EDHの最強と最弱

「最強は何?」
これはMTGに限らず、
男性向けエンターテインメントにはよくある話題だ。
EDHにおいてもそれは例外ではなく、
時折EDHプレイヤーの中で話題になることだろう。


最強ジェネラルトップ3の座は、
年によっても変化はあれど、
おおむねその強さが安定しているジェネラルがいくつかある。
猛威をふるう兇悪な伝説生物と言えば、

トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest
三日月の神/Kami of the Crescent Moon
悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master
帰還した探検者、セルヴァラ/Selvala, Explorer Returned
背教の主導者、エズーリ/Ezuri, Renegade Leader

カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher
巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls
結界師ズアー/Zur the Enchanter
火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind
老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Ascetic

浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician
妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae
艦長シッセイ/Captain Sisay
数多のラフィーク/Rafiq of the Many
アウグスティン四世大判事/Grand Arbiter Augustin IV

巨大なるカーリア/Kaalia of the Vast
アーカム・ダグソン/Arcum Dagsson
大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer
擬態の原形質/The Mimeoplasm
始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon

この20人のジェネラルに順位はつけていない。
順位はともかく、
「見たら真っ先に倒せ!」
と言われるような錚々たるメンバーである。
ここに挙げた伝説生物は、

・過去に「トップ5と言えば」「見たら要注意」等で挙げられたジェネラル。
・店主が作って、他者に「これ強すぎる。」と言われたジェネラル。
・友人の意見。
・店主の独断と偏見。

の4つから選抜されている。
人によって「○○が入ってない!」等意見はあるだろうが、
今回のお話は「最強ジェネラルは何?」ではないのでご了承を。



この20人のジェネラルを見るに、
EDH最強カラーは何か?

これはもう回答は簡単だろう。
青。
なにせ20人のジェネラル中、
15人が青がらみのジェネラルである。
時点は
緑。
20人のジェネラル中、
8人が緑がらみのジェネラル。

この2強は動かしがたい。

ドローの青
柔軟性の青
カウンターの青
コンボの青



展開の緑
パワーの緑
柔軟性の緑
ドローの緑(青ほどではないが)

というこの2色は文句無しの2強である。
EDH最強のジェネラルや、
EDH最強の色の組み合わせはなかなかに決めにくいものがあるが、
1つだけわかっている事は、
単色5種
2色10種
3色10種
5色
の合計26種の色の組み合わせがあるが、
1位は青のデッキであるという事。

現状で、仮にEDHプレイヤーに投票を行わせたら
1位は《トレストの密偵長、エドリック》の可能性は高い。
この予想の通りなら、EDH最強色は青緑。
また、《トレストの密偵長、エドリック》は最強と言われる事が多い事もあり、
狙われすぎて勝率が下がったり、
マナクリーチャーで展開してくるデッキに対し《紅蓮地獄/Pyroclasm》を積んだりと、
“エドリック殺し”を最初から考えるケースも多い。
そのためスタンダードやレガシーのようなメタゲーム的一面もある。
メタゲーム的一面を持つという事は、
じゃんけんのように
グーはチョキに強いが、パーに弱い。
チョキはパーに強いが、グーに弱い。
パーはグーに強いが、チョキに弱い。
といった環境になる事もある。
最強と言われるジェネラルの理由はあくまで、
・総合的な強さ
・安定力
の2点。
一発芸がメインの脆弱性が多いデッキは最強にはなり得ない。



さて、EDH最強は青。次点が緑。
では最弱は何か。
もうこれは読んでいる人全員が理解しているのではなかろうか。
白である。
上記20種のジェネラルたちにも白い生物がいるが、
単色は存在していない。
おおむね「白青」「白緑」である。
青が強いから白青
緑が強いから白緑
というだけに過ぎない。
「タッチカラー程度に白が入っていると便利だねー」
くらいの扱いが大半である。
例外はコスト踏み倒し系女子の《巨大なるカーリア》さんのみ。

多色系ならまだいいが、
白単の弱さは他とは比べ物にならない。

白単色用のジェネラル候補には70種を超える生物がいるが、
そのどれを選択しようとも上記の強ジェネラル3人と戦うとなれば、
おおむねカーネル・サンダースである。
EDHの席にカーネル・サンダースでも置いて、
自分はチキンでも食べているほうがマシという意味である。
ただ、ぼーっと立っている間に誰かが全員を倒し、
その巻き添え程度に死ぬ存在。
たまに1マナ除去と大量除去を撃てる程度。
除去が撃てる事は勝つ事ではないのでお話にならない。

「破壊の白」と言われた時代もあった白だが、
今はもう、
・トークン出します。
・全体強化します。
・ライフ得ます。
・たまに嫌がらせします。
ばかりの脳筋カラー。
脳筋とはアタマの中まで筋肉が詰まっているおばかちんの意味。
MTGでは機能的でなく、頭を使わず、
「殴るだけしか能がない。」
の状態やデッキに向かって使われる。

脳筋と言われてしまう理由の1つに
昔は多くのパーマネントに触れられる事が利点だったものの、
いつの間にか緑にそのお株を奪われてしまった点がある。
これにより白はテクニカルな動きが少ない状態になり、
脳筋カラーと呼ばれる事に拍車をかけている。

他の4色が新しいカードセットが出るたびに、
様々な方向性を見出だせる事も多い世界で、
白だけは脳筋方向にしか進んでおらず、
退化の一路を辿っている。
プレインズウォーカーに至っても、
青や緑は多種多様の能力を持つ中、
白は
・トークン出します。
・強化します。
・ライフ得ます。
・プレインズウォーカー自身をクリーチャー化します。
・とても脳筋な紋章を得ます。
ばかりで進化が見られない。

現状、店主が最も嫌いなカラーとなっている。
もともと《セラの天使/Serra Angel》好きなこともあり、
白が好きな色だっただけに、
とても残念な気持ちである。

EDHの白が弱い理由は

・ドローに乏しい。
・優秀なインスタントが限られている。
・全体的なアクションが遅い。

という3つ。
全体的なアクションが遅いという事を具体的に書くと、
白にはマナ加速手段が他の色に比べて乏しい。
マナ加速手段が乏しいのに、
ピッチスペルにも良好なカードが無い。
さらに、白の特性上とでも言うべきか、
「相手が何かをした事について対応するカード」
というタイプのカードがとても多い。
神の怒り/Wrath of God》がわかりやすい例だろう。
神の怒り》は対戦相手がクリーチャーを展開しているからこそ意味のあるカードだ。
対戦相手のクリーチャーが0の時の《神の怒り》は無意味なカードでしかない。
対戦相手が展開してくれるまでただの無駄カードだ。
解呪/Disenchant》でも同様。
対応する事が基本となるだけに、
中途半端な待ちの姿勢となるため、
全体的なアクションが遅くなりがち。
という意味だ。

せめて《天秤/Balance》が禁止解除されていればと言いたい気持ちもあるが、
これ1枚解除されたところで強化という程強化されず、
また、《天秤》なんぞ解除しようものなら、
上記の20種の白がらみのジェネラルが強くなるだけである。



EDHを始めて、
かなりの人数をEDHの世界に引き込み、
そしてかなりの人数と対戦をしてきたが、
白単デッキは数える程しか見たことがない。
やはり人気も最下位なのだろう。

そこで、ふと思いついた事が1つありスタッフや友人と話をしてみた。

「白単だけジェネラルを2つ設定出来たらどうだろう?」

という提案だ。
白単は余りにも弱いのでジェネラルが2つ。
デッキは99枚でジェネラルが2枚。
ジェネラルは個々に死んだ回数をカウント。
あとは別に変わらない普通のEDHルール。
これを言ってみた途端に、

友人「自分がランキング上位のデッキ使うなら、
 白単がジェネラル2枚の条件に加えて、
 白単の人だけ初期手札10枚スタートでも負けないと思います。」

というコメント。
なんとも可哀想な白だ。
実際のところ、ジェネラルが2枚になった程度では、
「最強の青」という牙城を崩す事は出来ないだろう。
プレインズウォーカーや呪文の強さは、
そしてデッキの強さは、
ジェネラルを増やした程度では一切埋まらないという事がよくわかる。
ことわざに
「柔よく剛を制す」
とあるが、まさにその通り。
力(白)では技(青や緑)には敵わない。

Wizards of the Coastさん、
もう少し白に立場というものを与えてあげて下さい。
ここまで言われていると白が可哀想です。

いつかこの情勢が変化して、
白が最強のEDH時代は来るのだろうか。

ではまた。



記事作成日:2015/09/22



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