EDHのお国柄

ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。

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海外のEDHデッキリストを見ていると、
「魔力の墓所」や「古えの墳墓」「魔力の櫃」といった
日本では必須と言われているカードが採用されている事が少ないのですが、
環境の違いでしょうか?

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海外、特にアメリカのEDHと日本のEDHは大きく違う事がある。

以前に誰かの言った言葉だったが、

「アメリカのEDHは興行プロレス、
 日本のEDHは総合格闘技。」


と。
なかなかに的を射た表現だと思ったので、
そのまま引用させてもらった。

簡単に言えば、
アメリカはプロレスのように、
「リングのロープに吹っ飛ばされたら、
 跳ね返ってきてラリアットに当たるのが礼儀で、
 それを観客も楽しんでいる。」
というプレイスタイル。

日本は総合格闘技という言葉に表現されるように、
「ルールの範囲内であれば何でもあり。」
というプレイスタイル。

アメリカの場合は「派手にやらかすことこそEDH!」のような考えの人が多いらしい。
実際にアメリカでEDHをした事があるのだが、
スリヴァーやドラゴンを大量に並べようとする人が結構いた。
そんな中、
火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》で、
全員をぼっこぼこにした空気の読めない日本人だった店主。
デッキもこれと《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》しか無かったので、
変えようもなかった。
ある意味で《三日月の神》のように、
アメリカで誰も使わないかもしれない生物のほうが良かったかもしれないが、
あんなソリティアゲームはさすがにやるわけにもいかない。
火想者ニヴ=ミゼット》ですら、
なんだか途中から申し訳ない気持ちになった程。

ちなみに、フェッチランドをきってβの《Volcanic Island》を置いたら、
「Oh!Beta!」
「Nice Card!」
と、店主でもわかるような英単語が飛んできたのを覚えている。
なお、対戦相手の方達はデュアルランドすらデッキに入れていなかった。
火想者ニヴ=ミゼット》に《好奇心/Curiosity》とか、
本当にやっていいんだろうか?
と思いながらプレイしていた。
(かといって手を抜くのも失礼だろうと。)

他のお国柄で自分が知っているのは台湾。
台湾でもEDHはかなり遊ばれている。
カードショップに遊びに行けば、
だいたい対戦相手には困らないと言ってもいいくらい。
けれども、
デュアルランドや0~1マナのマナアーティファクト全力のデッキは滅多に見ない。

日本はかなり二分化している感がある。

1:4人でパーティゲームのような楽しさでMTGを楽しみたいというタイプ。
2:競技的で基本はとにかく3コロ狙い。(3コロ=自分以外の3人を倒す。)


1だと高速展開用カードが重要視される事が減り、
2だと高速展開、アドバンテージを取りに行くカード、カウンターなどが増える。

当店のEDHデッキ紹介は比較的後者のタイプのデッキが多い。
もっとも、
地域色は日本国内でも様々にあるものなので、
当店のデッキを競技的でないと言う人もいれば、
あまりに競技的(競技的=お金がかかる)で同じデッキは作れないと言う人もいる。
これについてはEDHに限った話でもない。
スタンダードからヴィンテージまで、
GP、PT、世界選手権に出るレベルが競技的と見る人、
地方の野良大会でも勝ちに行く人は全て競技的と見る人、
友人同士の対戦でも勝ちに行く人は全て競技的と見る人、
様々だ。
個人の価値観としか言いようがない。

そういう価値観の差異は国でも違うし、
同じ国内でも地域色がある。

質問に出てきた、

魔力の櫃/Mana Vault
魔力の墓所/Mana Crypt
古えの墳墓/Ancient Tomb

の採用はその最たるものと言っても良いもので、
総合格闘技的な日本のEDHでは採用率が高く、
興行プロレス的なアメリカでは採用率が低い。
ただ、誰もが興行プロレススタイルなわけではなく、
当然日本のような総合格闘技スタイルの人もいる。

国内のEDH事情でも、
友人同士のみで楽しく遊んでいる人達になると、
そのグループ内での禁止カードを設ける事もある。
その逆、
競技的と呼ばれるようなカード全力搭載で、
ジェネラルも強ジェネラルだらけのグループもある。
楽しみ方はそれぞれなので、
どちらがダメという事もない。

個人としてもお店としても、
この話について意見は同じで、
ただMTGを楽しんで欲しいと思っている。

あえて言うのであれば、
興行プロレスの人もたまには総合格闘技を、
総合格闘技の人もたまには興行プロレスをしてみる事は良いと思う。
どちらも「今まで知らなかった何か」を見つけられる。
EDHのように沢山のカードの組み合わせが可能なものは、
普段と違うリングで戦うだけで、
学ぶものが結構いろいろなところにある。

「これ、カジュアルなタイプのジェネラルだろ。」

なんて思っていたら、

「え?思ったより本気なデッキに出来るぞ、これ。」

と思わされる事もある。

店主も最近こういう事があったのだ。
ツイッター質問箱で、
原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger》でデッキを組んでくれと言われ、
どうみてもカジュアルな生物だと最初は思ったのだが、
いざ使ってみるとそんな事はなく、
かなり面白いうえに、戦えるデッキに仕上がった。

というわけで、
次のこらむで《原初の飢え、ガルタ》ご紹介。

皆様も色々な形でMTGを楽しんでみてくださいませ。

ではまた。



記事作成日:2018/04/30



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