EDHデッキ紹介その92(Ayesha Tanaka/アーイシャ・タナカ)
記事作成日:2016/11/25 執筆:加藤英宝
お客様の田中さんから
「《アーイシャ・タナカ/Ayesha Tanaka》で是非デッキを!」
というメッセージをいただいた。
かなり無茶である。
《アーイシャ・タナカ》とはこんなカードである。
《Ayesha Tanaka/アーイシャ・タナカ》
コスト:白白青青
伝説のクリーチャー 人間(Human) 工匠(Artificer)
バンド
(T):アーティファクトの発生源からの起動型能力1つを対象とし、
それを、その能力のコントローラーが(白)を支払わないかぎり、打ち消す。
(マナ能力は対象にできない。)
2/2
レア
日本名字ランキング5位以内という、
日本人にとても多い名字の田中。
そんな名字を持つ唯一のカードである。
この人は漢字で書くと
「田中愛沙」
でいいのだろうか。
田中という名字の多さから考えても、
日本中探したら一人くらいいそうな気もする。
MTGプレイヤーの田中さんが愛沙さんと結婚するか、
娘の名前につければ・・・。
という話題を20年くらい前からされている1枚。
MTG歴が相当に長い店主だが、
田中愛沙さんには出会った事がない。
「高橋ケイ」さんには出会った事がある。
言うまでもないが「梅澤哲雄」にも出会った事はない。
余談ではあるが
田中:日本名字ランキング4位
高橋:日本名字ランキング3位
梅澤:日本名字ランキング1684位
である。
梅澤さんは日本で約1万人程いるらしい。
(2016年のデータで。)
一人くらいテツオという名の人がいるかもしれない。
さて、名字の話からカードの話に戻そう。
カード名だけでも変わっているのに、
能力も変わっている。
まず、バンド。
この能力、古参かジャッジでも無い限り、
普通は知らない能力である。
説明はあまりに面倒なので省略。
これを読んでいる人が、
この田中でEDHを組みたい場合は調べると良い。
そんな人はそうそういない気もするのだが。
さらにタップ能力もわけがわからない。
アーティファクトの起動型能力に対して、
白マナの支払いを要求し、
支払えないなら能力を打ち消す。
古今東西の全てのMTGカードを探しても、
こんな意味不明な能力を持つのは《アーイシャ・タナカ》のみである。
昔、このカードで一体何のアーティファクトの起動を止めたかったのだろう?
《ネビニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk》だろうか。
しかし、ターンをまたいだ連続起動では、
《ネビニラルの円盤》を止める事は出来ない。
昔のルールなら《Black Lotus》を止める事が出来たはずだが、
そんな事をした事のあるプレイヤーは地球上にいるとは思えない。
(今はマナ能力は対象に出来ない。)
そしてトドメに4マナ2/2である。
指定コストは白白青青。
《Richard Garfield, Ph.D.》を場に出しておいても、
白白青青のコストは《アーイシャ・タナカ》のみである。
ヤクタターズ。
4マナ2/2でどうやって戦えと言うのだろう。
太古の時代の生物でも、
3マナ2/2くらいは当たり前にいる。
今はそんな時代とは違い、
生物はかなり強化されている。
この特定マナで2/2。
戦うにはとても不向きだ。
この生物でジェネラルダメージ21点はかなり難しい。
強化カードでやっと4マナの一般的に使われる殴るジェネラルと同等。
なかなかに殴るのも容易じゃない。
コストに見合わないパワーとタフネス、
バンドと起動型能力に噛み合いは一切無し、
能力も使用対象が限定され過ぎていて、
一体いつ使えるのかという程。
これをジェネラルに何が出来るのだろうか。
全くもってわからない生物である。
ついでに、このカードを知って20年にもなるが、
未だにわからないことがある。
田中ってどっち?
高確率で右側の顔に落書きされている、
髪型が文金みたいな方だと思うけれども、
もしかしたら左側のメタルマッチョが田中かもしれない。
イラストから想像するのであれば、
顔に落書きの人:田中
メタルマッチョ:田中に起動を止められたアーティファクト
なのだろうから、
右側の人が田中で間違いないとは思うが。
こんな謎の生物でデッキを組んでくれとは、
お客様の田中さん、かなりの無茶振りである。
さて困った。
・特定マナ4つで2/2の貧弱。
・何故かバンド。
・起動対象が特定されすぎている能力。
もうどうしたらいいやら。
これを活かす構築って一体なんだろう?
貧弱であろうとも特定マナが多い・・・。
つまり・・・信心か?
よし、神を入れよう。
《都市国家の神、エファラ/Ephara, God of the Polis》
《太陽の神、ヘリオッド/Heliod, God of the Sun》
《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》
全部採用。
神とバンドを組む田中。
特にヘリオッドさんは、
全体警戒がつくので、
田中のタップ能力を使える余裕を残しながら、
田中が神とバンド組んでパンチが可能になる。
そしてバンドはそれだけじゃ飽き足らない。
神も伝説のクリーチャーゆえ、
これを採用するしかあるまい。
《Cathedral of Serra》
土地
あなたがコントロールする白の伝説のクリーチャーは
「他の伝説のクリーチャーとのバンド」
を持つ。
アンコモン
《Seafarer’s Quay》
土地
あなたがコントロールする青の伝説のクリーチャーは
「他の伝説のクリーチャーとのバンド」
を持つ。
アンコモン
読んだだけで頭痛を催すような土地カードである。
この土地のくせにマナも出せない、
レジェンドのうだつの上がらない奴らをここで採用である。
これで「伝説の神バンド」の完成である。
《Musician》を入れたくなるが、
ここはグっとこらえるところである。
ひとまずは《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》採用。
これがあれば最低でもこの土地どもからマナが出せるようになる。
気がつかない人が多いのだが、
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》はテキストに、
各土地はそれの他のタイプに加えて沼(Swamp)である。
としか書いておらず、
マナシンボルが無いので、
どんなEDHデッキに入れても問題がない。
不特定マナでも出ないより出たほうが良いので採用。
白と青の伝説どもがバンドを組めるとなれば、
ここは白や青の伝説生物をチョイスするしかあるまい。
《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
《アウグスティン四世大判事/Grand Arbiter Augustin IV》
《セファリッドの女帝ラワン/Llawan, Cephalid Empress》
《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》
《奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel, Acquisitor》
《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》
《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》
白と青の優秀どころに白羽の矢を立てた。
誰だ、ジェネラルを《龍王オジュタイ》にしろなんて言っている奴は。
これだけの伝説の者どもがそろった以上は、
ここは《アクローマの記念碑/Akroma’s Memorial》の出番である。
次に田中の能力である。
アーティファクトの起動を止めるというのであれば、
もうこの4枚の採用しかない。
《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice》
《液鋼の塗膜/Liquimetal Coating》
《ニューロックの変成者/Neurok Transmuter》
《メムナーク/Memnarch》
そしてこの4枚を採用するなら、
《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》
も採用である。
《メムナーク》も《銀のゴーレム、カーン》も伝説なので、
この2人も伝説のバンドメンバーである。
上記の土地の効果でバンドは得られないものの、
他の生物たちがバンドを持つので、
バンドメンバーになれるのである。
当然のごとく警戒をつけられるエンチャント、装備品も重要だ。
《永遠の見守り/Always Watching》
《刃の篭手/Bladed Bracers》
《殴打頭蓋/Batterskull》
《テューンの指輪/Ring of Thune》
これらを採用。
《テューンの指輪》を田中が装備すれば、
自動的に成長していく。
「成長が見逃せない伝説バンド、
アーイシャ田中withゴッド。」
全く売れないミュージシャンみたいになった。
色々な意味でどこへ向かって行くのかわからない。
とどめに、田中がタップしているところを油断して、
アーティファクトを起動した奴を狙うために、
《劇的な逆転/Dramatic Reversal》
で劇的な逆転を狙うしかあるまい。
そうして出来上がった使い物にならない紙束デッキがこちら。
ジェネラル:《アーイシャ・タナカ/Ayesha Tanaka》
-クリーチャー17枚-
《粗石の魔道士/Trinket Mage》
《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》
《純鋼の聖騎士/Puresteel Paladin》
《ニューロックの変成者/Neurok Transmuter》
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》
《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
《アウグスティン四世大判事/Grand Arbiter Augustin IV》
《セファリッドの女帝ラワン/Llawan, Cephalid Empress》
《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》
《奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel, Acquisitor》
《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》
《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》
《メムナーク/Memnarch》
《都市国家の神、エファラ/Ephara, God of the Polis》
《太陽の神、ヘリオッド/Heliod, God of the Sun》
《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》
-インスタント10枚-
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
《意志の力/Force of Will》
《秘儀の否定/Arcane Denial》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《渦まく知識/Brainstorm》
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《流刑への道/Path to Exile》
《劇的な逆転/Dramatic Reversal》
-ソーサリー5枚-
《時のらせん/Time Spiral》
《意外な授かり物/Windfall》
《鋼打ちの贈り物/Steelshaper’s Gift》
《宝船の巡航/Treasure Cruise》
《思案/Ponder》
-エンチャント2枚-
《シガルダの助け/Sigarda’s Aid》
《永遠の見守り/Always Watching》
-アーティファクト27枚-
《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice》
《液鋼の塗膜/Liquimetal Coating》
《Mana Crypt》
《通電式キー/Voltaic Key》
《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
《発展のタリスマン/Talisman of Progress》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《金属モックス/Chrome Mox》
《連合の秘宝/Coalition Relic》
《友なる石/Fellwar Stone》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《Jeweled Amulet》
《頭蓋骨絞め/Skullclamp》
《刃の篭手/Bladed Bracers》
《殴打頭蓋/Batterskull》
《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》
《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》
《テューンの指輪/Ring of Thune》
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
《アクローマの記念碑/Akroma’s Memorial》
-プレインズウォーカー3枚-
《滞留者ヴェンセール/Venser, the Sojourner》
《石術師、ナヒリ/Nahiri, the Lithomancer》
《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
-土地35枚-
《Mishra’s Workshop》
《Cathedral of Serra》
《Seafarer’s Quay》
《Tundra》
《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
《統率の塔/Command Tower》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《秘教の門/Mystic Gate》
《広漠なるスカイクラウド/Skycloud Expanse》
《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
《氷河の城砦/Glacial Fortress》
《古えの居住地/Ancient Den》
《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
《教義会の座席/Seat of the Synod》
《大草原の川/Prairie Stream》
《発明博覧会/Inventors’ Fair》
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
7《島/Island》
5《平地/Plains》
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デッキの解説は無し。
もう言いたい事いっぱい書いたし。
本能のおもむくままに田中出せばOK。
あとは20ターンくらい相手が事故っていれば余裕で勝てる。
ではまた。