ヴィンテージデッキ紹介その9。
記事作成日:2017/04/02 執筆:加藤英宝
今回のヴィンテージデッキ紹介は、
店主と友人が最近まで使っていたデッキ。
二人で同コンセプトで構築しようと使っていた。
この友人は
EDHデッキ紹介その83(The Gitrog Monster/ギトラグの怪物)
EDHデッキ紹介その54(Xenagos, God of Revels/歓楽の神、ゼナゴス)
の作成者でもあるなかなかのアイデアマン。
この友人のデッキはいつも見ていて面白い。
MTG歴も二桁年数の猛者。
デッキは青黒赤の3色。
-クリーチャー6枚-
3《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》
1《概念泥棒/Notion Thief》
1《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
1《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
-インスタント14枚-
4《Force of Will》
3《精神的つまづき/Mental Misstep》
1《残響する真実/Echoing Truth》
1《Ancestral Recall》
1《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
1《大あわての捜索/Frantic Search》
1《渦まく知識/Brainstorm》
1《神秘の教示者/Mystical Tutor》
1《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
-ソーサリー5枚-
1《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
1《Time Walk》
1《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
1《思案/Ponder》
1《修繕/Tinker》
-アーティファクト14枚-
1《Black Lotus》
1《Mana Crypt》
1《Mox Emerald》
1《Mox Jet》
1《Mox Pearl》
1《Mox Ruby》
1《Mox Sapphire》
1《太陽の指輪/Sol Ring》
1《Time Vault》
1《通電式キー/Voltaic Key》
1《魔力の墓所/Mana Crypt》
1《精神隷属器/Mindslaver》
2《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
-プレインズウォーカー5枚-
2《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
2《ダク・フェイデン/Dack Fayden》
1《巧妙な偶像破壊者、ダレッティ/Daretti, Ingenious Iconoclast》
-土地16枚-
3《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2《汚染された三角州/Polluted Delta》
1《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
2《Volcanic Island》
3《Underground Sea》
1《Badlands》
1《発明博覧会/Inventors’ Fair》
1《Library of Alexandria》
1《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》
1《島/Island》
-サイドボード-
3《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
3《呪文嵌め/Spell Snare》
2《赤霊破/Red Elemental Blast》
2《無効/Annul》
1《残響する真実/Echoing Truth》
1《再建/Rebuild》
1《鋼の妨害/Steel Sabotage》
1《狼狽の嵐/Flusterstorm》
1《巧妙な偶像破壊者、ダレッティ/Daretti, Ingenious Iconoclast》
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ヴィンテージに昔からあるウェルダーコントロールと呼ばれるデッキの2017年版。
特筆すべきはこのプレインズウォーカー。
《Daretti, Ingenious Iconoclast/巧妙な偶像破壊者、ダレッティ》
コスト:1黒赤
プレインズウォーカー ダレッティ(Daretti)
[+1]:防衛を持つ無色の1/1の構築物(Construct)アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
[-1]:あなたはアーティファクト1つを生け贄に捧げてもよい。
そうしたなら、アーティファクト1つかクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
[-6]:墓地にあるアーティファクト・カード1枚か戦場にあるアーティファクト1つを対象とする。
それのコピーであるトークンを3つ生成する。
初期忠誠度3
神話レア
このカードが想像以上に仕事をする1枚。
+1能力は1/1の殴れない生物とはいえ、
プレインズウォーカーを守るためのブロッカーが出る事は小さくなく、
さらに-1能力のための布石になるところも良い。
このデッキでは《ゴブリンの溶接工》の生け贄アイテムにもなる。
この+1能力は決まれば一発の技もある。
昔からある
で相手のターンを奪い続ける技の生け贄アーティファクトが、
このカードの+1能力で毎ターン入手可能になる。
《通電式キー》
《Time Vault》
での無限ターンのようなもの。
《巧妙な偶像破壊者、ダレッティ》の役目はそれだけにとどまらない。
-1能力もなかなかに出来る。
ヴィンテージではメンターと呼ばれるデッキタイプがある。
《僧院の導師/Monastery Mentor》4枚以外、
フィニッシャーほぼ無しというデッキだ。
(プレインズウォーカーや一部のクリーチャーが入る事もある。)
このデッキは《僧院の導師》を置いて、
パワー9の《Timetwister》以外を駆使して、
トークンと果敢で一気に勝負を決める。
このデッキはフィニッシャーが限られているだけに、
《巧妙な偶像破壊者、ダレッティ》で《僧院の導師》を潰されるときつい。
特に《巧妙な偶像破壊者、ダレッティ》を先張りされていると、
トークンが並んでしまい、生け贄要員兼ブロッカーが厄介になる。
《巧妙な偶像破壊者、ダレッティ》は壊す対象が、
クリーチャーかアーティファクトなので、
相手のアーティファクトへの対応も出来る点は大きい。
-6は滅多な事では使わないだろうが、
《Black Lotus》のトークン3枚並べたところから、
《ヨーグモスの意志》などという夢見がちな事が起きる時もある。
勝ちパターンとしては、
・《修繕》から《荒廃鋼の巨像》出してパンチ。
・《Time Vault》+《通電式キー》で無限ターン。
・《ゴブリンの溶接工》+《精神隷属器》で対戦相手を自爆。
の3つが基本。
3つ目は《巧妙な偶像破壊者、ダレッティ》があると無限。
無くても数回起動出来たらおおむね負けない。
例外的には、
・プレインズウォーカー並べて場を絶望的にして勝ち。
・《概念泥棒》や《瞬唱の魔道士》で殴りきり。
このデッキに限らない話なのだが、
ヴィンテージのデッキの多くは、
プレイの選択肢がとても多い。
選択肢の多さゆえに正解を見つけにくい。
デッキの1~2枚のカードを差し替えるだけで、
全く違った動きになる事も珍しくない。
何度もテストプレイをして、
沢山の選択肢を試してみる事と、
その沢山の選択肢を探す事が大切。
このデッキに限って言えば、
3~4ターン目の選択肢が10以上になる事も。
選択肢の多さは難易度の高さではあるものの、
飽きない楽しさでもある。
その飽きない楽しさのために、
ヴィンテージのカードは手に入れる価値があり、
ヴィンテージをやる価値がある。
興味を持ってくれた方、
躊躇せずにヴィンテージの世界へ。
ではまた。