ヴィンテージデッキ紹介その5

今回のヴィンテージデッキ紹介は青赤デルバー。

12月21日のCardshop Serra主催のヴィンテージの参加者が使っていたもの。

クリーチャー
4《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets
2《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage
4《若き紅蓮術士/Young Pyromancer

インスタント
4《Force of Will
4《稲妻/Lightning Bolt
4《精神的つまづき/Mental Misstep
2《誤った指図/Misdirection
2《噴出/Gush
2《火+氷/Fire+Ice
1《Ancestral Recall
1《渦まく知識/Brainstorm
1《紅蓮破/Pyroblast

ソーサリー
4《定業/Preordain
3《宝船の巡航/Treasure Cruise
1《思案/Ponder
1《Time Walk

アーティファクト
1《Mox Ruby
1《Mox Sapphire
1《Black Lotus

プレインズウォーカー
2《ダク・フェイデン/Dack Fayden

土地
4《Volcanic Island
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn
2《乾燥台地/Arid Mesa
1《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
1《汚染された三角州/Polluted Delta
1《島/Island
1《山/Mountain
1《Tundra

サイドボード
4《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage
4《鋳塊かじり/Ingot Chewer
2《封じ込める僧侶/Containment Priest
1《電謀/Electrickery
1《火+氷/Fire+Ice
1《紅蓮破/Pyroblast
1《石のような静寂/Stony Silence
1《摩耗+損耗/Wear+Tear
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レガシーの青赤デルバーをヴィンテージにしたような構成。
ヴィンテージでは《思案》と《渦まく知識》が1枚制限なので、
レガシーのように両方4枚というわけにはいかない。
反面、《Ancestral Recall》や《精神的つまづき》が使える。
もちろん《Time Walk》や《Black Lotus》なども。
一長一短といったところだ。
デッキの半分はレガシーと変わらない。

多少の違いは、
1つ前のデッキ紹介でも話題に出た《ダク・フェイデン》。
役目については1つ前のデッキ紹介のとおりだ。
これはもう完全にヴィンテージとレガシーのメタの違い。
ヴィンテージの世界はアーティファクトが飛び交い、
Time Vault》というお手軽無限ターンアイテムや、
修繕/Tinker》から飛び出す最強生物《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》がある。
マイナス能力でアーティファクトを奪えるダク様は、
ヴィンテージの世界では相当な力を発揮する。
青赤なら1枚は入れておいて損はしない。
ダク・フェイデン》が場にあると、
一瞬で《Time Vault》コンボを決めなければならないし、
荒廃鋼の巨像》は《Time Walk》する事が前提に近い。
Time Vault》コンボにいたっては、
通電式キー/Voltaic Key》の先置きも出来ない。
ダク・フェイデン》が出る前に、
通電式キー》を先置きしていた場合は確実に奪われてしまい、
コンボ成立の確率が落ちる。
なお、ダク様の奥義は無いのと同意義。
アーティファクトを奪う能力が奥義みたいなもの。
もっともプレインズウォーカーの半分くらいは、
大マイナス能力など使わない事が多いのだが。

それから、前回のデッキ紹介と今とでは違う1枚がある。
タルキール最強のカードとさえ言われかねない、
鬼のごとき強さを誇るコモンカード《宝船の巡航》だ。


Treasure Cruise/宝船の巡航
コスト:7青
ソーサリー
探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)
カードを3枚引く。
コモン

タルキール発売当初から、
「このコモンカードは強い!」
と名高く、
スタンダード、モダン、レガシー、EDHと、
全てのレギュレーションで採用されていたカードは、
ヴィンテージの世界でも実用の1枚として立場を確立した。
「ソーサリーだけど、《誤った指図》されない《Ancestral Recall》」
と呼ばれる。
引き合いに出される《Ancestral Recall》については、
「《宝船の巡航》が8マナソーサリーという事を考えると、
 いかに《Ancestral Recall》が無茶苦茶なカードであるかよくわかる。
 《宝船の巡航》が7枚探査しても、
 まだ《Ancestral Recall》のほうがインスタントである分強い。
 《誤った指図》されるリスクはあるが、
 さすがはパワー9。」
と、当然と言えば当然の評価をされている。

少し変わった視点では、《宝船の巡航》は《Ancestral Recall》に勝る点がある。
1つは《三なる宝球/Trinisphere》だ。

Trinisphere/三なる宝球
コスト:3
アーティファクト
三なる宝球がアンタップ状態であるかぎり、
それを唱えるためのコストが3マナ未満である呪文はそれぞれ、
それを唱えるためのコストが3マナになる。
(コストの追加のマナは好きな色のマナまたは無色マナで支払ってよい。
例えば、唱えるためのコストが(1)(黒)である呪文は、
代わりに唱えるために(2)(黒)を支払う。)
レア

このカードを置かれている際に、
Ancestral Recall》のコストは2青になる。
宝船の巡航》の持つ、探査能力とは、
「この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。」
という能力である。
探査能力は「コストを墓地のカードで支払っている」ので、
三なる宝球》の能力には引っかからない。
つまり、7枚探査した場合に実際にマナとして支払うのは青のみ。
三なる宝球》の影響を受けず、
普段と変わらないプレイ方法でOKという事になる。

また、ヴィンテージではよく置かれるアーティファクト、
虚空の杯/Chalice of the Void》でも似た状況だ。
虚空の杯》はおおむね、X=0、X=1、X=2のどれかで宣言される。
頑張ってもX=3だろう。

宝船の巡航》はコスト8の呪文。
まさか《虚空の杯》X=8と宣言する人はいないだろう。
というより現実的に出来ない。
虚空の杯》X=8を宣言するために必要なマナコストは16。
引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》より重たい。
こんなマナが出る前に勝負を決めろという話だ。
(そもそも《虚空の杯》は1枚のカードを止めるために置くカードではないし。)
どっかのカードショップの店主は、
トーナメントに出場した際に《Force of Will》を止めるために、
虚空の杯》X=5を宣言した事があるが、
これは相当に例外だ。

虚空の杯》X=1が置かれていて、
7枚探査して青だけで《宝船の巡航》を撃ってもOKという点も、
一応《Ancestral Recall》より強い状況の1つだ。
同様の理由で《精神的つまづき》もだ。

もっとも弱点もある。
墓地を消されたら弱い、
最序盤に撃てない、
という事は当然の事ながら、
それ以外にヴィンテージとEDHの世界にだけある弱さが1つ。
それは《Mana Drain》される危険性。
Mana Drain》されると8マナも奪われる。
レガシーでは飛んでこない邪悪なカウンター呪文は、
こういった時に恐ろしい力を発揮する。

さて、こらむの半分が《宝船の巡航》の話になってしまったが、
今後もこの《宝船の巡航》はヴィンテージやレガシーでお目にかかれるカードになるだろう。
ダク・フェイデン》や《宝船の巡航》に代表される昨今のカードが、
ヴィンテージ、レガシーの世界に影響を与える事はとても面白い。
それと、
このデッキのようにレガシーと基本戦略の変わらないデッキが、
ヴィンテージでも十分に通用する。
確かに高額のカードもあるのだが、
宝船の巡航》のように通用する安いカードが沢山ある。
レガシーとヴィンテージの壁というものを考えず、
純粋にマジックを楽しむために、
ヴィンテージに一歩足を踏み入れてくれる人が、
一人でも増えてくれる事が望ましい。

ではまた。



記事作成日:2014/12/22