PSAのお話その3。
記事作成日:2018/07/18 執筆:加藤英宝
今回のお話は至ってシンプル。
画像を見ていただければ一発。
おわかりだろうか。
日本人のMTGコレクターにとって朗報である。
ついにPSAが日本語版のカードを鑑定してくれるようになった。
このお話にはいくつか経緯があり、
それもついでにここで書いておこう。
前回のこらむでPSAの副社長がCardshop Serraに来てくれたあと、
ある日、Cardshop Serraに日本語版で鑑定されたカードが届いた。
簡単に言うと、
「鑑定をしてみたのでまずCardshop Serraに送る。
今後は日本語版の鑑定も出来るようになったぞ。」
と。
これを受けて、
まずは店主のコレクションの中や店舗在庫から、
日本語版カードを鑑定してみようという事になり、
その結果が送られてきたので、
このこらむを書く事に至った、というわけ。
特に嬉しかった1枚は下記。
《否定の契約/Pact of Negation》のPSA10はとても嬉しい。
そして店主お気に入りのジェネラルも。
惜しい。PSA10ならず。
ただし現在の時点では、すべての日本語版カードを鑑定できるわけではない。
「鑑定可能な日本語版カードは、2004年以降に発売されたもののみ。」という条件付き。
エキスパンションではダークスティール以降、
基本セットでは第9版以降。
しかし、このPSAのサービスの向上により、
英語版より高価と言われる、
日本語版FOILの多くが鑑定出来るようになった事は非常に喜ばしい。
この日本語版FOILについては、
どうして高いのかという質問も来ていたので、
この場で回答も。
英語版FOILに比べて日本語版FOILが高い理由はいくつか。
言うまでもなく1つは発行枚数。
英語は当然のようにMTG発祥の地の母国語であり、
世界共通語と言われる言語でもある。
そのため、MTGの英語版も当然一部を除いて発行数が最も多い。
英語版のほうが発行数が少ないセットで有名なものはポータル三国志。
ポータル三国志のカードは英語版のほうが高い理由はこれ。
もう1つは単純なる需要の問題。
日本人は世界でも最高難度の日本語を覚える事が出来、
しかも識字率は世界トップクラスだというのに、
英語が出来ない人が多い。
(自分も人の事は言えないのだが。)
英語は出来なくとも、英語版カードは余裕という人は多いのだが、
昨今ではこれも減っている。
結構英語版が読めない人もいるため、
単純に日本語版以外の言語の需要が減るという事も理由の1つになる。
さらにここに別の理由も加わる。
日本人以外の人にとって、
日本語版というのは非常にファンタスティックに感じるのだそうだ。
これは以前にヨーロッパの人に聞いた事がある。
「日本語というのは、
ひらがな、カタカナ、漢字という3つを使う。
こんなに多くの文字を使う国は日本だけだ。
それがとてもファンタスティックなんだ。」
と。
日本人からすると何を言っているやらサッパリと思う人もいるだろう。
少しわかるかもしれない例を出してみる。
これでわからないのなら多分感覚的にはわからない価値観だと思う。
以下の単語を見た時に、
こらむの読者(の日本人)はどちらのほうがよりファンタジーの世界観を感じられるか?
・FINAL FANTASY
・ファイナルファンタジー
・DRAGON QUEST
・ドラゴンクエスト
日本人の多くはアルファベットのほうがファンタジーの世界観を感じるはず。
ファンタジーの世界観という複雑な言い方より、
「日本人から見て、
この2つのゲームタイトル、
どっちの言語で書かれているほうがかっこよく感じる?」
と聞いたほうがわかりやすいかもしれない。
これはゲームタイトルだけに限らない。
アーティストの名前でも試してみるとわかる。
・Perfume
・パフューム
・RADWIMPS
・ラッドウィンプス
この2つのアーティスト名で
「カタカナ表記のほうがかっこいい!」
という人はあまりいない気がする。
(デビュー時に英語表記でデビューしているのだから当然なのだが。)
日本人なら
アルファベット>日本語
外国人なら
日本語>アルファベット
ということ。
この理由により海外での日本語版FOILの人気が上がるんだとか。
そして、
ヨーロッパやアメリカでは日本よりもレガシーやヴィンテージの人口が昔から多く、
レガシーやヴィンテージで活躍出来る日本語FOILのカードほど人気が出やすい。
「漢字使うだけなら中国語だって同じだし、
中国語も相当な数の文字数じゃないの?」
と思う人もいるだろう。
アルファベットを使う言語の人にとって、
カタカナ、ひらがなという存在が非常に特殊に感じ、
漢字と入り交じるところに妙味を覚えるらしい。
なので、中国語より日本語が至高なのだと聞いた。
この日本語FOIL人気も相まって、
今後PSAで日本語版が鑑定されるようになった事は、
コレクションをするにとても大きな意味がある。
日本人は結構コレクター気質な人も多いため、
日本語版の鑑定が今まで出来なかった事で、
自分のコレクションをどう状態保持するかで困っていた人もいただろう。
今後はPSAで鑑定してもらい、
安心したコレクションが出来るようになった。
2017年の終わり頃にPSAの副社長がCardshop Serraに来てくれた際に、
「日本語版のカードを鑑定してくれるようになってほしい。」
と推した事が実を結んでくれた事は非常に喜ばしい。
日本語版の貴重なカードをコレクションしている方々、
今後のコレクションはPSA鑑定も視野に入れてみてはいかがだろう。
ではまた。