コレクター道11

Cardshop Serraの店主は、
プレイヤーであり、
経営者であり、
コレクターである。
この3つを同時にやっている人はこの世にそんなにいない。
経営者をやっていると、
おおむねコレクターを引退してしまう事が多い。
コレクターをやっていると、
おおむねプレイヤーを引退してしまう事が多いし、
MTGショップの経営者になる人は多くない。
プレイヤーをやっていると、
社会人を引退してしまう人が多いというか、
最初から社会人になれない人やならない人が多い。
そして売れるカードは売り払うため、
コレクターにはなれない。
3つ同時にやっている人はそういう意味でとても珍しい。
店主以外でそういう人がいたら、
それは相当なマジック馬鹿(褒め言葉)である。

そんな店主が10年以上の歳月をかけて、
世界中で誰もやってなさそうなデッキを1つ作り上げた。
少なくとも自分が調べた限りで、
このデッキを作った人はいない。
作れる人もこの世に数える程度しかいない。
ぐだぐだと御託を並べるよりも、
画像を見ていただくほうがわかりやすい。



ヴィンテージのデッキである。
少し気合が入っている。
上記の画像をクリックすると最大サイズで表示されるので、
デッキの詳細をじっくり眺めたい人はどうぞ。

可能な限り黒枠とFoilである。
島/Island》は5枚全てGuru。
精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》は、
1枚Foilではないのだが、
このノーマル版はPSA10。
Mana Crypt》と《太陽の指輪/Sol Ring》は、
元版(Book Promo版とベータ版)もPSA品を持っているが、
隣に置いてある《通電式キー/Voltaic Key》と、
師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》がFoilであるため、
せっかくなのでこの2種もFoilを採用。
パワー9は説明不要のベータ版。
先日のこらむ、黒枠病のレベル6をこじらせた、
普通の人がまず作らないであろうデッキである。


さあデュエルするか。
シャッフルをしなければならんな。
何やらライブラリー60枚が随分と分厚いな。
EDHのデッキを三重スリーブにしてもこの厚さにはならない気がする。

横から見たデッキの高さ。


うぬ、バベルより高い。
バベルとは《機知の戦い/Battle of Wits》の入っている200枚以上のデッキ。
バベルの塔という、旧約聖書:創世記中に登場する塔の名から、
あまりに高さのあるデッキという事でバベルの名を冠している。
MTGの世界では《機知の戦い》デッキが一般的だが、
店主は《機知の戦い》などMTGに存在しなかった時代に、
公式トーナメントでデッキ枚数480枚のデッキを見たことがある。
そのプレイヤーは静岡市の女性プレイヤーだった事を覚えている。
その女性と話をした際に、

「前は5色だったんですが、

 がんばって4色にしました。

 デッキの枚数も減らしたんですよ!」


という一言がとても印象的だった。
デッキの枚数をがんばって減らして480枚。
以前は550枚以上あったらしい。
レギュレーションはスタンダードで、
時代はヴィジョンズやミラージュの頃だ。
一体どんなデッキ内容だったのかレシピを知りたいくらいだ。

時代がおおらかだったのか、
使っている本人がおおらかだったのか、
デュエルが終わると使ったカードをライブラリーの一番下に入れ、
次のデュエルを開始するという適当さだった。

当然この女性、シャッフルなどしない。

ニコニコととにかく楽しそうにマジックしていた。
この女性プレイヤーの使っていたデッキこそ真のバベルだと信じている。
この女性、今は何処で何をしているか等、名前も含めて一切わからないが、
いつか再会したいと思う1人である。
余談になるが、
ファイナルファンタジー4に出てくるバブイルの塔=バベルの塔である。
アッカド語でバブイル、ギリシア語でバベル。
この単語は「神の門」という意味。
バブ=門
イル=神
なのだそうだ。

さて、お話を戻そう。


この初手、マリガンする?
1ターン目は土地セットから、
太陽の指輪》と《師範の占い独楽》と動けるし、
ライブラリーのトップが気に入らないなら、
もう1枚のフェッチランドでシャッフル出来るからキープだな。

いや、それ以前に持ちにくいし、手が疲れる。

誰だ、こんな重たいデッキ作った奴は!(自分)

このPSA鑑定品だけでデッキ構築というのは、
数年前から構想にあった。
多分、誰もやってないだろうなぁと。
わざわざデッキを作りたいという理由から、
渦まく知識/Brainstorm
商人の巻物/Merchant Scroll
などのカードを鑑定する人は珍しいはずだ。
宝船の巡航/Treasure Cruise
ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will
の2枚はPSA鑑定品を持っていないので、
いずれ手に入れて、デッキ採用予定。
そういえば計算していなかったけれど、
このデッキ、時価総額いくらのデッキなんだろう。

なお、
店主が会った事がある人の中での最高のコレクターは、
アルファ版のPSA品だけでデッキ構築可能である。
もっとも、アルファ版のPSA品では裏側からアルファ版だとわかってしまうので、
アルファ版限定構築という謎のフォーマットになってしまう欠点がある。
当然、アルファ版なので、
黒の防御円/Circle of Protection: Black》と《Volcanic Island》が無い。
黒の防御円》は無くても支障はないだろうが、
Volcanic Island》が無いとデッキを作る際に、
多少の問題が出るだろう。
そんなデッキの強い弱いは別として、
このコレクションには店主でもかなわない。
世の中、上には上がいるものである。

ではまた。



記事作成日:2015/03/19