オールドスクール/OLD SCHOOL その2 – チャネルファイアボールルール
記事作成日:2018/06/15 執筆:加藤英宝
以前に一度ルール紹介をしたオールドスクール。
もう1つのルール、
というよりも2018年に日本で行われるオールドスクールの大きなトーナメントは、
以前に紹介したルールではないので、
今回はそちらを紹介。
こちらのルールは
チャネルファイアボールルール
と呼ばれている。
チャネルファイアボールとはアメリカにある大手のカードショップ。
以下のルール解説は、
上記ページを和訳したもの。
チャネルファイアボールルールについて、
どこにも日本語訳が掲載されていなかったので、
これからオールドスクールを始める人のために、
ルールをわかりやすくこらむに。
(ルールは2018/06/12に調べたものなので、
それ以降に変更があった場合は下記のルールではなくなる可能性あり)
-使用可能セット-
アルファ
ベータ
アンリミテッド
アラビアンナイト
アンティキティー
レジェンド
ザ・ダーク
フォールン・エンパイア
1994年発行のブックプロモ(《闘技場/Arena》《Sewers of Estark》)
-デッキ構築-
・60枚以上のメインデッキ
・15枚以下のサイドボード
・基本土地でない同名カードは4枚まで
-再録カードについてのルール-
「使用可能セット」に含まれるカードの再録バージョンは使用可能だが、
以下の制限がある。
・インターナショナル・エディション、コレクターズ・エディションは使用不可
・Foilカードは使用不可
・基本セット第8版より前に発売されたカードのみ使用可能
・「使用可能セット」に収録されたカードと同じイラストのカードのみ使用可能
・例外として、リバイズドの《Plateau》と《セレンディブのイフリート/Serendib Efreet》は使用可能
-1枚制限カード-
《Ancestral Recall》
《天秤/Balance》
《Black Lotus》
《Braingeyser》
《チャネル/Channel》
《Chaos Orb》
《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
《Library of Alexandria》
《Mana Drain》
《Maze of Ith》
《精神錯乱/Mind Twist》
《Mox Emerald》
《Mox Jet》
《Mox Pearl》
《Mox Ruby》
《Mox Sapphire》
《回想/Recall》
《新たな芽吹き/Regrowth》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《Time Vault》
《Time Walk》
《Timetwister》
《Wheel of Fortune》
-禁止カード-
《青銅のタブレット/Bronze Tablet》
《Contract from Below》
《Darkpact》
《Demonic Attorney》
《宝石の鳥/Jeweled Bird》
《再誕/Rebirth》
《嵐のイフリート/Tempest Efreet》
通常のOld Schoolでは1枚制限されている以下のカードは4枚使用可能。
《Mishra’s Workshop》
《Shahrazad》
《露天鉱床/Strip Mine》
通常のOld Schoolでは4枚使用可能な以下のカードは1枚制限。
《回想/Recall》
《イス卿の迷路/Maze of Ith》
-フォーマット固有のルール-
・マナ・バーン
ステップやフェイズの終了時に、
各プレイヤーのマナ・プールに残っている未使用のマナは失われる。
この方法で失われたマナ1点ごとに、
そのプレイヤーは1点のライフを失う。
このライフの損失を「マナ・バーン」と呼ぶ。
これはダメージではないので軽減はできない。
また、マナ・バーンは自動的に適用されるが、
これはゲームの行動(現在のターン起因処理)であり、
状況起因処理ではない。
・《Chaos Orb》について
効果を以下のように読み替える。
《Chaos Orb》
コスト:2
アーティファクト
(1),(T):トークンでないパーマネント1つを選ぶ。
Chaos Orbが戦場に出ている場合、
Chaos Orbをプレイしている場所から少なくとも1フィート高い場所からはじく。
Chaos Orbが水平に1回転以上し、
選ばれたパーマネントに触れている場合、
そのパーマネントを破壊する。
その後Chaos Orbを破壊する。
※《Chaos Orb》には「フェアフリップ」が適用される。
対象のカードをテーブルの中央に移動し、触れさせやすくすることができる。
———————–
ここまでがルールの和訳。
ここから下は少しわかりやすくするための追加の解説。
再録カードについて。
・「使用可能セット」に収録されたカードと同じイラストのカードのみ使用可能
これは、アルファ~フォールン・エンパイアに収録されているものと同じイラストのカードのみ使用可能という意味。
例えば、
・第4版の《黒騎士/Black Knight》はアルファ版と同じイラストなので使用可能。
・第5版の《黒騎士》は新しいイラストになっているので使用不可。
ということ。
イラストの違いで迷った場合は第4版とクロニクルのカードを使えば間違いない。
この2つのセットは、アルファ~ザ・ダークまでのカードをそのままのイラストで再録している。
・例外として、リバイズド版の《Plateau》と《セレンディブのイフリート》は使用可能
なぜこの2枚だけ特別な措置なのか、
理由がわからない人もいるかもしれない。
《Plateau》はアンリミテッドとリバイズドでイラストが異なる。
リバイズドで再録される前に、
原画のデータファイルが完全に失われてしまったため、
他のイラストに差し替えられたというのがその理由。
イラストのルールを照らし合わせると、
アンリミテッドとイラストが異なるリバイズド版の《Plateau》は使用できない、
ということになるが、
事故によるイラスト変更なので、
例外として認められている。
《セレンディブのイフリート》は、
ミスによりリバイズド版のイラストが《Ifh-Biff Efreet》のものになってしまっている。
(枠の色も本来青であるはずが、緑になっている。)
印刷ミスが原因なので、
これも例外扱いで使用可能。
———————–
注意点としては、
1枚制限カードに無いから4枚使えると思いがちだが、
《魔力の墓所/Mana Crypt》はそもそも使えない。
《魔力の墓所》は1994年発行のブックプロモではないため。
《魔力の墓所》は1995年発行。
元祖ルールとの大きな違いとしては、
《Mishra’s Workshop》
《露天鉱床/Strip Mine》
この2種が4枚投入可能である事。
この2種が4枚使えるか1枚制限であるかは、
構築環境に相当な影響を与える。
それから上記で書かれているが、
フォールン・エンパイア
が使える。
元祖ルールのほうでは使えない。
フォールン・エンパイアのカードで使われそうなカードは、
《Aeolipile》
《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》
《Order of Leitbur》
《Order of the Ebon Hand》
《ゴブリンの手投げ弾/Goblin Grenade》
《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》
この6枚。日本語版がついているカードは当然再録された事がある。
再録された事がない3種はフォールン・エンパイアにしかないカードだが、
どれもお安く手に入る。
もともとがカジュアルルールであるため、
どれが主流ルールであると言えない点はあるが、
このチャネルファイアボールルールは、
もしかすると今後の主流になる可能性はある。
理由は、
・チャネルファイアボールはアメリカの大手のショップで、
グランプリの主催を一手に引き受ける等、
WotCともつながりが大きいショップである事から影響力が強い。
・オールドスクールそのものはアメリカが発祥ではないが、
MTGは言うまでもなくアメリカで生まれたもので、
アメリカ本土のショップが発するルールのほうが主流となっても不思議はない。
という2点。
特に、グランプリ等の大きなトーナメントで、
サイドイベントとしてオールドスクール大会が複数開催される事になったとして、
それらが全てチャネルファイアボールルールで開催という事になれば、
必然的にプレイヤーはそのルールに従う事になる。
主流ルールがどうなるかによって、
プレイヤーが多少左右される事にもなるだろう。
こればかりは今後を見て決めるより他は無い。
ひとまずルールの説明はこれにておしまい。
次は店主の作ったオールドスクールデッキを紹介予定。
ルールはチャネルファイアボールで。
ではまた。