EDHデッキ紹介その45(Tajic, Blade of the Legion/軍勢の刃、タージク)
記事作成日:2014/04/29 執筆:加藤英宝
今回のデッキ紹介は《軍勢の刃、タージク/Tajic, Blade of the Legion》。
お客様のリクエスト。
「どうもタージクを使って勝ちきれないので、
何か面白い案があればこらむに掲載してもらいたい。
あの可愛い(?)オジサンに勝利を!」
とのこと。
レッツデッキ作成。
《Tajic, Blade of the Legion/軍勢の刃、タージク》
コスト:2赤白
伝説のクリーチャー 人間(Human) 兵士(Soldier)
破壊不能
大隊 ― 軍勢の刃、タージクと少なくとも2体の他のクリーチャーが攻撃するたび、
軍勢の刃、タージクはターン終了時まで+5/+5の修整を受ける。
2/2
レア
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ドラゴンの迷路のうだつのあがらな・・・いやなんでもない。
ドラゴンの迷路の各ギルドの迷路走者サイクルという名があるらしい。
迷路走者、略して迷走であり、
カードのデザインからして迷走していた事がうかが・・・いやなんでもない。
破壊不能は強い。
強いのだが、基本性能が4マナ2/2と寂しい。
コストを1白赤にするか、
せめて4マナのままで4/2くらいに出来なかったのかと言いたい。
大隊なんてほとんど発動しないだろうと思っているので、
下の能力はあんまり考えないくらいがベストだろう。
そして、白赤の伝説のクリーチャー陣には、
攻撃力、防御力ともに強い
《黄金夜の刃、ギセラ/Gisela, Blade of Goldnight》
という天使と、
謎の人気とそれなりの攻撃力の
《覇者、ジョー・カディーン/Jor Kadeen, the Prevailer》
というオッサンがいるため、
他のカードはそれほど目立たない。
こういった事からも、
単純にこれは破壊不能を活かして戦えるかどうかがカギになると思われる。
デッキは以下。
ジェネラル:《軍勢の刃、タージク/Tajic, Blade of the Legion》
クリーチャー15枚
《セラの高位僧/Serra Ascendant》
《躁の蛮人/Manic Vandal》
《鋳塊かじり/Ingot Chewer》
《太陽の神、ヘリオッド/Heliod, God of the Sun》
《ダークスティールの巨大戦車/Darksteel Juggernaut》
《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》
《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》
《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》
《アカデミーの学長/Academy Rector》
《炎のインプ/Fire Imp》
《修復の天使/Restoration Angel》
《鍛冶の神、パーフォロス/Purphoros, God of the Forge》
《悪鬼の狩人/Fiend Hunter》
《太陽のタイタン/Sun Titan》
インスタント5枚
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《流刑への道/Path to Exile》
《スマッシュ/Smash》
《塵への帰結/Return to Dust》
ソーサリー12枚
《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
《汚損破/Vandalblast》
《Wheel of Fortune》
《塵は塵に/Dust to Dust》
《ハルマゲドン/Armageddon》
《審判の日/Day of Judgment》
《戦の惨害/Ravages of War》
《神の怒り/Wrath of God》
《ジョークルホープス/Jokulhaups》
《燎原の火/Wildfire》
《破壊的な力/Destructive Force》
《壊滅/Devastation》
エンチャント5枚
《土地税/Land Tax》
《盲従/Blind Obedience》
《浄化の印章/Seal of Cleansing》
《ゴブリンの突撃/Goblin Assault》
《軍勢の集結/Assemble the Legion》
アーティファクト24枚
《通電式キー/Voltaic Key》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
《Mana Crypt》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《金属モックス/Chrome Mox》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《精神石/Mind Stone》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《緋色のダイアモンド/Fire Diamond》
《ダークスティールの鋳塊/Darksteel Ingot》
《連合の秘宝/Coalition Relic》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
《乳白色のダイアモンド/Marble Diamond》
《友なる石/Fellwar Stone》
《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
《ボロスの印鑑/Boros Signet》
《砕けたパワーストーン/Fractured Powerstone》
《Jeweled Amulet》
プレインズウォーカー3枚
《燃え立つチャンドラ/Chandra Ablaze》
《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》
土地35枚
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
《魂の洞窟/Cavern of Souls》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《反射池/Reflecting Pool》
《統率の塔/Command Tower》
《Plateau》
《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
《岩だらけの大草原/Rugged Prairie》
《真鍮の都/City of Brass》
《古えの居住地/Ancient Den》
《大焼炉/Great Furnace》
《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》
8《平地/Plains》
6《山/Mountain》
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基本は大量破壊呪文を撃ち、
プレインズウォーカーやエンチャントを残しつつ、
ジェネラルをプレイして殴りきろうという戦略だが、
その型にハマらないとイマイチ押しが弱い。
ジェネラルが破壊されない事を活かすための構築なのだが、
白の
《剣を鍬に》
《流刑への道》
《糾弾》
などの1マナ除去系にはとことん弱い。
そして、元のスペックが2/2というしょぼさから、
どうしても6マナ払ってまで出したいと思えてこないあたりが問題。
ジェネラルの除去は緑、赤、黒からはされにくいが、
白や青は追放、手札に戻す、ライブラリーの中に…といった手段で攻めてくるため、
破壊不能だけでは心許無い。
多くの人は大隊を活かす事を考えると思うのだが、
これが案外と無茶に近い。
対戦相手1人のライフを20点削るだけのゲームであれば、
大隊狙いでもそこそこ行けたかもしれないが、
なにせ対戦相手はいっぱいいる上にライフは各40点スタート。
大隊が発動しても削り切る事が難しい。
《連続突撃/Relentless Assault》等の、
追加戦闘フェイズ系カードを考慮する人も多いが、
これも結構なほど厳しい。
理由は簡単だ。
《連続突撃》を撃つのは何時なのか?
という一点。
これを考える際に
・《軍勢の刃、タージク》が置いてある事。
・大隊が誘発するクリーチャー数である事。
という条件をクリアして初めて強いと言える。
たしかに大隊の能力とは、
「○○と少なくとも2体の他のクリーチャーが攻撃するたび」
なので、
《軍勢の刃、タージク》が追加戦闘フェイズでも大隊が誘発すると、
合計で12/12クリーチャーになる。
しかし1つ目の戦闘で7ダメージがプレイヤーに通っていて、
さらに追加の攻撃もそのプレイヤーに通るとしても、
ジェネラルダメージは合計19点。
倒しきるには2点足りない。
となるとどうしても大隊を期待した構成でも、
勝ち切る事が難しい。
《軍勢の刃、タージク》単体しかいない場合、《連続突撃》は無駄カードに近い。
つまり、大隊が必要条件になる。
この2段階の条件で対戦相手が1人でも倒せるというのであれば、
この条件でもGOサインが出せる。
しかし、与えられるダメージはジェネラルダメージ21点には届かない。
それならば、わざわざ大隊は無理に狙わないほうが無難と言える。
条件を後回しにして先置き出来る《追い討ち/Aggravated Assault》ならばどうか?
こちらは大量破壊呪文でマナをすっ飛ばす構成とは相性が悪い。
白や赤から大量破壊呪文を抜いて、
殴るだけの構成にしてしまうのは少し面白みに欠ける事と、
「どうしようもない時のリセットボタン」が無い構成は白赤としては危険だ。
こういった観点から、破壊不能のみを活かす構成を選択。
大量破壊呪文からのプレインズウォーカーやエンチャントでトークンを生成し、
大量破壊から復活しきっていないプレイヤーを倒していくほうが、
単純なダメージ効率とアドバンテージが安定しやすい。
大量破壊呪文でもジェネラルは残るし、
運が良ければ大隊も狙える。
そのうえで「ジェネラルダメージ狙えたらいいな」くらいに思うのが良い。
なお、なるべく《軍勢の刃、タージク》を活かしたいという構成のため、
瞬殺コンボは全て抜いている。
が、とてもこれが厳しい。
そもそもジェネラルダメージ21点が狙いにくい。
《軍勢の刃、タージク》が大隊に成功して、
さらにそれを3ターン維持してやっと1人倒せる。
対戦相手が3人いるなら最低でも9ターンだ。
《軍勢の刃、タージク》と小粒戦隊を大量に並べて、
《連続突撃》系カードで攻め立てる方針でも戦線維持が難しい。
と、ここまでウンチクを垂れ流しては見たものの、
確かに大量破壊呪文を撃ち、
タージク大先生で殴る戦略はどうにかこうにか戦えるのだが、
やはりどうしても火力不足に悩まされ、
勝ち切る事がとても難しかった。
最終的にCardshop Serraのスタッフの間では、
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》
《鋼打ちの贈り物/Steelshaper’s Gift》
《鋼打ちの弟子/Steelshaper Apprentice》
《石切りの巨人/Stonehewer Giant》
《ギャンブル/Gamble》
などの装備品を探すカードを全投入し、
《世界薙ぎの剣/Worldslayer》
(デッキに入れる装備品はこれ1枚のみ。)
をタージク大先生につけて殴るロマンが一番面白いんじゃないか?
という案でまとまった。
デッキのスロットが許せば、
《希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hope》
《ボロスの魔除け/Boros Charm》
《第二の日の出/Second Sunrise》
《信仰の見返り/Faith’s Reward》
のなども採用しておきたいところだが、
これらのカードも含めてデッキがロマン以外の何ものでもない。
もし貴方がこの《軍勢の刃、タージク》デッキを使い、
対戦相手が
《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
《結界師ズアー/Zur the Enchanter》
《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》
の3人だったら、
ゲーム開始時に
「ずっとエンドしか言わないので、
手札オーバーしたら、
ドローステップに引いたカードを捨てて下さい。」
と言ってから、
携帯ゲーム機の電源を入れるといいだろう。
ではまた。