EDHデッキ紹介その37(Shadowborn Apostle/影生まれの使徒)
記事作成日:2013/08/20 執筆:加藤英宝
こらむのお題のカッコ内がジェネラル名でないのは、
カードの効果を見ればおわかりいただけるはず。
《影生まれの使徒/Shadowborn Apostle》
コスト:黒
クリーチャー 人間(Human)・クレリック(Cleric)
1つのデッキに《影生まれの使徒/Shadowborn Apostle》という名前のカードを望む枚数だけいれることができる。
(黒),《影生まれの使徒/Shadowborn Apostle》という名前のクリーチャーを6体生け贄に捧げる:
あなたのライブラリーからデーモン(Demon)・クリーチャー・カードを1枚探し、それを戦場に出す。
その後あなたのライブラリーを切り直す。
1/1
コモン
—————————–
Magic2014で出た《執拗なネズミ/Relentless Rats》に続く、
黒の4枚制限のルール無視カード。
言うまでもなく、
Cardshop Serraの店主はこういうカードが大好きである。
執拗なネズミといい、
こういう変なカードは使わないと気が済まない。
しかも今回のやつは1マナ。
能力もなんだか面白い。
6体生け贄からデーモンをライブラリーから一発で出せる。
6体という数字が厄介だが、
デーモンの種類もそこそこあるので、
使い道はありそうだ。
ただ、デーモンというか黒の特徴というべきなのか、
天使に比べて明らかに質が劣る。
デーモンの半分くらいはクセが強すぎて使えない。
アップキープにいらん事を要求する奴等がとても多い。
Wizards of the Coastさん、もうちょっとバランス考えて下さい。
明らかにデーモンが不遇の扱い受けてます。
とりあえず、
50 《影生まれの使徒/Shadowborn Apostle》
10 《沼/Swamp》
というデッキを組みたくなるものの、
能力がデーモンをサーチ&インプレイなので、
この構成では味気ない。
45 《影生まれの使徒/Shadowborn Apostle》
4 《死の門の悪魔/Demon of Death’s Gate》
1 《虚無の王/Lord of the Void》
10 《沼/Swamp》
というデッキがかなり熱い。
死の門の悪魔は、
《死の門の悪魔/Demon of Death’s Gate》
コスト:6黒黒黒
クリーチャー デーモン(Demon)
あなたは死の門の悪魔のマナ・コストを支払うのではなく、
6点のライフを支払うとともに黒のクリーチャーを3体生け贄に捧げてもよい。
飛行、トランプル
9/9
という能力。
手札に死の門の悪魔さえあれば、
6ライフ払わなくてはならないが、
2ターン目に降臨する。
勝てるかどうかは別として。
何よりも手札に来ても無理やりプレイ出来る点が面白い。
虚無の王は引いてしまったら諦めよう。
とはいえ、
デーモンをいくつか搭載しても、
結局のところレガシーやモダンなどで勝ち上がれるデッキにするには厳しい。
上記の死の門の悪魔の能力での特殊召喚ならば話は別だが、
この影生まれの使徒は起動に黒1マナかかるため、
実際にデーモンをライブラリーから呼び出すには時間がかかる。
例えば、自分が先攻として、
1ターン目:沼セット、使徒1体プレイ(手札5枚)
2ターン目:沼セット、使徒2体プレイ(合計3体、手札3枚)
3ターン目:沼セット、使徒3体プレイ(合計6体、手札0枚)
と動いたとしても、黒マナが足りないため、
結局動けるのは4ターン目。
呼び出したデーモンが殴れるのは5ターン目だ。
殴れればまだ救いがあるだろうが、
これを除去されてしまえば絶望的だ。
使徒6体並べ直す間に負けてしまう。
ドロー加速も無いので手札を使い切ったら復活手段が無いのも厳しい。
とてもではないが勝ちに行けるようなデッキではない。
となれば、
必然、このカードの戦場はEDHという事になるだろう。
早速構築。
ジェネラルはこの御方。
《隻眼の将軍 夏侯惇/Xiahou Dun, the One-Eyed》
コスト:2黒黒
伝説のクリーチャー 人間(Human)・兵士(Soldier)
馬術(このクリーチャーは、馬術を持たないクリーチャーによってはブロックされない。)
隻眼の将軍 夏侯惇を生け贄に捧げる:あなたの墓地にある黒のカード1枚を対象とし、
それをあなたの手札に戻す。
この能力は、あなたのターンの間で、
攻撃クリーチャーが指定される前にのみプレイできる。
3/2
レア
能力の起動タイミングが限られているものの、
他のカードで一切代用のきかない能力の持ち主。
デッキは以下。
ジェネラル:《隻眼の将軍 夏侯惇/Xiahou Dun, the One-Eyed》
クリーチャー48枚(デーモン6枚)
42 《影生まれの使徒/Shadowborn Apostle》
《血の贈与の悪魔/Bloodgift Demon》
《魂の収穫者/Harvester of Souls》
《虚無の王/Lord of the Void》
《ルーン傷の悪魔/Rune-Scarred Demon》
《死の門の悪魔/Demon of Death’s Gate》
《黒死病の悪魔/Pestilence Demon》
インスタント2枚
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
ソーサリー7枚
《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
《夜の囁き/Night’s Whisper》
《血の署名/Sign in Blood》
《黄昏の呼び声/Twilight’s Call》
《総帥の召集/Patriarch’s Bidding》
《生ける屍/Living Death》
《瀉血/Exsanguinate》
エンチャント2枚
《ネクロポーテンス/Necropotence》
《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》
アーティファクト7枚
《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Alter》
《頭蓋骨絞め/Skullclamp》
《金属モックス/Chrome Mox》
《Mana Crypt》
《織端の石/Thrumming Stone》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《太陽の指輪/Sol Ring》
土地33枚
《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》
《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》
29 《沼/Swamp》
————————–
最初に影生まれの使徒を見た時からこんなデッキを考えていた。
ジェネラルは《汚らわしき者バルソー/Balthor the Defiled》も捨てがたい。
生け贄に捧げた影生まれの使徒が全員戻ってくるのが大きい。
ただし、4マナ+起動3マナなので、ちょっと重たい。
バルソーとどちらにするか考えた末に、
夏侯惇をジェネラルにしておくと無限コンボが決められるため、
夏侯惇を選択。
夏侯惇での無限は下記で決まる。
影生まれの使徒6体以上
ルーン傷の悪魔
この2種が墓地か場にいること。
これに加え、
ファイレクシアの供犠台
が必須。
それから、
生ける屍、黄昏の呼び声のどちらか。
手順は下記。
1:ファイレクシアの供犠台で全部生け贄に捧げてマナを出す。
2:次に生ける屍か黄昏の呼び声を撃つ。
3:全員場に戻り、ルーン傷の悪魔で好きなカードをサーチ。
4:夏侯惇をプレイする。
5:夏侯惇、自身の能力で生け贄に捧げ、生ける屍か黄昏の呼び声を回収。
6:夏侯惇はジェネラル領域には置かず、墓地に置いたまま。
7:1の手順から繰り返し。
(夏侯惇は墓地にいるので、手順2の時に場に戻るため、4は不要)
この手順で影生まれの使徒が6体の場合、
ファイレクシアの供犠台でマナを出す時に、
使徒6体+ルーン傷の悪魔で7マナが出せる。
生ける屍は5マナ、
黄昏の呼び声は6マナなので、
1マナor2マナずつ余っていき、
繰り返しで無限マナ。
ルーン傷の悪魔のおかげでライブラリーの中から、
好きなカードを手に入れ放題になるので、
最後に瀉血を持ってきて全員倒して終了。
また、総帥の召集でもほぼ同様の事が可能。
総帥の召集でクリーチャータイプ指定時に、
「人間」と指定すれば使徒と夏侯惇は場に戻るので、
無限マナが出せる。
無限マナを出すだけ出してから、
使徒の能力でルーン傷の悪魔を持ってきて、
(ルーン傷の悪魔が墓地の場合は総帥の召集でデーモンを指定し、
この場合のみ夏侯惇をジェネラル領域に置くほうが安全。)
ルーン傷の悪魔の能力から瀉血でゲームエンド。
面倒なのは、対戦相手の墓地に
「場に出たとき、対象のアーティファクト1つを破壊。」
と書いてあるクリーチャーがいた場合。
ファイレクシアの供犠台が破壊されてしまうため、
無限コンボが決まらない。
(生ける屍の場合は場にいてもダメ。)
この場合はデッキに1枚だけ搭載されているボジューカの沼で対処しよう。
複数の墓地にいる場合は諦めよう(笑)
どうしてもコンボを決めたい人は墓地を消す手段を複数デッキに入れるしかない。
さらに、ファイレクシアの供犠台は一度でも破壊されてしまうと、
二度と手札に戻す方法が無い。
《隠された知識/Shrouded Lore》
《ヨーグモスの意思/Yawgmoth’s Will》
《妖術師のガラクタ/Conjurer’s Bauble》
などを使うなら戻せなくはない。
あとは多色にして墓地から回収するという方法もあるが、
夏侯惇がジェネラルではなくなってしまうので、
コンボが成立する確率は減る。
多色にする場合は、
《残虐の達人/Master of Cruelties》
《束縛の皇子/Prince of Thralls》
《静刃の鬼/Silent-Blade Oni》
《暴動の長、ラクドス/Rakdos, Lord of Riots》
《狂気の種父/Sire of Insanity》
《魂の汚染者/Defiler of Souls》
などの面白い多色デーモンがいるので、
これはこれでとても面白い。
意味もなくジェネラルをデーモンにしたい人は、
《沼地の王ソルカナー/Sol’kanar the Swamp King》
がある。
また、成立する確率は全然高くないのだが、
オススメのカードが1枚ある。
《死闘/Mortal Combat》
というカードだ。
《死闘/Mortal Combat》
コスト:2黒黒
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、
あなたの墓地に20枚以上のクリーチャー・カードがある場合、
あなたはこのゲームに勝利する。
レア
というトーメントのレア。
ロマン以外なにものでもないカード。
このカードをデザインした奴は、
どうしてこんなに条件を難しくしたのか。
60枚デッキでこの勝利条件が成立する事なんてまずありえない。
EDHでこれを先置きした場合、
クリーチャーカードが墓地に15枚くらいになると、
途端に全員から殴られる事になる事が容易に想像出来る事からも、
このカードで勝利する事は難しい。
20枚が墓地に落ちてから置いた場合でも、
楽に勝たせてもらえるとは限らない。
だが、間違って生き残れた場合は面白いので、
このデッキをもし作ってみようという方は、
このロマンカードを是非一度試していただきたい。
なお、自分はこのカードを最初にデッキに入れていたが、
一度も決まる事は無かった。
ではまた。