EDHデッキ紹介その59(Trostani, Selesnya’s Voice/セレズニアの声、トロスターニ)
記事作成日:2015/02/11 執筆:加藤英宝
今回のデッキ紹介は、
《セレズニアの声、トロスターニ/Trostani, Selesnya’s Voice》。
ラヴニカへの回帰に登場する3人1組のドライアド。
長女シィム/Cim、次女セス/Ses、三女オーバ/Oba
3人合わせてトロスターニらしい。
ファイナルファンタジー4に出てくるメーガス三姉妹を彷彿とさせるものがある。
「ドグ、マグ、ラグ!3人揃ってメーガス三姉妹!」
と名乗っているわりに、見事なまでのかませドッグぶりは、
トロスターニにも似たものを感じる。
「シィム、セス、オーバ!3人揃ってトロスターニ!」
うん、弱そう。
3人の名前を合成しても「ト」の字も無いのが不思議だ。
あるのは「ス」の字だけ。
このトロスターニという名の由来はなんだろう?
《Trostani, Selesnya’s Voice/セレズニアの声、トロスターニ》
コスト:緑緑白白
伝説のクリーチャー ドライアド(Dryad)
他のクリーチャー1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、
あなたはそのクリーチャーのタフネスに等しい点数のライフを得る。
(1)(緑)(白),(T):居住を行う。
(あなたがコントロールするクリーチャー・トークン1体のコピーであるトークンを1体戦場に出す。)
2/5
神話レア
何故こんなに指定コストが高いのか。
何故こんなにパワーとタフネスがイマイチなのか。
何故3人1組なのにパワーが2なのか。
何故起動能力にタップが必要なのか。
何故起動能力は居住だけなのか。
何故エルフでないのか。
何故自身が戦場に出た際にライフを得られないのか。
「何故?」
という単語で突っ込みたくなる箇所だらけのラヴニカへの回帰の伝説生物。
なにせ居住能力だけなら、
同じギルドの《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士/Vitu-Ghazi Guildmage》が、
タップ能力ではなく、マナを払うだけの起動能力で居住が出来る。
しかも《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士》は、
自分の能力で3/3トークンも生み出せる。
《セレズニアの声、トロスターニ》はコストが白白緑緑、
《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士》はコストが白緑。
《セレズニアの声、トロスターニ》は起動がタップと1白緑、
《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士》は起動が2白緑。(マナさえあれば連続起動可能。)
どう考えてもギルド魔道士のほうが強い。
かたや神話レア、かたや同セットのアンコモン。
カードのデザインを間違ったとしか思えない。
同じ白緑伝説生物ならば、
《艦長シッセイ/Captain Sisay》という安定株の存在もあり、
ジェネラルとして選ばれる事も少ない不遇の子である。
《艦長シッセイ》は指定コストも少なめで、
アドバンテージも非常に安定している。
《セレズニアの声、トロスターニ》は指定コストが強めで、
アドバンテージが全く安定していない。
このあまりの不遇さとトロスターニという名前から、
《セレズニアの声、トロスターニ》は「トロ子」の愛称で親しまれる。
トロスターニのトロであり、
トロくさいのトロでもある事は言うまでもない。
漫画GTOに登場するトロ子とは関係ない…はずだ。
言うまでもなく4マナでパワー2ではジェネラルダメージは期待できない。
そもそもライフをもらえる能力と居住能力だけでは、
他のカードが無い限りは2/5バニラクリーチャーである。
序盤に着地したところで他に何も無ければ、
役職名は「ナイスブロッカー」である。
デッキは以下。
ジェネラル:《セレズニアの声、トロスターニ/Trostani, Selesnya’s Voice》
クリーチャー33枚
《魂の管理人/Soul Warden》
《縫合の僧侶/Suture Priest》
《魂の従者/Soul’s Attendant》
《本質の管理人/Essence Warden》
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
《Fyndhorn Elves》
《極楽鳥/Birds of Paradise》
《アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim》
《森のレインジャー/Sylvan Ranger》
《永遠の証人/Eternal Witness》
《アブザンの獣使い/Abzan Beastmaster》
《天光を求める者/Seeker of Skybreak》
《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》
《ジョラーガの樹語り/Joraga Treespeaker》
《再利用の賢者/Reclamation Sage》
《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》
《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》
《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar》
《威厳の魔力/Regal Force》
《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士/Vitu-Ghazi Guildmage》
《復活の声/Voice of Resurgence》
《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》
《種子生まれの詩神/Seedborn Muse》
《フェリダーの君主/Felidar Sovereign》
《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》
《セラの高位僧/Serra Ascendant》
《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
《弱者の師/Mentor of the Meek》
《太陽のタイタン/Sun Titan》
《アカデミーの学長/Academy Rector》
インスタント7枚
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《流刑への道/Path to Exile》
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
《召喚の調べ/Chord of Calling》
《エラダムリーの呼び声/Eladamri’s Call》
《自然の要求/Nature’s Claim》
《大量の芽吹き/Sprout Swarm》
ソーサリー5枚
《新たな芽吹き/Regrowth》
《歯と爪/Tooth and Nail》
《牧歌的な教示者/Idyllic Tutor》
《調和/Harmonize》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
エンチャント11枚
《開拓地の包囲/Frontier Siege》
《森の知恵/Sylvan Library》
《適者生存/Survival of the Fittest》
《繁茂/Wild Growth》
《楽園の拡散/Utopia Sprawl》
《大地の知識/Earthcraft》
《似通った生命/Parallel Lives》
《リスの巣/Squirrel Nest》
《倍増の季節/Doubling Season》
《オーラの破片/Aura Shards》
《忍耐の試練/Test of Endurance》
アーティファクト6枚
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
《Mana Crypt》
《頭蓋骨絞め/Skullclamp》
《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor》
プレインズウォーカー3枚
《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》
《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》
《ラノワールの憤激、フレイアリーズ/Freyalise, Llanowar’s Fury》
土地34枚
《Savannah》
《寺院の庭/Temple Garden》
《魂の洞窟/Cavern of Souls》
《統率の塔/Command Tower》
《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》
《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》
《地平線の梢/Horizon Canopy》
《サングラスの大草原/Sungrass Prairie》
《樹木茂る砦/Wooded Bastion》
《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》
《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
《ヤヴィマヤのうろ穴/Yavimaya Hollow》
《七曲がりの峡谷/Winding Canyons》
《守護者の木立ち/Grove of the Guardian》
《高級市場/High Market》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》
4《平地/Plains》
8《森/Forest》
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ライフだけは増え続けるデッキ構成。
ただし、ライフが増えても
ガチEDHと呼ばれる本気で全員を倒しに来るEDHデッキでは、
ライフがいくらあろうと、
・無限ダメージ
・ライブラリーアウト
・無限バウンス
・ジェネラルダメージ
・毒殺
のどれかを狙ってくる事が多いため、
ライフが100点でも全くもって意味がない。
デッキの勝ち手段は一応殴り勝ちも狙えなくもないが、
・《フェリダーの君主》で一発勝ち。
・《忍耐の試練》で一発勝ち。
・《リスの巣》+《大地の知識》で無限トークン
の3種が主。
《リスの巣》+《大地の知識》+ジェネラルならば、
無限ライフにもなる。
クリーチャを展開し、
ジェネラルを着地させ、
何処を攻めるでもなく、
ただ、ひたすらにライフ回復し続け、
無害なEDHプレイヤーを装う。
チャンスを見つけたら《フェリダーの君主》が《忍耐の試練》で、
突然にして勝利をするというのがトロ子のコンセプト。
この突然勝ちの手段を特化させたい場合は、
《斥候の警告/Scout’s Warning》
《輪作/Crop Rotation》
《凶暴な召喚/Savage Summoning》
《俗世の教示者/Worldly Tutor》
などを追加し、
コントロール要素を強化したい場合は、
《制圧の輝き/Glare of Subdual》
《沈黙のオーラ/Aura of Silence》
《進歩の災い/Bane of Progress》
《無垢への回帰/Seeds of Innocence》
などを追加しよう。
殴り勝ちのパターンとしては、
《ファイレクシアの処理装置》でとんでもない数のライフを払った時。
トロ子さえ出ていれば、払ったライフは即座に戻り、
以後、トークンを出していけばライフは簡単に100を超え、
20/20を超えるクリーチャーが他プレイヤーに襲いかかる。
ジェネラルダメージでなければ、
ダメージレースではまず負けない状態となる。
《復活の声》のトークンをひたすら居住する場合も、
相当なライフをもらいつつ相当なパワーのクリーチャーが展開出来る。
トークンと居住に特化したい場合は、
《兵士の育成/Growing Ranks》
《隔離する成長/Sundering Growth》
《トロスターニの召喚士/Trostani’s Summoner》
《ワームの到来/Advent of the Wurm》
《大軍のワーム/Armada Wurm》
《金切るときの声/Battle Screech》
《オーラの突然変異/Aura Mutation》
《目覚めの領域/Awakening Zone》
《封じ込める僧侶/Containment Priest》
《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》
《機を見た援軍/Timely Reinforcements》
《太陽の神、ヘリオッド/Heliod, God of the Sun》
《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》
《女王スズメバチ/Hornet Queen》
《蟻の女王/Ant Queen》
《傲慢な完全者/Imperious Perfect》
《エフラヴァのジェディット・オジャネン/Jedit Ojanen of Efrava》
《木立ちの守護者ネマタ/Nemata, Grove Guardian》
《カザンドゥの牙呼び/Kazandu Tuskcaller》
《軍部政変/Martial Coup》
《僧院の導師/Monastery Mentor》
《猛り狂うベイロス/Rampaging Baloths》
《夜の土/Night Soil》
《管区の隊長/Precinct Captain》
《野生の狩りの達人/Master of the Wild Hunt》
《セレズニアの福音者/Selesnya Evangel》
《石術師、ナヒリ/Nahiri, the Lithomancer》
《弱者の力線/Leyline of the Meek》
《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》
といったカードが候補になる。
トークンを出すカードやトークンに関するカードは、
白や緑にはとても多いので、
自分の好みと戦略に合わせて使うのがベストだ。
ただし、トークンと居住に特化するデッキの場合、
攻撃力は高くなるが、
どうしても対応力に乏しくなりがち。
ゲームが長期戦になった場合に決め手に欠けたり、
誰かに一発でコンボを決められたりと、
厳しい一面もある。
圧倒的な攻撃力で押し切る事を考えてのデッキ構築にしておきたい。
なお、このトロ子デッキを使ってみた途端に、
「先生、あれはプレイヤーとしてのヘイト補正が高い人にはコンセプトとして噛み合っていません!
無害なデッキで遊んでいるプレイヤーを演じられる人でないと!」
「まず3対1がデフォルトスタートのSerraさんでは無理ですから諦めるしかないかと。」
というコメントをいただいた。
店主のように、
「ゲーム開始時からだいたい3対1でゲームが始まる。」
などと言われるプレイヤーが使うとロクな事にならないと言いたいらしい。
とはいえ一切勝てないという程でもない。
《森の知恵》で毎ターン8ライフ払っていても、
痛くも痒くもないあたりはとても心強いデッキだ。
奇襲的に勝利条件カードを着地させれば、
案外と対処されずに勝利出来る事もあった。
調子に乗って《らせんの円錐/Helix Pinnacle》を採用した事もあったが、
さすがにこれを成立させるには難しかった。
仮にカウンターを100個置けたとしても、
チェックがアップキープなだけになかなか勝たせてもらえない。
だいたいカウンター70個くらいで狙われ始める。
90個近くなると総攻撃を食らう。
興味のある人は《らせんの円錐》で勝利も狙ってみてほしい。
ではまた。