2006世界選手権参戦記-3日目
世界選手権参戦記-3日目。
ここで書くことは大会レポートではない。
世界選手権のヘッドジャッジに対する私の怒りである。
3回戦目のこと。
対戦相手との言語の違いにより、
コミュニケーションがうまくとれず、試合中にもめた。
最初に日本語も通じるジャッジを呼び、
判断をあおいだ。
このジャッジの判断は非常に公平なもので、
「双方のコミュニケーション不足が原因とする。
よって状況の巻き戻しを行う事が最良の選択と判断する。」
というものであった。
しかし、この裁定が下ると対戦相手は敗北が見えている。
この裁定をよしとせず、ヘッドジャッジに上告。
ここで、ヘッドジャッジは何故か相手の言い分しか聞かず、
こちらの言い分を全く聞こうとしない。
何か言おうとしたら、
「黙れ、話を聞け」
と言う態度。
2度この態度をとられたのちに、
相手にだけ都合の良い裁定に変更される。
こちらの言い分を言おうと必死になるが、
「試合を続けろ。」
と強制的に変えられた状況の中試合をさせられた。
言うまでもない、自分は負けである。
しかもこのヘッドジャッジは勝手に私のカードを触り、
ゲームを強制的に進行させたのである。
試合終了後、最初に裁定を下した日本語の通じるジャッジに、
「あのあとこうなった。」
と事の顛末を説明をしたところ、
「それはおかしい!」
とヘッドジャッジにその旨を伝えに行ったが、
このヘッドジャッジはあろう事か、
「言いたい事をあの場で言わなかったあの日本人が悪い。」
とのたまったのだ。
言いたい事を言わせなかったヘッドジャッジがこれを言ったのだ。
自分は愕然とした気分で4回戦目を行う事を余儀なくされ、
(試合が終わってスコアシートは提出済みなのでドロップは出来ない)
捨てるように試合を終わらせ、世界選手権を途中棄権した。
この世界選手権では各国の人間が集まる。
国の数にして50以上、母国言語の数でおそらく20を超える。
英語の出来ない人、苦手な人、
英語しか出来ない人など、数多くいる。
だからこそのジャッジでもある。
状況における判断だけでなく、
言語の壁による問題を解決するためにもジャッジがいるのだ。
さらには、
「ジャッジは言葉によるコミュニケーションが困難と判断した場合、
その言語の通じるジャッジを呼び、それを解決すること。」
というものが一つの決まり事であったと聞いた。
そのリーダーであるヘッドジャッジが
片方の意見のみを聞いて判断を下す「ミスジャッジ」を犯した挙句、
「言いたい事を言わない奴が悪い」
とは何事か。
自分の立場を理解してものを言う人間の言葉ではない。
プレイヤーとは立場の弱い存在である。
ヘッドジャッジには逆らえないのである。
ヘッドジャッジに逆らったところで、
こちらが不利になる事しかないと多くのプレイヤーが認識している。
このヘッドジャッジは自分の権力をかさに、
弱者を叩き潰した事と何も変わらない。
これから世界選手権に多くの日本人プレイヤーがデビューすることだろう。
その人たちもどうか気をつけてほしい。
コミュニケーションの難しさは色々なところにある。
基本的にはお互いに言語が共通しない事ばかりのため、
どのプレイヤーもお互いの意志の疎通を計るために紳士的だが、
それもトラブル一つで邪な一面を見る事もある。
世界選手権と名をうっているだけあり、
名誉もお金もかかっているのは事実だ。
私はそのどちらにもあまり興味が無いが、
これは人が変わるには十分過ぎる要素なのだ。
結局、その外国人プレイヤーが勝つために自己の主張のみをしたのが悪いのか、
ヘッドジャッジのミスがいけないのか、
それとも英語の下手な私が悪かったのか。
どれが正答にしても、もはや何かが変わるものではない。
試合は終わってしまった。
覆水盆に返らず、である。
私はこんな場所で文章を書く事でしか反論が出来ないが、
少なくともこのヘッドジャッジを許さない。
2006年の世界選手権のヘッドジャッジの名前もわからない。
が、自分を強制的に敗北に貶めた男を許す事は出来ない。
追記で、
私を応援してくれたお客様、友人達には本当に申し訳ない。
自身もこんなかたちで世界選手権を途中棄権するとは思ってもみなかった。
大会の前後にメールをくださった方、
そして、この世界選手権の旅費捻出のために商品を買ってくださった多くのお客様、
店主としても一個人としても本当に感謝しております。
ではまた。