知り合いが盗難にあった話

先日、店主の知り合いがカードの盗難に遭った。
その手口や状況があまりにもひどく、
また、多くの人がその被害に遭われる可能性があるという事を考え、
文章で警鐘を鳴らそうと思った。

被害に遭われた知り合いは、
都心部に一人暮らしをしている人。

ある時、自宅を留守にしていたら、
泥棒に入られ、カードを盗まれてしまったらしい。
窓ガラスを割って侵入し、
カードを盗んで逃亡という、
これだけを聞くとコンビニ強盗をするくらいに程度が低いやり方だが、
詳しいお話を聞かせてもらったら、
どうもそんなに程度の低いものとも言えなくなってしまった。

その知り合いはある日、
カードショップで遊んだ帰り、
犯人にあとをつけられていたらしい。
この時点では自宅がばれただけだったが、
その後は本人が自宅を留守にした時を見計らって侵入、という。

被害のカードは、

・パワー9(9種全てではない)
・デュアルランド


等、レガシー、ヴィンテージをプレイ出来る資産だった。
カードショップで遊んでいた時に、
「盗むに値するだけの資産」
と犯人に判断されたという事だろうか。

犯人はこのカードの窃盗で捕まったわけではなく、
別の犯罪で逮捕され、
逮捕後にカードの窃盗も自供して、
この犯行の手口が発覚したとのこと。
ただし、その別件が何だったかは、
捜査機密で教えてもらえなかったそうだ。
少なくともこの犯人はこれで二犯という事しかわからない。

ではカードは戻ってきたのか、というところが、
読んでいる方も一番気になる点だろう。

カードは戻って来なかった。

犯人は日本人ではなく中国人だった。
犯人は
「カードはもう中国に送ってしまったので知らない。
 組織でやっているのでわからない。」

という事を供述した。
前述の
「カードショップで目をつけて、
 その目をつけた相手のあとをつけ、
 自宅がわかった後、
 本人のいない隙に盗む。」

という手口もこの逮捕時に自供したものらしい。
組織的に窃盗という話なんて、
漫画や小説の中の話のように思う人がいてもおかしくないが、
こうして現実に犯人が逮捕されて、
そういう供述があったのだから間違いないのだろう。
(もっとも、供述が嘘という可能性もあるのだが。)

組織的窃盗である事に加えて、
カードは中国に送ってしまったという状況だけでなく、
さらに厄介な事に、
この犯人の中国人は不法滞在者だった。
失うものが何もない人は何でもやるという典型のようだ。
この状況からカードが持ち主の手元に戻る事は絶望的だ。

命以外に持っているものが無いようなタイプの人は、
借金だろうが犯罪歴だろうが全く恐ろしくないという考えを持つことがある。
当たり前の話なのだが、
お金を持っていない人から、
お金またはお金に相当する何かをとる事は難しいので、
こういう人が開き直って犯罪に走ると被害者はどうする事も出来ない。

被害者「返せ!」
犯人「無いものは返せない。」
被害者「働いて返せ!」
犯人「自分の生活すらままならないんだから、
 働いたって返せない。」
被害者「ふざけるな!」
犯人「そう言われても、無いものは返せない。」

という状態になってしまうのだ。
まして犯人が外国人、しかも不法滞在者とあっては、
損害賠償の交渉すら難しい。
日本人同士であればまだ話し合いが出来る可能性もあるが、
言語すら違ううえに不法滞在者では、
話し合いの場すら持てないだろう。
完全に被害者泣き寝入りの状態だ。

この状況もどうしようもないものだが、
何よりも危ないと感じたのは手口だ。

カード資産のある人に目をつけて、
家まで尾行、その後留守を狙って泥棒に入る。

この手口は一人暮らしをしている人ならば、
いつ被害に遭ってもおかしくないという事。
この聞いた話のように、
組織的に窃盗をやっている中国人グループというものが本当にあるのなら、
都心部は相当に危ない。

一人暮らしのMTGプレイヤーで、
それなりにデッキを作り、
それなりに対戦をしている人は、
自分のお部屋の中で、
「比較的取り出しやすい位置」
にカードを置いているはず。
デッキを作ったり変更したりするのだから、
わざわざ押入れの奥底に常にきっちりしまっている人なんて少ない。
自分の部屋だから、よく使うカードだからと、
1枚が万単位のカードが机の上にそのまま置いてある事も珍しくないだろう。
MTGのカードの価値がわかっている泥棒が盗みに入った時に、
カード資産がどこにあるかを探さなくても一瞬でわかるという事だ。

二人暮らし(もしくはそれ以上)だから大丈夫というものでもない。
結局のところ留守を狙われたら危ない事には変わりがない。

泥棒の心理というもので考えれば、

・家主に鉢合わせは避けたい。
・家主に鉢合わせた場合に暴力沙汰になる事も避けたい。
・盗みに入った家に長時間いるのも避けたい。
・金目のものを少しでも多く奪ってさっさと引き上げたい。


書くまでもない当たり前の話だろうが、
こんな考えだろう。
MTGのカードというものは高額カードであれば、
デッキ1つ分がそのまま100万円の札束1つや2つになる。
へたなブランドもののアクセサリやバッグより、
買い取ってもらった際の換金率も良い。
泥棒の視点からすれば、
盗むに適していると言えてしまう。

iPhoneやiPadを盗んだ場合、
持ち主がアップルIDの登録等をしっかりしていると、
もし盗まれた場合でも、
それが何処にあるかを調べる事が出来、足がつく事もある。
しかし、
MTGのカードではそういう登録は出来ないので、
売り払って逃げてしまえばそれまでになってしまう事のほうが多い。
もっとも一般的に流通する商品の大半は、
そんなセキュリティ登録での防犯は不可能なので、
MTGに限った話でもないのだが。

ただ、前述のように、
デッキ1つ分で100万円になるような一般的商品は普通は無い。
MTGはそういう意味では珍しい商品になる。
「遊べる株券」
「困ったら換金可能な紙切れ」

などと揶揄されるだけの事はある。

加えて、本当に高額のデッキ1つくらいだと、
持ち運びに手間がかからない点も盗みには適してしまっているのだろう。

GPなどの大きなトーナメントでも、
盗難被害が必ずと言っていいくらいに起きているのも、
こういった価格と持ち運びの点は少なからず影響しているはず。

人を見たら泥棒と思え、
という昔からある言葉のままに人を疑えとは言えないが、
自分の資産を守る事が出来るのは自分だけだと思っていなければいけない。

自分以外の手で守る手段としては、銀行の貸し金庫。
(契約するのは自分だが。)

日本という国は治安が安定していて、
一般人が簡単に銃を持つ国でもない。
天災を除けば銀行の貸し金庫はまず安全と言える。
いくらなんでもMTGのカードを盗むために、
銀行のセキュリティを侵す事を考える人はいないだろう。
大切なコレクションなら、
銀行の貸し金庫は推奨出来る手段の1つだ。
店主は高額のコレクションは全て貸し金庫に置いている。

貸し金庫の欠点は
「もし災害で金庫内の品が破損、消失等をした際に、
 銀行は一切の責任を負わない。」
という一点。
これはさすがに仕方がない。

が、
コレクションならいざ知らず、
日常的に使うカードは貸し金庫というわけにはいかない。
大会に出場するときだけ貸し金庫から出す、
という手も無くはないが手間がかかりすぎる。
となると、
やはり自分の資産を自分で守らなければならない。

今回のお話にあったこの盗難話は、
都心部であろうと地方であろうと、
いつどこで起きるかわからない事だ。
本来起きてはならない事だが、
世の中は善人だけで出来ているわけではない。
盗難を未然に防ぐ以外にあまり方法が無いのがつらいところ。

そして盗難も完全に防ぐ方法というものが限られている。
これを読んだ方はこういう手口がある、という事を知り、
自分の資産を守りながらMTGを楽しんでほしい。

ではまた。



記事作成日:2018/07/03



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