EDHデッキ紹介その38(Kozilek, Butcher of Truth/真実の解体者、コジレック)
記事作成日:2013/09/05 執筆:加藤英宝
今回のEDH紹介は茶単(無色単)。
このデッキはSerraの友人のデッキ。
Kozilek, Butcher of Truth / 真実の解体者、コジレック
コスト:10
伝説のクリーチャー エルドラージ(Eldrazi)
あなたが真実の解体者、コジレックを唱えたとき、カードを4枚引く。
滅殺4
(このクリーチャーが攻撃するたび、防御プレイヤーはパーマネントを4つ生け贄に捧げる。)
真実の解体者、コジレックがいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれたとき、
オーナーは自分の墓地を自分のライブラリーに加えて切り直す。
12/12
神話レア
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説明不要とも思われるエルドラージのバケモノ。
元祖巨像である《サルディアの巨像/Colossus of Sardia》と比べると、
(別にこれと比べなければならない理由もないのだが)
桁違いの強さを誇る。
サルディは9マナで9/9トランプル。
そしてあとはデメリットのみでアンタップ・ステップにアンタップ出来ず、
アップキープに9マナ払うとアンタップ出来る。
コストが9、
パワーが9、
タフネスが9、
コストが9、
そしてゴハン(9マナ)をもらえないと寝たままで起きる気がない。
わかりやすく言って
9を並べただけのデブである。
一方コジレック大先生は、
10マナで12/12とパワーもタフネスもコストが1つ変わるだけで、
《巨大化/Giant Growth》一発分も増えている。
そして、能力もメリットだらけ。
滅殺4だけでも強いのに、
プレイした途端にカードを4枚引ける。
このカードを4枚引ける部分は、”プレイした時”なので、
コジレックそのものをカウンター呪文で打ち消されても、
カードを4枚引く事が出来るという点もとても大きい。
そして、墓地に行っても墓地のカードごとライブラリーに帰るという、
これまた便利な能力も持っている。
これのおかげでEDHのライブラリーアウトデッキが絶望的になった。
過去の時代に比べて、クリーチャーはとても強化されたとはいえ、
これほど強い生物は珍しいと言えるだろう。
(同じセットに同類のバケモノが2匹いるうえに、片方はEDH禁止だが。)
どこかのダークスティール製の11マナの奴が裸足で逃げ出す強さである。
デッキは以下。
ジェネラル:《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》
クリーチャー15枚
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
《陰極器/Cathodion》
《ガラクタ潜り/Junk Diver》
《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》
《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》
《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere》
《マイアの回収者/Myr Retriever》
《パラジウムのマイア/Palladium Myr》
《先駆のゴーレム/Precursor Golem》
《蜃気楼のマイア/Shimmer Myr》
《鋼のヘルカイト/Steel Hellkite》
《Su-Chi》
《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》
《通電式構成物/Voltaic Construct》
ソーサリー1枚
《全ては塵/All Is Dust》
アーティファクト47枚
《アシュノッドの供犠台/Ashnod’s Altar》
《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
《爆破基地/Blasting Station》
《前兆の時計/Clock of Omens》
《雲の鍵/Cloud Key》
《連合の秘宝/Coalition Relic》
《倍化の立方体/Doubling Cube》
《夢石の面晶体/Dreamstone Hedron》
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《探検の地図/Expedition Map》
《友なる石/Fellwar Stone》
《砕けたパワーストーン/Fractured Powerstone》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《覚醒の兜/Helm of Awakening》
《Jeweled Amulet》
《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》
《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
《Mana Crypt》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《記憶の壺/Memory Jar》
《精神石/Mind Stone》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《三つの願いの指輪/Ring of Three Wishes》
《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》
《彫り込み鋼/Sculpting Steel》
《類似の金床/Semblance Anvil》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《シッセイの指輪/Sisay’s Ring》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《イシュ・サーの背骨/Spine of Ish Sah》
《ストリオン共鳴体/Strionic Resonator》
《からみつく鉄線/Tangle Wire》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《交易所/Trading Post》
《巻き戻しの時計/Unwinding Clock》
《ウル=ゴーレムの目/Ur-Golem’s Eye》
《通電式キー/Voltaic Key》
《冬の宝珠/Winter Orb》
《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》
《胆液の水源/Ichor Wellspring》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle》
《頭蓋骨絞め/Skullclamp》
《速足のブーツ/Swiftfoot Boots》
プレインズウォーカー1枚
《解放された者、カーン/Karn Liberated》
土地35枚
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《枯渇地帯/Blasted Landscape》
《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》
《ちらつき蛾の井戸/Blinkmoth Well》
《埋没した廃墟/Buried Ruin》
《魂の洞窟/Cavern of Souls》
《裏切り者の都/City of Traitors》
《水晶鉱脈/Crystal Vein》
《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
《さびれた寺院/Deserted Temple》
《戦慄の彫像/Dread Statuary》
《黄塵地帯/Dust Bowl》
《エルドラージの寺院/Eldrazi Temple》
《ウギンの目/Eye of Ugin》
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
《幽霊街/Ghost Quarter》
《山賊の頭の間/Hall of the Bandit Lord》
《高級市場/High Market》
《家路/Homeward Path》
《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》
《海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea》
《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
《Mishra’s Workshop》
《変わり谷/Mutavault》
《惑いの迷路/Mystifying Maze》
《石化した原野/Petrified Field》
《ファイレクシアの核/Phyrexia’s Core》
《ラースの果て/Rath’s Edge》
《焦土/Scorched Ruins》
《露天鉱床/Strip Mine》
《地盤の際/Tectonic Edge》
《市長の塔/Tower of the Magistrate》
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
《不毛の大地/Wasteland》
《演劇の舞台/Thespian’s Stage》
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当たり前と言えば当たり前だが、
インスタントは0枚。
無色のインスタントと言えば、
一応《この世界にあらず/Not of This World》がある。
以前は採用していたものの、抜いたようだ。
EDHのようにカードプールが広いと、
茶単でも無限コンボがいくつも搭載可能になる。
このデッキでは、
《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》
《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
という無限マナコンボ以外に、
《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle》
+
《アシュノッドの供犠台/Ashnod’s Altar》
または
《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》
+
《Su-Chi》
《陰極器/Cathodion》
《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere》
のいずれか
3枚コンボで無限マナが決まる。
後者の無限マナを《アシュノッドの供犠台/Ashnod’s Altar》で決めた場合、
クリーチャーを生け贄に捧げる手段を兼ねているので、
コジレックをプレイして4枚引いて、
コジレックを生け贄に捧げ、
という手順で、何度もコジレックをプレイしなおす事が出来るので、
ライブラリーをほぼ全て引く事も出来る。
(4枚ずつ引くので最後はピッタリ0か1~3枚残るところで止めないと自分が死んでしまう。)
コンボを《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere》で決めた場合のみ、
マイアの無限トークンも出る。
コンボを《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》で決めた場合に、
《イシュ・サーの背骨/Spine of Ish Sah》があれば、
対戦相手の全てのパーマネントを破壊出来る。
というより、
この無限マナコンボが成立した時に、
場かジェネラル領域にコジレックがいれば、
ライブラリーをほぼ引き切る事が出来るので、
上記の条件はほとんどが成立する。
上記の条件を満たす方法として、
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》と、
それ以外の適当なアーティファクト6個+4マナで成立する。
手順は以下。
適当な6個のアーティファクトをそれぞれA・B・C・D・E・Fとする。
1.《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》の能力を起動。
コストとしてA・B・Cを生け贄に捧げる。
ライブラリーから《前兆の時計/Clock of Omens》を出す。
2.《前兆の時計/Clock of Omens》の能力を起動。
コストとしてD・Eをタップし、
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》をアンタップする。
3.《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》の能力を起動。
コストとしてD・E・Fを生け贄に捧げる。
ライブラリーから《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere》を出す。
《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere》の能力によりトークンが4体出る。
4.《前兆の時計/Clock of Omens》の能力を起動。
コストとしてトークン2体をタップし、
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》をアンタップする。
5.《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》の能力を起動。
コストとしてトークン3体を生け贄に捧げる。
ライブラリーから《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle》を出す。
6.《前兆の時計/Clock of Omens》の能力を起動。コストとしてトークン1体とマイアの戦闘球をタップし、
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》をアンタップする。
7.《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》の能力を起動。
コストとしてトークン1体、《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere》、
《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》(または《前兆の時計/Clock of Omens》)を生け贄に捧げる。
解決前に《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle》の誘発型能力がスタックに乗るので、
4マナを支払い、《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere》を戦場に戻す。
《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle》の能力によりトークンが4体出る。
その後《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》の能力を解決。
ライブラリーから《アシュノッドの供犠台/Ashnod’s Altar》を出す。
また、
《マイアの回収者/Myr Retriever》
《ガラクタ潜り/Junk Diver》
+
《類似の金床/Semblance Anvil》
または
《覚醒の兜/Helm of Awakening》
または
《雲の鍵/Cloud Key》
+
《アシュノッドの供犠台/Ashnod’s Altar》
または
《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》
でも無限マナ。
こちらも
《アシュノッドの供犠台/Ashnod’s Altar》でコンボ成立した場合は、
コジレックで引き放題。
この無限マナや上記の《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle》を使う無限マナの場合、
《爆破基地/Blasting Station》があれば無限ダメージも成立する。
《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》で無限マナを決めた場合も、
《爆破基地/Blasting Station》があればコジレックで引き放題。
他にも無限マナだけならば、
《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》
《通電式構成物/Voltaic Construct》
+
3マナ以上出るアーティファクト。
このデッキの場合は、
《魔力の櫃/Mana Vault》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
《夢石の面晶体/Dreamstone Hedron》
などがある。
あとは条件が厳しいが、
《倍化の立方体/Doubling Cube》
でも成立可能。
この場合の条件は、
《倍化の立方体/Doubling Cube》がカーンの能力でクリーチャー化している前提で、
9マナがある事。
3マナで《倍化の立方体/Doubling Cube》を起動、
6マナが12マナになる。
2マナで《通電式構成物/Voltaic Construct》起動、
《倍化の立方体/Doubling Cube》をアンタップ。
残り10マナ、以下繰り返しで無限マナ。
その他にも
《焦土/Scorched Ruins》
+
《さびれた寺院/Deserted Temple》
+
《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》
という無限マナや、
《通電式構成物/Voltaic Construct》
+
《前兆の時計/Clock of Omens》
+
なんでもいいのでアーティファクト・クリーチャー1体
+
5マナ以上出るアーティファクト
(《倍化の立方体/Doubling Cube》
または多重キッカー5以上の《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》)
でも無限マナが成立。
デッキの大半がマナを生み出す方法になっている構成で、
《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
《鋼のヘルカイト/Steel Hellkite》
《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere》
の4枚とジェネラルぐらいしか攻撃力がない。
しかし、
一度動き出すと非常に爆発力があるデッキで、
へたなデッキでは敵わないくらいの強さがある。
弱点は言うまでもなく、
《汚損破/Vandalblast》(超過の時)
《無垢への回帰/Seeds of Innocence》
《粉砕の嵐/Shatterstorm》
《忍び寄る腐食/Creeping Corrosion》
《質素な命令/Austere Command》
などのアーティファクト全破壊呪文。
コジレックがいかにドローエンジンを搭載しているカードであろうとも、
やはり全破壊されると、パーマネントを相当な数壊されてしまうので、
高確率で不利になる。
そして対処方法は無し。
対処方法をあえて言うなら
「やられる前にやれ」
という、完全に前のめりのデッキである。
構成や戦略は違えど、
緑単のエルフのような考え方と言っていい。
アーティファクト全破壊ではないが、
沈黙のオーラ/Aura of Silence
盲従/Blind Obedience
の2枚も張られると相当なスピードダウンになる。
この茶単(無色単)は、
EDHという遊び方が確立された初期の頃には、
無色のランドも多くなく、
初期の頃は滅多なことで揃う事もない、
《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
《ウルザの塔/Urza’s Tower》
が採用されていた。
少なくとも自分が見てきた限りでは、
この3種が揃っている光景を見る事は無かった。
ジェネラル候補も《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Golem》しか無かったが、
ジェネラル候補も土地も増え、
全てのカードが無色でも戦えるデッキが作れる状態にまでなった。
今後もアーティファクトや無色のランドが増える事によって、
このデッキも多彩な変化をしてくれる事だろう。
普段は多くの人が”色のついたカード”でマジックをプレイしているはず。
たまには一切色の無いカードたちだけで戦うのはいかがだろう?
ではまた。