EDHデッキ紹介その48(Sydri, Galvanic Genius/電位式の天才、シドリ)
記事作成日:2014/05/24 執筆:加藤英宝
今回のデッキ紹介は、《電位式の天才、シドリ/Sydri, Galvanic Genius》。
統率者2013で新しく出た伝説生物。
白青黒のデッキは、
ジェネラル次第で相当に違う構成になるのでとても面白い。
のだが、
今までデッキ紹介では
MTG界のビッチオブビッチ、
《メリーキ・リ・ベリット/Merieke Ri Berit》のデッキ以外、
一切デッキ紹介をした事が無かった。
《Sydri, Galvanic Genius/電位式の天才、シドリ》
コスト:白青黒
伝説のクリーチャー 人間(Human) 工匠(Artificer)
(青):クリーチャーでないアーティファクト1つを対象とする。
それはターン終了時まで、その点数で見たマナ・コストに等しい
パワーとタフネスを持つアーティファクト・クリーチャーになる。
(白)(黒):アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。
それはターン終了時まで接死と絆魂を得る。
2/2
神話レア
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3マナ2/2と、
インターネットエクスプローラーくらいの脆弱さ。
どう考えてもジェネラルダメージ21点を狙うには無理がある。
ところが、能力は案外と面白い。
青マナ起動の能力は
《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》と同じ。
0マナアーティファクトは青マナさえあれば壊せる。
《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》さえ沈む。
ただ、
こういう能力をつけるのであれば、
白:アーティファクト・クリーチャーに絆魂。
青:アーティファクトをクリーチャー化。
黒:アーティファクト・クリーチャーに接死。
というくらいの柔軟性にしておいても、
なんら罪は無かったと思うのだが。
統率者2013のセットなので、
神話レアというレアリティには何の意味もないが、
神話レアを名乗っているのだから、
もうちょっとだけ強くても良かったのではなかろうか。
デッキは以下。
ジェネラル:《電位式の天才、シドリ/Sydri, Galvanic Genius》
クリーチャー14枚
《粗石の魔道士/Trinket Mage》
《大建築家/Grand Architect》
《奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel, Acquisitor》
《エーテリウムの彫刻家/Etherium Sculptor》
《練達の変成者/Master Transmuter》
《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
《悪意の大梟/Baleful Strix》
《鋼のヘルカイト/Steel Hellkite》
《ガラクタ潜り/Junk Diver》
《通電式構成物/Voltaic Construct》
《ピリ=パラ/Pili-Pala》
《マイアの回収者/Myr Retriever》
《メムナーク/Memnarch》
《覇者シャルム/Sharuum the Hegemon》
インスタント13枚
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《流刑への道/Path to Exile》
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
《渦まく知識/Brainstorm》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《秘儀の否定/Arcane Denial》
《Mana Drain》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《差し戻し/Remand》
《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
《嘘か真か/Fact or Fiction》
《Force of Will》
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
ソーサリー4枚
《加工/Fabricate》
《Timetwister》
《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
《Transmute Artifact》
エンチャント2枚
《Copy Artifact》
《Power Artifact》
プレインズウォーカー3枚
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》
アーティファクト29枚
《金属モックス/Chrome Mox》
《Mana Crypt》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《通電式キー/Voltaic Key》
《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》
《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》
《友なる石/Fellwar Stone》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《オルゾフの印鑑/Orzhov Signet》
《威圧のタリスマン/Talisman of Dominance》
《発展のタリスマン/Talisman of Progress》
《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
《連合の秘宝/Coalition Relic》
《ダークスティールの鋳塊/Darksteel Ingot》
《彫り込み鋼/Sculpting Steel》
《ゴブリンの大砲/Goblin Cannon》
《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
《記憶の壺/Memory Jar》
《精神の眼/Mind’s Eye》
《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice》
《ニンの杖/Staff of Nin》
《イシュ・サーの背骨/Spine of Ish Sah》
《ダークスティールの溶鉱炉/Darksteel Forge》
土地34枚
《Scrubland》
《Tundra》
《Underground Sea》
《神無き祭殿/Godless Shrine》
《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
《湿った墓/Watery Grave》
《統率の塔/Command Tower》
《反射池/Reflecting Pool》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
《氷河の城砦/Glacial Fortress》
《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》
《秘教の門/Mystic Gate》
《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》
《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》
《広漠なるスカイクラウド/Skycloud Expanse》
《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
《地底の大河/Underground River》
《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》
《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
《古えの居住地/Ancient Den》
《教議会の座席/Seat of the Synod》
《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》
《Mishra’s Workshop》
4《島/Island》
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アーティファクトの総合計枚数はなんと45枚。
アーティファクト・クリーチャー11枚、
アーティファクト29枚、
アーティファクトランド4枚という内訳。
デッキのほぼ半分がアーティファクトという構成。
《ボーラスの工作員、テゼレット》の+1能力を起動すれば、
相当な確率でヒットしてくれる事だろう。
これだけのアーティファクトが入っていると、
色々な組み合わせで相当に色々な事が出来る。
いくつかを紹介していこう。
《電位式の天才、シドリ》
《金粉の水蓮》
《通電式構成物》
この組み合わせで無限マナ。
《電位式の天才、シドリ》で《金粉の水蓮》をクリーチャー化。
《金粉の水蓮》はマナを出した後、《通電式構成物》でアンタップ。
あとはマナを出す→アンタップだけで無限マナ。
ここに、《ニンの杖》があれば、
《電位式の天才、シドリ》でクリーチャー化して、
今度は《ニンの杖》と《通電式構成物》で無限ダメージ。
もちろん無限マナなので、
《ゴブリンの大砲》でもOK。
また、
《魔力の櫃》
《厳かなモノリス》
《玄武岩のモノリス》
《スランの発電機》
を《電位式の天才、シドリ》でクリーチャー化した場合は、
無色の無限マナが成立。
単純に言って、3マナ以上出るアーティファクトであれば成立するので、
デッキには入っていないが、
《夢石の面晶体/Dreamstone Hedron》
でも成立する。
例外的に《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》X=3以上では成立しない。
《永遠溢れの杯》はコストが0のため、
《電位式の天才、シドリ》でクリーチャー化すると0/0になって死んでしまう。
無限マナと言えばお手軽簡単な無色無限マナである、
《Power Artifact》
+
《玄武岩のモノリス》or《厳かなモノリス》
も搭載。
こちらも《ゴブリンの大砲》でフィニッシュ。
また、《クラーク族の鉄工所》が出ていて、
《イシュ・サーの背骨》があれば、
対戦相手の全てのパーマネントを破壊しに行ける。
その《クラーク族の鉄工所》は別の無限マナのエンジンで、
《マイアの回収者》
《ガラクタ潜り》
《エーテリウムの彫刻家》
《クラーク族の鉄工所》
が揃えば無色の無限マナ。
このコンボはアーティファクトだけで成立するので、
コンボの必要枚数は多いものの、
チューターする手段が豊富な事からも、
それほど難しくないという点も面白い。
この無限マナの成立確率を上げたい人は、
《雲の鍵/Cloud Key》
《覚醒の兜/Helm of Awakening》
を採用しても良い。
また、別の2枚でも無限マナが成立。
《ピリ=パラ/Pili-Pala》
《大建築家/Grand Architect》
この2枚は有色無限マナなので、やりたい放題だ。
青マナを含む無限マナが成立した場合、
《メムナーク》で対戦相手のパーマネントを奪い放題になる。
青マナが無い場合でも、《マイコシンスの格子》があればOK。
その《マイコシンスの格子》は《電位式の天才、シドリ》との相性が最高だ。
《電位式の天才、シドリ》のクリーチャー化能力を無色1マナで起動出来るようになり、
しかもどんなパーマネントにも起動出来るようになる。
つまり、対戦相手の土地に起動すると、
土地が0/0クリーチャーになり、死んでいく。
マナある限り1マナで土地破壊である。
それから、地味に強いコンボが1つ。
《電位式の天才、シドリ》
《ニンの杖》
の2枚。
《電位式の天才、シドリ》の両方の能力を《ニンの杖》に使うと、
タップ能力の1点ダメージでクリーチャーが一撃死だ。
そして、アーティファクトコピー3種である
《彫り込み鋼》
《Copy Artifact》
《ファイレクシアの変形者》
が色々なものをコピー出来るので、
想像以上の柔軟性を持つ。
なお、コピーは
「コストまでコピー」
なので、
《Copy Artifact》が《ニンの杖》になり、
《電位式の天才、シドリ》でクリーチャー化した場合、
2/2ではなく6/6である。
それから、下記のアーティファクトも採用に一考の価値ありだ。
《交易所/Trading Post》
《トリスケリオン/Triskelion》
《映し身人形/Duplicant》
《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere》
《婆カカシ/Scarecrone》
《ストリオン共鳴体/Strionic Resonator》
《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》
《呪文滑り/Spellskite》
《巻き戻しの時計/Unwinding Clock》
《液鋼の塗膜/Liquimetal Coating》
《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》
《弱者の剣/Sword of the Meek》
《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》
面白いのは《トリスケリオン》で、
《電位式の天才、シドリ》の能力で接死+絆魂をつけるだけで、
ロケットパンチでクリーチャーが3体沈む。
さらに《電結の荒廃者》と組み合わせると非常に面白い。
使ってみるとわかるのだが、
《電位式の天才、シドリ》の起動コストが指定コストばかりなので、
色マナの使い方がシビアになってくるケースも少なくない。
カウンターのためのマナ、
《電位式の天才、シドリ》の起動用の白青黒のマナ、
《精神の眼》などのアーティファクト用のマナなど、
多くの事にマナを使うデッキだ。
もしこの《電位式の天才、シドリ》を使おうと思う方がいたら、
色マナの使い方には十分に注意して使う事をお薦めしたい。
ではまた。