EDHデッキ紹介その102(Ashling the Pilgrim/巡礼者アシュリング)
記事作成日:2017/07/04 執筆:加藤英宝
今回のEDHデッキ紹介は、
赤単のジェネラルの代表?
《巡礼者アシュリング/Ashling the Pilgrim》。
気になるデッキ内容はこちら!
ジェネラル:《巡礼者アシュリング/Ashling the Pilgrim》
99《山/Mountain》
ではまた。
などと手抜きをしたいところだけれども、
さすがにそんな事は許されまい。
ジェネラル:《巡礼者アシュリング/Ashling the Pilgrim》
99《山/Mountain》
このリストでも一応ゲームになるし、
デッキとしても成り立つ事は成り立つし、
7回もマリガンしてスタートしても戦える。
けれども、
もうちょっと練り込んでみようと思い、
《山》の枚数を少々削りつつ構築。
《Ashling the Pilgrim/巡礼者アシュリング》
コスト:1赤
伝説のクリーチャー エレメンタル(Elemental) シャーマン(Shaman)
(1)(赤):巡礼者アシュリングの上に+1/+1カウンターを1個置く。
これがこのターンに解決されたこの能力の3回目である場合、
巡礼者アシュリングからすべての+1/+1カウンターを取り除く。
それはその個数に等しい点数のダメージを、
各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ与える。
1/1
レア
もともとは2マナで1/1と貧弱だが、
マナさえ払えば大きくなっていく生物。
注意点としては、この強化能力は、
「このターンに解決された3回目」のみ爆発。
つまり、
・起動2回までで止め、ターンをまたいで起動すると4/4以上になる。
・3回目を迎えても本人が死なないのであれば強化を続けられる。
ということ。
後者は装備品や軽減系のカードを使わないと実現しないが、
現実的にありえる。
そして、冗談抜きにして《山》99枚のデッキでも、
このジェネラルの能力を考えると理論上はデッキが成立し、
マナもある程度フルに使って戦えるのである。
爆発させたくなければ各プレイヤーのターンに1~2度だけ強化すればよし。
自分のターンでは誰かを殴ってジェネラルダメージを稼ぎ、
除去を撃たれたら爆発し、
あとは「どうせ土地しか引かないライブラリー」なので、
追加のマナを払って再度ジェネラルプレイをすればいいのである。
強いか弱いかで言えば弱いほうになるが、
戦えるか戦えないかで言えば戦える。
そんなシンプルなデッキでも戦える女、アシュリング。
とはいえ、能力でこれだけマナを食い、
それでいて2マナ1/1となると、
ジェネラルとしては若干パワー不足である事は否めないが、
それでも《巡礼者アシュリング》は面白いカードだ。
ここまで尖っている生物なので、
デッキもとても尖った構築が面白い。
というわけでクリーチャーは《巡礼者アシュリング》だけ。
それから、爆発時は
「巡礼者アシュリングからすべての+1/+1カウンターを取り除く」
なのでいくつ溜めていてもアシュリング本人は1/1に戻る。
デッキは以下。
ジェネラル:《巡礼者アシュリング/Ashling the Pilgrim》
-クリーチャー0枚-
-インスタント5枚-
《赤霊破/Red Elemental Blast》
《紅蓮破/Pyroblast》
《沸騰/Boil》
《Omen of Fire》
《煮えたぎる歌/Seething Song》
-ソーサリー16枚-
《沸き立つ海/Boiling Seas》
《横揺れの地震/Rolling Earthquake》
《地震/Earthquake》
《紅蓮地獄/Pyroclasm》
《燎原の火/Wildfire》
《破壊的な力/Destructive Force》
《汚損破/Vandalblast》
《チャンドラの灯の目覚め/Chandra’s Ignition》
《破壊放題/Shattering Spree》
《力ずく/By Force》
《無道の競り/Illicit Auction》
《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
《苦しめる声/Tormenting Voice》
《鞭打ち炎/Whipflare》
《マグマの洞察力/Magmatic Insight》
《安堵の再会/Cathartic Reunion》
-エンチャント5枚-
《双子神の指図/Dictate of the Twin Gods》
《ラースの灼熱洞/Furnace of Rath》
《前哨地の包囲/Outpost Siege》
《反動/Repercussion》
《炎の編み込み/Braid of Fire》
-アーティファクト23枚-
《精神石/Mind Stone》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《Jeweled Amulet》
《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《星のコンパス/Star Compass》
《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
《緋色のダイアモンド/Fire Diamond》
《友なる石/Fellwar Stone》
《魔道士封じの鎧/Magebane Armor》
《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《思考の器/Thought Vessel》
《かごの中の太陽/Caged Sun》
《魔力の篭手/Gauntlet of Power》
《Gauntlet of Might》
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》
-プレインズウォーカー4枚-
《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
《槌のコス/Koth of the Hammer》
《屑鉄の学者、ダレッティ/Daretti, Scrap Savant》
《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》
-土地46枚-
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《ガイアー岬の療養所/Geier Reach Sanitarium》
《溺墓の寺院/Drownyard Temple》
《地形形成装置/Terrain Generator》
《海門の残骸/Sea Gate Wreckage》
《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》
《露天鉱床/Strip Mine》
《不毛の大地/Wasteland》
35《山/Mountain》
——————————
《山》は99枚から35枚まで減らした。
そして基本的には嫌がらせ手段とマナ手段を投入。
あとは《巡礼者アシュリング》を活躍させるためのカード。
嫌がらせ手段の中でもこれは多くの人が見た事がないだろう。
《Omen of Fire》
コスト:3赤赤
インスタント
すべての島(Island)をオーナーの手札に戻す。
各プレイヤーは、自分がコントロールする白のパーマネント1つにつき、
平地(Plains)を1つか白のパーマネントを1つ生け贄に捧げる。
レア
青と白に嫌がらせするカード。
これを撃った事のある人はあまりいないはずだ。
アライアンスにしかない変わったカードである。
これに加えて、
と青だけは意地でも倒す!という尖った構築。
色指定系のカードは対戦相手にその色がいないと無駄カードになるので、
こういったカードを避けたい人は、
他のカードに差し替えても良い。
代わりに何を入れたらいいかわからん!という人は、
《砕けたパワーストーン/Fractured Powerstone》
《旅人のガラクタ/Wayfarer’s Bauble》
《野生の勘/Wild Guess》
《紅蓮操作/Pyrokinesis》
《スマッシュ/Smash》
《神々の憤怒/Anger of the Gods》
《金屑の嵐/Slagstorm》
《火山の流弾/Volcanic Fallout》
《彗星の嵐/Comet Storm》
《焼けつく双陽/Sweltering Suns》
《壊滅/Devastation》
などの候補で。
極端な話《山》でも良し。
また、このデッキくらいにしか採用されないカードと言えばこれ。
《Magebane Armor/魔道士封じの鎧》
コスト:3
アーティファクト 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+2/+4の修整を受けるとともに飛行を失う。
装備しているクリーチャーに与えられるすべての戦闘ダメージでないダメージを軽減する。
装備(2)
レア
「こんなカードあったっけ?」と多くの人が思いそうなカード。
装備による修正値なんぞはあまり問題ではなく、
「装備しているクリーチャーに与えられるすべての戦闘ダメージでないダメージを軽減」
これが大切。
《巡礼者アシュリング》にこれを装備させ、
《巡礼者アシュリング》の能力で3回目の解決で爆発した時、
「戦闘ダメージでないダメージを軽減」されるので、
《巡礼者アシュリング》が自身の能力で死ななくなる。
つまりは、
「3赤赤赤払えばいつでも爆発」
の状態を作り出せる。
タフネス3以下は生存権がないと言い換えてもいい。
爆発するたびにジェネラル領域に置いてプレイし直すというマナを考えても、
この装備品があると無いとではかなり大きな差になる。
同じ事を《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》でも可能。
こちらは攻撃してドローエンジンにもなるので、
言うまでもなく《火と氷の剣》のほうが優秀。
《バジリスクの首輪》は上記2種の装備品と一緒ならば、
3回起動の爆発時に《巡礼者アシュリング》自身が死ぬ事がなく、
それ以外の生物を全破壊するのでとても有用だが、
そうでない時は《巡礼者アシュリング》含めて全クリーチャーを破壊する事になる。
ダメとは言わないがクセが強い。
面白いカードとしては、
《Repercussion/反動》
コスト:1赤赤
エンチャント
クリーチャーにダメージが与えられるたび、
反動はそのクリーチャーのコントローラーにそのダメージと同じ点数のダメージを与える。
レア
これがあれば、
《巡礼者アシュリング》の爆発に巻き込まれた生物のコントローラーにも同ダメージ。
もちろん自分も痛い事が多い。
防ぎたい時は上記の《魔道士封じの鎧》や《火と氷の剣》。
ちなみに、
《燎原の火》や《破壊的な力》でクリーチャーがダメージを受けた場合も、
《反動》でコントローラーにダメージが行く。
シャレにならないダメージが入るのは、
《ラースの灼熱洞》
《双子神の指図》
が張ってある場合。
《ラースの灼熱洞》
《反動》
が置いてあるところで、
《破壊的な力》を撃って、
クリーチャーに5ダメージが入るとすると、
まず、《ラースの灼熱洞》で2倍になり、
そのクリーチャーに10ダメージ。
その後、《反動》が誘発。
コントローラーに10ダメージが《ラースの灼熱洞》で倍になり、20ダメージ。
クリーチャーを2体コントロールしていた場合は、
20ダメージが2回飛んでくるので、
初期ライフのままであれば即死圏内ということだ。
言うまでもないのだが、
《ラースの灼熱洞》
《双子神の指図》
の両方を置いてあると、
2倍が2回適用される。
上記と同じ条件ならば、
まず、クリーチャーの5ダメージが2倍され、さらに2倍。
つまり4倍され、この時点でクリーチャーに20ダメージ。
この後に《反動》でコントローラーにダメージが行く時にも、
20ダメージが2倍され、さらに2倍されるので、
コントローラーに届く頃には80ダメージである。
そして、説明不要かとも思うが、
《巡礼者アシュリング》はもともと、
「各クリーチャーと各プレイヤーに」ダメージを与えるので、
《ラースの灼熱洞》
《双子神の指図》
を置いておらず、《反動》だけある時、
+1/+1カウンターが3つとしても、
全クリーチャーに3ダメージ、
プレイヤーは3+(コントロールしているクリーチャーの数×3)ダメージとなる。
《ラースの灼熱洞》があったら、
クリーチャーに6ダメージ、
プレイヤーは6+(コントロールしているクリーチャーの数×6)ダメージとなる。
自分も痛いがかなり相性の良いカードである。
この時に上記の装備品があると、
自分だけはかなりダメージを抑えられるので結構重要だ。
なお、こういったカードを採用した事もあり、
クリーチャー0枚は案外悪くない選択になっている。
ただし、ブロックに回れるにもアタックに回れるのも、
ジェネラル一匹のみなので、
押されると弱いという一面もある。
このデッキの基本の勝ち手段はダメージしかないので、
ジェネラルで効率よく殴るか、
ジェネラルの爆発でダメージを稼ぐ事になる。
このあたりを考慮しながら土地を潰してコントロールするように動こう。
何はともあれ、
もともとが
ジェネラル:《巡礼者アシュリング/Ashling the Pilgrim》
99《山/Mountain》
これだけのデッキである事から、
誰でも作れるデッキと言えるので、
遊んでみたい人は《巡礼者アシュリング》と《山》、
あとは適当にカードを揃えて遊んでみよう。
ある意味で、
これほどEDHを始めるに適したジェネラルは無いかもしれないほどシンプルだ。
ではまた。