EDHの魅力
記事作成日:2018/09/24 執筆:加藤英宝
ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。
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セラさんにとってのEDHの魅力が知りたいです。
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EDHの魅力はまずシンプルに1つ。
デッキがハイランダーで構成される事もあって、
同じジェネラルでもデッキの構成は100%同じという事は少ない事。
デッキのアーキタイプは多少なり存在するものの、
完全に決まった形にまではなっていない。
60枚構築のルールではデッキ構成が同じになってしまう事があるけれども、
EDHではデッキが同じになってしまう確率は低い。
それだけ個性が出るという一面は魅力の1つ。
個性という意味では同じではあるけれども、
「自分はこのジェネラルが好きだから、
そのジェネラルを軸にしたデッキを組む!」
と多くの人が自分の好きなジェネラルを選んでデッキを組む事も魅力。
デッキを見ると人それぞれにジェネラルへの愛情が垣間見える事も。
ジェネラルだけはFOILやPSAやプロモ版にしている人を見ると、
「ああ、このジェネラル好きなんだなぁ。」
とわかる事もあるので、
見ているだけでも楽しい。
この個性というものをもう少し掘り下げてEDHの魅力を伝えたい。
まず、このゲームのプレイヤーの存在。
MTGプレイヤーは全員が魔法使いになって、
魔法を駆使して相手を倒せ!というもの。
EDHのジェネラルという存在は、
その魔法使いのパートナー、使役する使い魔といったイメージ。
有名ゲームFateの単語を借りて、
サーヴァントという言い方もわかりやすいだろうか。
ジェネラル=伝説のクリーチャーという点が、
サーヴァント=英霊という点と似通っている。
あのゲームでも、
魔術師とサーヴァントが組んで戦うという設定になっているし、
EDHも魔法使いであるプレイヤーとジェネラルが組んで戦う。
剣と魔法のファンタジーが大好きな人にとって、
こういう世界観は最高の魅力だ。
EDHはジェネラルの存在と魔法の使い方で勝負は分かれる。
ジェネラルの実力と魔法の実力の両方が試されるということだ。
そういえばEDHも多人数戦だが、
Fateの設定も聖杯戦争は多人数戦で最後の一人になるまで戦うというものだった。
時に誰かと誰かが手を組み、ある時は裏切りといったところまで共通している。
また、現代ファンタジーの最高峰、ハリーポッターシリーズを例にしても同じだ。
主人公のハリー:フクロウ
親友のロン:ネズミ
親友のハーマイオニー:猫
と個別に使い魔という位置付けがいる。
(余談になるが、ハリーポッターが大ヒットした時に
ペット屋さんに「白フクロウ買いたい。」という人が一気に増えたらしい。)
こういうところも、
「魔法使いらしい、ファンタジーらしい」
という感じがして自分はとても好きだ。
60枚デッキの構築も大好きなのだが、
EDHの99枚+ジェネラルの構築には、
一人一人の個性が色々な形で出る。
60枚デッキ(同名カード4枚制限)の場合はどうしてもアーキタイプの固定化があり、
使うカードの種類も20種前後に収まってしまう事が多い。
EDHは基本土地以外は一部例外を除き、
全てのカードは1枚制限。
ある程度のデッキは60種以上のカードを使う事になる。
以前にツイッターの質問で、
「Magic the Gatheringとはどういう意味でしょうか?」
という質問があった際に、
「Magic:魔法
Gathering:集まる
が直訳です。
イメージとしては
『魔道士ども!気合入れてそこらじゅうから自身だけの魔法を集めて最強の魔道士になりやがれ!』
です。」
と回答した事がある。
EDHという遊び方はまさに自身だけの魔法を1つ1つ集めて、
それをもとに戦うもの。
禁止カードはあれど、
全カードセットから魔法を選び、
自分流の使い方で複数の魔法使いと戦う。
デッキとは貴方だけの魔道書。
その1冊の魔道書には誰かと同じ魔法が書いてある事もあれば、
そうでない魔法もある。
それらを99ページの魔道書にまとめ、
使い魔(パートナー)とともに戦う。
これほどに”Magic the Gathering”をしているルールは無いのではないか?
と思えるところが最高の魅力。
魔法使いの世界観をそのままに楽しめる事こそが魅力。
世界には貴方と全て同じ魔法を使う者はいない。
仮に同じ魔法を持つ者がいたとしても使い方まで同じにはならない。
自分の選んだ魔法を、
自分だけの使い方で使えば、
それは他人の魔法ではなく、自分の魔法。
それが強いか弱いかはその魔法使いの実力次第。
店主が10年以上もEDHを推してきた最大の理由はこれ。
考えてみれば、10年以上もの間、
「どうしてEDHを推すのか?」
という最大の理由をこらむに書いた事は無かった。
この文を読んでわかってもらえると思うのだが、
店主はとにかく魔法の世界が大好きなのである。
というわけで、
これを読んでEDHの魅力がわかってくれた人は、
迷わずEDHを始めよう。
ではまた。