、
そのまま発送をせずにトンズラという事も。
早いと半年以内、頑張っても3年位内に消えるお店の多いこと多いこと。

こういう話で言える事はとても陳腐な言葉。

「趣味と仕事の境界線をどのくらいうまく引けるか。」
「計画性を持てるか。」

自分で書いていて、これ以外に表現方法が無いのかと言いたくなるくらいに、
使い古された言葉だなと思うけれども、
これ以上に言いようがないほど、この2つは大切。

あとは個人差がある。

・好きな事を好きでなくなったら終わる人。
・好きな事を好きでなくなってから始まる人。

前者は好きでなくなったら投げ出してしまうので、
その時は仕事にもできなくなる。
それでいて好きな事が好きのままで成功するとは限らない。
後者のほうが仕事人間で成功率が高いが、
好きな事が好きなうちは成功しない。

趣味と仕事の境界線、
趣味であり仕事がどれだけ好きでいられるか、
それとも嫌いになるか、
これは趣味を仕事にした人が必ずぶつかるもの。
ぶつからずに何年も経つ人は多分いない。

それから、MTGを趣味にしている人がMTGショップを開きたいのなら、
結構注意しておきたい事が1つ。
それはMTG好きの人を雇う時。

MTG好きは当然MTGの知識があるから、
仕事で知識そのものは役に立つ。
しかし、問題点も数多くある。

・新セットの情報がリークされるたびに無駄口。
 社からすれば当然ただの時間の浪費。

・新セットをシングルカードのために開封して整理する時に、
 高確率でカードのテキストを読んでしまう。
 社からすればこれもただの時間の浪費。

・お客様と必要がないほどの雑談。
 喋っている時間は社にとってプラスにならない。

・内引き。(社内に勤めている人間の万引きの事。)

・大した知識があるわけでもないのに大きな顔をする。
 この知識とはMTGの知識から経営の知識まで様々。
 大した事も出来ないわりに昇給を要求してくる人もいる。
 しかし、本当に出来る人間なんて滅多に出会えない。

他にもあるけれども、
軽く挙げるだけでこんなところ。
もちろんMTGを知らない人を雇ったらそれはそれで別の問題もあるのだろうけど、
こういう問題はMTGプレイヤー独特の問題。
これもまた、仕事と趣味に境界線を引けない人が働くと起きる事の1つ。

仕事をするのに必要な事はMTGの知識ではない。
MTGの知識はあと付けで構わない。
大切な事は本人がどんな仕事が出来るかと、
誠実な人間であるかどうか。

おまけで言わせてもらうと、
MTGの知識とコレクションと強さとMTG大好き度とMTG歴の総合力で、
この店主より上などそう簡単にいない。
そして仕事をするにあたり、
そんな知識やらMTG歴やらは役に立たないとは言わないけれども、
ここまで極端な能力と知識は1人いれば十分。
他の人が同じである必要は無い。

中途半端な知識から分不相応な態度をとり、
社の利益にならない人を何人も見てきている。
そんな経験から、
仕事を一緒にやる人とはなるべく能力がかぶらないほうが良い。
自分に出来ない事が出来る人と一緒に仕事をするのが1番。

ひとまず、
「好きなことを仕事にしたいと思っている人に何かアドバイス」
はこんなところ。

大量にある店主の失敗談から
「同じ轍を踏むな。」
というお話を聞きたい人がいれば、
それを書く事はやぶさかではないものの、
今回と同じでMTGのカード名が一度も出てこないこらむになってしまいそうだ。
MTGに一切関係ないこらむでカード名50種以上出した事もあるのに。

ではまた。



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