EDHの心得。

今回のこらむはEDHで推奨されるプレイ、推奨されないプレイ等について。
EDHのプレイの際に、
円滑にゲームを進め、
よりよいコミュニケーションのために覚えておきたい5つのこと。

1つ目。

・殴れるときは殴り、ゲームを長引かせない。


EDHは基本が多人数戦で、
おおむね4人戦が推奨されている。
そのため長期戦になることもしばしば。
その長期戦になってしまう原因の1つは殴り忘れ。
「対戦相手3人のスタートのライフの合計は120。
 1/1生物くらいで殴っても殴らなくてもあんまり変わらない。」
などと思わないこと。
相談OKであることやヘイトという考え方もあるのは事実だが、
最終的には自分以外は対戦相手(敵)である事を忘れてはいけない。
さらには、
森の知恵/Sylvan Library
背信のオーガ/Treasonous Ogre
ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena
など、
ライフをアドバンテージに変えるカードは大いに採用される。
削っておく事はこういった一面でも大切である。
「あと1点ライフがあれば勝てたのに!」
という事はEDHでも十分にありえる事をお忘れなく。
長期戦にしないためにも、
殴り忘れの無いプレイは大切。

2つ目。

・時間短縮を心がける。


これも多人数戦という事から重要なこと。
ターンが一周する時に悩んでいる時間等がもったいないと感じる人は多いので、

「○○を出して、エンドですので、
 先にやっていてください。」

「フェッチランド使って土地持ってきて、
 そのマナでこれとこれを出してエンドです。
 先どうぞ!」

「《不屈の自然/Rampant Growth》で土地探して終わりです。
 次ターンやっていてください。」

といった宣言と行動が好ましい。
レガシー等のトーナメントでは、
フェッチランドの使用のタイミングなど、
重要な場合もありえるが、
EDHではそういうケースはそれほど見受けられない。
プレイの精密さと駆け引きと読みが重要な局面以外では、
プレイ速度を重視した紳士的なゲームをしよう。

また、長考はレガシーやスタンダードもEDHも、
どのレギュレーションであろうと好ましくない。
MTGにおいてやれる事というものは、
基本的には限られているので、
無駄に時間をかけたプレイは避けるのがベスト。
長考は昔から強さの証明にはならない。
「下手の考え休むに似たり」
である。

3つ目。

・自分が使うカードをしっかりと覚え、聞かれたら説明する。


EDHではトーナメントカードでないカードが出てくる事があるし、
それを自分が使う事もある。
わからない時は必ず聞く癖をつけておきたいし、
使う際には他の人に説明出来るようにしておきたい。
EDHでは他の遊び方よりも、
「そのカードなんですか?」
と言われる事が多いからだ。
また、コンボを決める際も、
自分はコンボ内容を知っていても相手が知らない事はある。
特に複数枚のカードを使ってのコンボは、
初見の人や初心者の人にはサッパリわからない事がある。
カードの説明、コンボの説明、どちらも相手への気遣いを忘れずに。
そして、わからない人は相手に遠慮無く聞くことも忘れずに。
知らないまま次へ行ったら、
対処法を考えられないので、
強くなるチャンスを1つ失うことにもなる。

4つ目。

・三味線は禁止。


三味線とは一体何?
という人も多いだろう。
三味線とは麻雀用語で、
「ミスリードを誘うような事や嘘を口にして、
 自分に有利な状況を作ろうとする行為。」
というもの。
もともとは「口三味線を弾く」という言葉で、
口で三味線の音色を真似るという意味。
「口三味線に乗せる」:言葉巧みに相手をだます。
といったかたちで使われる。

一例で言えばこういうものが三味線。
これは実際にあった光景。

プレイヤーAが《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》をプレイした。
プレイヤーBは土地が詰まっていて思うように色マナが出ないが、
 《スランの発電機/Thran Dynamo》を置いてある。
プレイヤーCはマナは潤沢だが、《聖別されたスフィンクス》に対処出来ない緑単。
 現在手札には《召喚の調べ/Chord of Calling》がある。
プレイヤーDはマナが足りず、一切ゲームに参加出来ない状態。

プレイヤーBは《聖別されたスフィンクス》をカウンターすべきかどうか悩んでいた。
しかし、もともと色マナが厳しく、身動きが取りづらい。
カウンターしてもしなくても不利なままは変わらない。
手札にあるのは《Force of Will》で、
他の青いカードは《渦まく知識/Brainstorm》のみだ。
出来る事なら《渦まく知識》を撃ちたいところ。

ここで、プレイヤーCはこのように発言。

「プレイヤーBさんが《聖別されたスフィンクス》をカウンターしてくれたら、
 僕はあなたの《スランの発電機》を壊しませんよ。」

確かに理論上《召喚の調べ》X=3を撃ち、
ヴィリジアンのシャーマン》を持ってくる事は可能だ。
しかし、考えてみよう。
仮に《聖別されたスフィンクス》をカウンターしなかったとして、
ただでさえプレイヤーBは土地に困っている状況。
わざわざ不利な人に《召喚の調べ》X=3から、
ヴィリジアンのシャーマン》を持ってきて《スランの発電機》を壊すだろうか?
それよりも戦場に出た《聖別されたスフィンクス》と、
そのコントローラーへの対処のほうが先になるはずだ。
どう考えてもあり得ないのである。

結局この時は、プレイヤーBがプレイヤーCの言葉に乗ってしまい、
聖別されたスフィンクス》をカウンター。
プレイヤーBはその後もマナに困ったままだった。

脅威となるカードをカウンターしてもらったプレイヤーCは、
召喚の調べ》で別のクリーチャーを持ってきて、
全員を一方的に倒していた。

このゲームを黙ってみていた店主はゲーム終了後に、
プレイヤーCに聞いてみた。

Serra「あの《聖別されたスフィンクス》について、
 プレイヤーBがカウンターしなかったとして、
 君は《召喚の調べ》X=3から《ヴィリジアンのシャーマン》を持ってきて
 プレイヤーBの《スランの発電機》を壊す?」
プレイヤーC「手札は可能だったじゃないですか。」

この回答である。
Serraの質問は「はい。」か「いいえ。」で回答出来るものだが、
このような言い訳じみた回答をするのである。
三味線をするプレイヤーとはこういう回答をする。
「嘘のようで嘘でない。」
「嘘でないような言葉だが真実ではない。」
といった曖昧な返答をする。

これは非紳士的行為であり、
EDHでこういった行為をする事は当然推奨されない。
ただし、三味線行為というものは、
とても摘発しにくいものであり、
横行していることは多分にある。
三味線行為の最も汚いところは、
「マナー違反だが、ルール違反ではない。」
という一面にある。
つまり、イカサマ扱いにはならないのだが、
マナーとしては最悪の行為ということだ。
EDH以外でもMTGの公式の大きなトーナメントで見たことは何度もある。
名前は挙げないが、雑誌に載った事のある人がそれをやっていた。

なお、余談になるが、
麻雀荘などでこの三味線行為をすると、
場所によっては出入り禁止になるし、
場所によっては怖いお兄さんがご登場する場合もある。
麻雀であろうとMTGであろうと、
三味線行為はしないに越したことはない。

5つ目。

・多少の巻き戻しやマナの払いのミスは認めてあげよう。


EDHは時間短縮のために早め早めにプレイを心がける中で、
マナの払い方を間違えてしまう事などがあるが、
払い方次第では払いきれるマナ数であるのなら、
それを一定量は許容してあげようということ。

これまた店主の経験談だが、
EDHのオフ会に行った際に、
マナの払いや巻き戻し等にひたすらうるさい人がいて、
プレイヤー全体がギスギスしていた。
あまりにひどかったので、
同卓するたびにその人を真っ先に倒していた事があった。

EDHはデッキを持ってさえいれば、
「すいません、卓に入れてもらえますか?」
の一言から交流が始まる素晴らしい遊び方だ。
そして、交流が始まるという事は、
こういったマナの払いや巻き戻しにあまりにうるさいと、
どうしても空気が悪くなってしまう。
MTGも勝負事の1つなので、
勝ち負けを考えれば、熱くなる事もある。
それもとても大切な事だ。
しかし、交流も大切な事なので、
こういった事には多くのプレイヤーが寛容である事が望ましい。

また、EDH歴(MTG歴でも同じだが。)は人それぞれ。
誰もが慣れているとは限らない。
だからこそ、自分が慣れているのなら、
慣れていないかもしれない人をあたたかく受け入れる気持ちは大切だ。


終わりに。
EDHはコミュニケーションとして、
とても優れた遊び方であり、
個人個人が多種多様のオリジナリティを発揮する場でもある。
ある人はデッキをFoilだらけにし、
ある人はデッキの内容にオリジナリティを出す。
「おお!すごいカードのFoil持ってますね!」
「えっ!そんなカードがあるんですか!?」
「面白いジェネラル使ってますね!」
「ジェネラルだけはFoilにしたくなりますよね!」
といったコミュニケーションが色々なところで行われる。
ギスギスした雰囲気は公式トーナメントだけで十分である。
MTGの遊び方はトーナメントだけではないのだから、
こういった楽しみを持つ事はとても大切である。

それに、
EDHという遊び方の良さは他にもある。
それは、復帰組の人々が入りやすいという一面。
昔はMTGをやっていたけれど、
大学入学とともにやらなくなった、
学校の卒業とともにやらなくなった、
就職して住んでいる地域が変わってやらなくなった、
理由はそれぞれだが、
MTGのカードをどこかにしまったままの人が、
ある日思い出してカードを触り直した時に、
EDHという遊び方を知って復帰したなんて話を、
この数年間に何回も聞いている。
多くの人は似たような言葉を言っている。
それは、
「スタンダードは一切出来ない。
 何故ならカードを全く持っていないから。
 レガシーやモダンをやるには環境を知らないし、
 新しく出たカードを持っていないし、
 それらを4枚ずつ買い揃えるのも難しい。
 でもEDHなら持っているカードをそのまま使えるし、
 全部1枚でいいからどうにかなる。
 トーナメント環境を気にせずに楽しく遊べるのもありがたい。」
と。

とりわけ、社会人という立場になると、
限られた時間のお休みしかない人が多い。
毎日のようにMTG出来ないのであれば、
スタンダードを追いかけ続ける事は、
金銭的に出来ても、精神的には厳しいものになる人も多い。
そういった環境にいる人にとって、

・どんなカードも1枚でOK。
・持っているカードの大半は使える。
・トーナメントプレイより交流重視。
・スタンダード落ちなどを気にしなくていい。
・買い足さずに手持ちのカードのみでも楽しめる事も多い。
・何より他プレイヤーと会話しながら戦える。

という遊び方はとても助かるのだそうだ。

このように、EDHには復帰組もいれば、
MTG歴1~2年の人もいる。
そうかと思えばMTG歴が二桁になる人もいる。
多くの人が入り混じり、コミュニケーションを楽しむのがEDHの楽しみの一面である。
そのコミュニケーションのために、

・殴れるときは殴り、ゲームを長引かせない。
・時間短縮を心がける。
・自分が使うカードをしっかりと覚え、聞かれたら説明する。
・三味線は禁止。
・多少の巻き戻しやマナの払いは認めてあげよう。


の5つは覚えておこう。

ではまた。



記事作成日:2016/02/03



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