Gate to Phyrexia

今回のお題はさらにファイレクシアなお話で、
Gate to Phyrexia》というカードについて。

ファイレクシアという単語が一番最初に出てくるのはアンティキティ。
α(とβとUnlimited)
アラビアンナイト
にはファイレクシアの名は登場しない。
ウルザとミシュラの兄弟戦争のお話から。

ファイレクシアの名を冠するカードがMTGのカードに登場するのは、
アンティキティの《Gate to Phyrexia》と《Phyrexian Gremlins》の2種が最初。
Phyrexian Gremlins》は一番最初のグレムリンでもある。
Phyrexian Gremlins》はルール改正で一度グレムリンでなくなった事もあるが、
現在はクリーチャータイプにグレムリンが存在するので、
クリーチャータイプがグレムリンに戻った。

Gate to Phyrexia》は最初にファイレクシアの名を持つカードのわりに、
不思議な事に黒らしくないアーティファクト対策カードだ。
Gate to Phyrexia
Gate to Phyrexia
コスト:黒黒
エンチャント
クリーチャーを1体、生け贄に捧げる:アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。
この能力はあなたのアップキープの間にしかプレイできず、各ターンに1回のみ起動できる。
アンコモン3

イラストは悪魔の顔のような門。
イラストレーターはSandra Everingham。
第四版までの《暗黒の儀式/Dark Ritual》や《巨大化/Giant Growth》を描いているので、
馴染みのある人もいるだろう。
太古の時代からの黒の大人気土地破壊である、
陥没孔/Sinkhole》もこの人だ。

Gate to Phyrexia》、直訳でファイレクシアへの門。
Wisdom Guildに記載されているフレーバーテキストの和訳には、
「生暖かい油の雨が我が頬をつたう。
 もはや、ファイレクシアに入ったことは明白であろう。
 ―――ジャシールの日誌」
とある。
「門をくぐったら、
 謎の油の雨で顔が油まみれになったし、
 この油からしてもここはファイレクシアなんだろうな。」
という感じなのだろう。
この油は《ぎらつく油/Glistening Oil》らしい。
ぎらつく油》の効果に
「戦場からいずれかの墓地に置かれたとき、
 ぎらつく油をオーナーの手札に戻す。」
とある。
ファイレクシアの油の雨がいつまでもしつこく降ってくる感じを表現しているのかもしれない。

さて、カードの効果のほうにお話を。
Gate to Phyrexia》は、
黒のカードでしっかりと対象をとってアーティファクトを破壊出来る珍しいカード。
このカード以外では、
対象をとってアーティファクトを破壊出来るカードは、
ファイレクシアへの貢ぎ物/Phyrexian Tribute
くらいしかない。
このカードもファイレクシアの名を持つカード。
ファイレクシアへの貢ぎ物》はミラージュのレア。
考えてみればミラージュの時代から2017年まで、
黒のこういった役目のカードは一切出ていない。
(対象指定無しであればアーティファクトを生け贄に捧げさせるカードはある。)
どれだけ稀有なカードであるかがよくわかる。

Gate to Phyrexia》は、
置いた次のターンからでしか能力が使えない事、
そして能力起動にクリーチャー生け贄が必要な事、
と制限はあるものの、
黒がアーティファクトに触れる事、
継続的にアーティファクトを破壊する事が可能な事、
クリーチャー生け贄はメリットに転換出来る場合もある事、
と決して使えないカードではない。

特にクリーチャー死亡時に誘発するカードは、
アンティキティが出た当時ではほとんど無かったが、
(当時では《Su-Chi》がある。)
今は各色に存在しているほどに増えている。
黒では
エレボスの指図/Dictate of Erebos
墓穴までの契約/Grave Pact
の2枚がわかりやすい。
マラキールの解体者/Butcher of Malakir
も同じ効果だが、かなり重たい。
上記や《Gate to Phyrexia》と相性が良く、
死亡誘発も兼ねているカードとしては、
魂の収穫者/Harvester of Souls
がある。
他のトークンでない生物が死亡すると1ドロー。
Gate to Phyrexia》で生け贄に捧げたクリーチャーが、
トークンでないなら1ドロー。
上記3種のどれかが出ていれば、
対戦相手にクリーチャーを捧げさせるので、
ここでもドローのチャンス。

クリーチャー単体の死亡誘発では
精神を刻むもの/Mindslicer
真面目な身代わり/Solemn Simulacrum
金線の使い魔/Filigree Familiar
あたりは比較的使いやすいところ。
そして、ファイレクシアな生物の
疫病吐き/Plague Spitter》も死亡誘発カードに該当する。
あまり知られていないカードでは
無数のゴキブリ/Endless Cockroaches
だろうか。
死亡時に必ず手札に戻るという3マナ1/1の生物。
トランプルが無い相手には無限ブロッカーにも出来る。
Gate to Phyrexia》と組み合わせると、
毎ターンアーティファクトを破壊可能に。

Gate to Phyrexia》が使えるレギュレーションとしては、
ヴィンテージ、レガシー、EDH。
(オールド・スクールでもOK。)
自分が知る限りではヴィンテージとレガシーでは見たことがない。
さすがに《Gate to Phyrexia》を採用出来る速度の世界ではないし、
アーティファクト破壊をしたいならタッチカラーにするほうが無難だ。
他の色であれば色々なカードでアーティファクト破壊が可能だ。
ヴィンテージとレガシーではなく、
EDHであれば《Gate to Phyrexia》は結構な回数見た事がある。
知らない人は多いカードかもしれないが、
知る人ぞ知る名カードとでも言おうか。
EDHでは長期戦になる事もあるし、
このカードや他のカードでのアーティファクト破壊によって、
決め手を失う、または速度を失う人がいる。
長期戦になればなるほど、《Gate to Phyrexia》を使うチャンスに恵まれる。
EDHでアーティファクト0というデッキを見かけるのは難しい。
だいたいのデッキに何らかアーティファクトは入っているものであり、
3人も対戦相手がいて、アーティファクトが1枚も置かれない事は稀だ。
中には決め手がアーティファクト2枚ないし3枚コンボという場合もある。
こういう時にそのうちの1枚を破壊出来るだけで、
相当にゲームが変わる事になる。

そして、このカードのクリーチャーの生け贄については、
色々な観点でそれほど問題がない事が多い。
前述の死亡誘発系のクリーチャー以外にも、
血に染まりし勇者/Bloodsoaked Champion
墓所這い/Gravecrawler
恐血鬼/Bloodghast
組み直しの骸骨/Reassembling Skeleton
冥界の裏切り者/Nether Traitor
など、墓地から戻ってくる生物は多い。
墓地から釣るカードも黒の特色だ。
必ずではないにせよ、
ある程度毎ターンアーティファクト破壊は望める。
他の方法では
墓所のタイタン/Grave Titan
苦花/Bitterblossom
などもある。

ちなみに店主は《Gate to Phyrexia》を結構初期の段階で手に入れている。
MTGを始めてそれほど経っていない頃に、
「絵が好きだし、効果もちょっと面白い。」
くらいの理由で買った。
そこからEDHを始めるまで一度もデッキで使った事は無かった。
随分と長い時間使われる事の無かったカードだが、
今はEDHで十分活躍出来る。
置いてみると想像以上に使えるカードだとわかってもらえるだろう。
黒単色でアーティファクトを破壊出来る便利さは、
なかなか味わえないもののはずだ。
黒大好き、ファイレクシア大好きならば、
黒のたしなみとして持っておくべき1枚である。
持っていない人はCardshop Serraで買うように。

ではまた。




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