EDHデッキ紹介その120(Muldrotha, the Gravetide/墓場波、ムルドローサ)
記事作成日:2018/10/22 執筆:加藤英宝
平素より当店のこらむをご愛読いただきありがとうございます。
現在、店主多忙につき、『店主の非日常2』の執筆が停滞しております。
そのため、店主が書き溜めていた別こらむを掲載いたします。
続きを楽しみにしてくださっている読者の皆様、大変申し訳ございません。
これからも当店のこらむをよろしくお願いいたします。
スタッフ一同
———————
今回のEDHデッキ紹介は《墓場波、ムルドローサ/Muldrotha, the Gravetide》。
ドミナリアで大量に登場した伝説のうちの1体。
《墓場波、ムルドローサ/Muldrotha, the Gravetide》
コスト:3黒緑青
伝説のクリーチャー エレメンタル(Elemental) アバター(Avatar)
あなたの各ターンの間、
あなたはあなたの墓地から各パーマネント・タイプのパーマネント・カードをそれぞれ最大1枚プレイしてもよい。
(カード1枚が複数のパーマネント・タイプを持っているなら、それをプレイするに際し、1つを選ぶ。)
6/6
神話レア
墓地のパーマネントカードをプレイできるようになり、
多大なアドバンテージを稼ぐことができる。
能力の都合上、
生け贄などで自分から墓地に置くことができるパーマネントと相性が良い。
代表的なものは以下。
・フェッチランド
・想起持ちクリーチャー
・エンチャントの印章シリーズ
デッキは以下。
ジェネラル:《墓場波、ムルドローサ/Muldrotha, the Gravetide》
-クリーチャー32枚-
《歩行バリスタ/Walking Ballista》
《極楽鳥/Birds of Paradise》
《東屋のエルフ/Arbor Elf》
《深き闇のエルフ/Elves of Deep Shadow》
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
《Fyndhorn Elves》
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
《花を手入れする者/Bloom Tender》
《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《幻影の像/Phantasmal Image》
《根の壁/Wall of Roots》
《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
《永遠の災い魔/Eternal Scourge》
《再利用の賢者/Reclamation Sage》
《Elvish Spirit Guide》
《永遠の証人/Eternal Witness》
《粗石の魔道士/Trinket Mage》
《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》
《疫病造り師/Plaguecrafter》
《呪文探求者/Spellseeker》
《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
《這い耽り/Slithermuse》
《霧虚ろのグリフィン/Misthollow Griffin》
《流浪のドレイク/Peregrine Drake》
《熟考漂い/Mulldrifter》
《叫び大口/Shriekmaw》
《アンデッドの大臣、シディシ/Sidisi, Undead Vizier》
《進歩の災い/Bane of Progress》
《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》
《ルーン傷の悪魔/Rune-Scarred Demon》
《穢れた血、ラザケシュ/Razaketh, the Foulblooded》
-インスタント8枚-
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
《納墓/Entomb》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《自然の要求/Nature’s Claim》
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
《俗世の教示者/Worldly Tutor》
《霊廟の秘密/Mausoleum Secrets》
《直観/Intuition》
-ソーサリー7枚-
《伝国の玉璽/Imperial Seal》
《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
《悪魔の意図/Diabolic Intent》
《異界の進化/Eldritch Evolution》
《加工/Fabricate》
《毒の濁流/Toxic Deluge》
《意外な授かり物/Windfall》
-エンチャント11枚-
《Mystic Remora》
《退去の印章/Seal of Removal》
《楽園の拡散/Utopia Sprawl》
《繁茂/Wild Growth》
《原基の印章/Seal of Primordium》
《適者生存/Survival of the Fittest》
《森の知恵/Sylvan Library》
《動く死体/Animate Dead》
《Dance of the Dead》
《食物連鎖/Food Chain》
《ネクロマンシー/Necromancy》
-アーティファクト9枚-
《金属モックス/Chrome Mox》
《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《出産の殻/Birthing Pod》
-土地32枚-
《Bayou》
《Tropical Island》
《Underground Sea》
《繁殖池/Breeding Pool》
《草むした墓/Overgrown Tomb》
《湿った墓/Watery Grave》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《魂の洞窟/Cavern of Souls》
《真鍮の都/City of Brass》
《統率の塔/Command Tower》
《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》
《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
《マナの合流点/Mana Confluence》
《変遷の泉/Morphic Pool》
《地底の大河/Underground River》
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
2《島/Island》
2《沼/Swamp》
3《森/Forest》
————————
このデッキのキーカードは《ライオンの瞳のダイアモンド》。
《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
コスト:0
アーティファクト
あなたの手札を捨てる,ライオンの瞳のダイアモンドを生け贄に捧げる:
好きな色1色のマナ3点を加える。
この能力は、あなたがインスタントを唱えられるときにのみ起動できる。
レア
《加工》や《粗石の魔道士》は、
大抵《ライオンの瞳のダイアモンド》をサーチする。
ジェネラルが出ている状況であれば、
《ライオンの瞳のダイアモンド》は毎ターン使える《Black Lotus》のようなもの。
あらかじめ戦場に出しておけば、
起動→墓地からプレイ→起動
で、一気に6マナ出すこともできる。
もちろん、ジェネラルを早期召喚することにも使えるし、
その場合も墓地からすぐにプレイしなおすことができる。
上記のような爆発力のある使い方ができるほか、
無限コンボのキーパーツにもなっている。
《墓場波、ムルドローサ》
《狙い澄ましの航海士》(ムルドローサと結魂している)
《ライオンの瞳のダイアモンド》
が揃うと、
1.《ライオンの瞳のダイアモンド》が墓地にあるならプレイする。
2.《ライオンの瞳のダイアモンド》で青3マナを得る。
3.結魂により《墓場波、ムルドローサ》が得ているブリンク能力を1青で起動。
4.改めて《墓場波、ムルドローサ》が戦場に出るので、《狙い澄ましの航海士》と結魂する。
5.4項で《墓場波、ムルドローサ》が改めて戦場に出たので、
「各タイプのパーマネントを1ターンに1回プレイできる」の能力がリセットされている。
墓地の《ライオンの瞳のダイアモンド》をプレイ。
6.項2に戻る。
上記の手順を繰り返すと、
1回のループごとに青マナ1つが余っていく。
これで青の無限マナを得たら、
《ライオンの瞳のダイアモンド》で青以外のマナを生み出しながらループすることで、
5色無限マナ。
または、
《墓場波、ムルドローサ》
《幻影の像》《ファイレクシアの変形者》のいずれか
《動く死体》《Dance of the Dead》《ネクロマンシー》のうち2枚
《ライオンの瞳のダイアモンド》
でも無限マナが可能。
こちらは手順が少々ややこしい。
1.手札または墓地から《ライオンの瞳のダイアモンド》をプレイする。
2.《ライオンの瞳のダイアモンド》で黒3マナを得る。
3.墓地の《動く死体》か《Dance of the Dead》をプレイする。
戦場に戻すのは《幻影の像》《ファイレクシアの変形者》のいずれか。
4.項3で戦場に戻したクリーチャーは《墓場波、ムルドローサ》のコピーとする。
レジェンドルールに抵触するので、
オリジナルの《墓場波、ムルドローサ》を墓地に置く。
5.《墓場波、ムルドローサ》が改めて戦場に出たので、
「各タイプのパーマネントを1ターンに1回プレイできる」の能力がリセットされている。
墓地の《ライオンの瞳のダイアモンド》をプレイ。
6.《ライオンの瞳のダイアモンド》で黒3マナを得る。
7.《動く死体》《Dance of the Dead》《ネクロマンシー》のうち、墓地にあるカードをプレイする。
戦場に戻すのはオリジナルの《墓場波、ムルドローサ》。
8.レジェンドルールに抵触するので、
今度はコピーの《墓場波、ムルドローサ》を墓地に置く。
9.項1に戻る。
《動く死体》系のエンチャントを2回プレイするのに必要なマナは最大で5マナ、
《ライオンの瞳のダイアモンド》を2回起動して得られるのは6マナ。
差し引き1マナが余るので、黒無限マナが成立。
その後、無限の黒マナから上記手順を繰り返し、
《ライオンの瞳のダイアモンド》から他の色のマナを出せば5色無限マナ。
コンボに必要な枚数は多いが、
その多くが単体でも強い点は評価できる。
無限マナが成立した後は、
あらゆるパーマネントカードを墓地からいくらでもプレイできる。
1つ目のコンボの場合は《狙い澄ましの航海士》の結魂能力も使い放題になる。
こうなったら、
《粗石の魔道士》で《師範の占い独楽》をサーチしてプレイ、
《師範の占い独楽》のタップ能力を起動してドロー、
《粗石の魔道士》を結魂でブリンクして、ライブラリートップの《師範の占い独楽》をサーチ。
という手順で無限ドロー。
《アンデッドの大臣、シディシ》で無限サーチ。
などが可能。
戦場や墓地にあるカードで状況に応じて無限マナを活用する。
最終的には《歩行バリスタ》でフィニッシュ。
また他にも、
《狙い澄ましの航海士》+《流浪のドレイク》による無限マナ
《食物連鎖》+《霧虚ろのグリフィン》または《永遠の災い魔》によるクリーチャー限定の無限マナ
を搭載している。
《食物連鎖》は即座に破壊されるほどに危険視されるカードだが、
破壊されても《墓場波、ムルドローサ》の能力で墓地から再度プレイできるため、
このデッキでは比較的狙いやすいコンボ。
なお、《食物連鎖》で無限マナを得た場合、
《墓場波、ムルドローサ》を任意の回数追放、及び再プレイができるようになるため、
墓地のパーマネント・カードを唱え放題になるという点は《ライオンの瞳のダイアモンド》のコンボと同じ。
(《食物連鎖》のマナはクリーチャー呪文を唱えるためにしか使用できない点は注意。)
無限コンボを狙わなくとも、
毎ターン《肉袋の匪賊》や《疫病造り師》でクリーチャー除去を続けたり、
《原基の印章》でエンチャントやアーティファクトを破壊し続けるなど、
コントロールに寄せた戦い方もできる。
このデッキの弱点は言うまでもなく墓地対策カード。
《安らかなる眠り/Rest in Peace》や《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》など、
ジェネラルの存在意義を否定してくるカードは多い。
どうにかしたいところだが、
《ライオンの瞳のダイアモンド》で手札がなくなることが多いため、
青いデッキであるにもかかわらずカウンターを採用していない。
保険で少量のカウンターを投入してもいいかもしれない。
あるいは、生け贄に捧げることでカウンターできる《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》あたり。
今回は青黒緑のデッキを紹介した。
同じ色で墓地を活用するジェネラルといえば、
《擬態の原形質/The Mimeoplasm》や《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》がいるが、
それらとは違う形で戦うデッキになった。
《骨砕き/Bone Shredder》や《苛性イモムシ/Caustic Caterpillar》などを追加し、
より粘り強く戦う方向にシフトするのも面白そうだ。
ぜひいろいろな構築を試してみてほしい。
ではまた。