EDHデッキ紹介その116(Wrexial, the Risen Deep/目覚めし深海、レクシャル-海産物デッキ)
記事作成日:2018/05/04 執筆:加藤英宝
ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。
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こんにちは いつもコラム楽しく拝見しています。
EDHで海鮮丼のような(クリーチャー・タイプ的な意味で)デッキを
作りたいと思っているのですが思いつきません。
もしよろしければレシピを考えては頂けないでしょうか!
デッキの金額等は気にしないので、
海の幸の力溢れるデッキデッキを見てみたいです!
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質問者の方はとりあえず
無茶振り
という単語を辞書で引いて下さい。
と思った5秒後くらいに、
中国人は四本脚なら机と椅子以外なんでも食べる。
これに並ぶように、
日本人は海産物なら潜水艦以外なんでも食べる。
という言葉を思い出した。
海産物の調理において、
世界で日本に敵う国など無し。
この理屈から言って、
海の幸デッキを調理出来ないなど、
カードショップのオーナーの風上にも置けないのである。
まして、
Cardshop Serraの店主は静岡県生まれである。
静岡県には駿河湾という海がある。
この海は海岸から少しの距離で深海にまで達する珍しい海で、
さらには最深部は水深2500メートルにも達し、
日本で最も深い湾であり、
海産物の種類においても日本有数の海である。
静岡県生まれのカードショップオーナーたるもの、
この無茶振りに応えられずして、
何がカードショップか。
他店との海の幸の取扱いの違いを見せてやるぜ!
食べられない生物はデッキは入れぬ!
まずは食べたらすぐにオーストラリアから怒られるクジラだ!
シー・シェパード上等だ。
かかってこんかい。
各種あるクジラからは
《巨大鯨/Great Whale》
を採用。
他県の人がどのくらい食べたことがあるか知らないが、
静岡県では一応食べられる海産物の1つ。
特別美味しいものでもない。
なお、知らない人が多そうだが、
クジラ、シャチ、イルカは大きさで分別されるだけで、
全て同じ生物類に分類される。
小:イルカ
中:シャチ
大:クジラ
と認識しておくとだいたい間違いない。
ただ、シャチは例外的なのか
水棲生物最強と言われるほど攻撃力と泳ぐ速度が速い。
人間を襲う事は滅多にないが、
襲われたらまず助からないらしい。
そして、人間以外の哺乳類の中で、
飛び抜けて知能が発達しているしているのがクジラ、シャチ、イルカ。
MTGでも《殺人鯨/Killer Whale》は見た目からしてほぼ間違いなくシャチだが、
「クジラ」でまとめられている。
話はそれるが、店主は子供の頃に、
座礁して海に戻れなくなった鯨を目の前で見たことがある。
生で見たあの大きさは今でも忘れられない。
お次は亀だ!
「亀は確かに海の生物だが、食べられるのか?」
と思った人もいるだろう。
食べられるのだ。
そして店主はこれまた食べたことがある。
亀の缶詰を。
二度と食べねえ。
そしてMTG唯一、こいつしかいないクリーチャー・タイプにして、
食あたりの帝王、牡蠣だ!
タフネスが3しかないから、
いつでも3点火力でカキフライになる準備万端のダメ生物!
あと、この《巨大カキ》のタップ能力、
どうみても食あたりを起こす能力だと思うのは店主だけじゃろか。
忘れてはいけない海産物の中でも店主が大好きなエビとカニ!
《タラバガニ/King Crab》
《タッサの使者/Thassa’s Emissary》
《厄介な船沈め/Vexing Scuttler》
《Deep Spawn》←どうみてもザリガニ
《溺墓のビヒモス/Drownyard Behemoth》もカニなのだが、
ビヒモスと名がついていると、
なんだかカニという感じがしないので不採用。
珍味のクラゲ!
鍋のお約束、アンコウ!
ここで黒のカードが入ってしまったので、
ジェネラルの選定は必然的に青黒は必要となった。
ちょうどよくMTGには
《目覚めし深海、レクシャル/Wrexial, the Risen Deep》イカ
(正確なクリーチャー・タイプはクラーケン)
という寿司ネタみたいな素晴らしい奴がいるので、
全く心配はいらない。
そしてイカがいる以上、当然タコも必要だ。
イカとタコを投入。
《船団の災い魔/Scourge of Fleets》イカ
《深海のクラーケン/Deep-Sea Kraken》イカ
《うねり嵐のクラーケン/Stormsurge Kraken》イカ
《潮汐を作るもの、ロートス/Lorthos, the Tidemaker》タコ
《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》タコ
あとは貝と魚だ。
《オウムガイ/Chambered Nautilus》
《水晶オウムガイ/Crystalline Nautilus》
MTGにはオウムガイ(Nautilus)がこの2匹しかいないらしい。
(2018年5月現在。)
オウムガイってそもそも食べられるのかな?
と思ったら、
Cardshop Serraのある静岡県沼津市の、
沼津港深海水族館公式ブログに
「食べた。」
と書いてあった。
沼津市民チャレンジャーだな。
ラブライブよりゲテ食でも押し出したほうが
町おこしになるんじゃないか?
「ホントに潜水艦以外なんでも食べよるわ、日本人。」
と思った。
とりあえず、《水晶オウムガイ》採用。
魚はMTGにいっぱいある。
《ジェイスの精神追い/Jace’s Mindseeker》←何故かこいつ魚。
《船団呑み/Fleet Swallower》
《深輝エイ/Deepglow Skate》
《シュモクザメ/Hammerhead Shark》
エイだのサメだのと書いてあるが、
まぁだいたい食える。
それから、
海蛇は食えるらしいので、
《縞カワヘビ/Striped Riverwinder》採用。
海蛇はまだ食べた事がないが、
蛇なら食べた事がある。
名前がカワヘビなのになんでこいつは海蛇なのだろう。
ところでリバイアサンは海の幸なんだろうか。
さすがにファンタジーの生物だけに、
食べられるかどうかすらわからん。
食べた事が無いので不採用!
忘れてはいけない、
海産物と言えば当然ダシがとれるものが多いのだ。
《熱いスープ/Hot Soup》
と
調理用の鍋
《魂の大鍋/Cauldron of Souls》
そして包丁が必要なので、
《肉屋の包丁/Butcher’s Cleaver》
肉屋と言うと獣の肉をさばくほうだから、
使う包丁として違うような気もするが、
《処刑者の大包丁/Slayer’s Cleaver》
を使うよりはマシだろう。
包丁と名のつくカードがこの2種しかない。
このスープ、鍋、包丁の3種は100%採用である。
「海」がテーマなのは当然なので、
《High Tide》
《岸の飲み込み/Engulf the Shore》
《圧倒的な波/Whelming Wave》
《夢の潮流/Dream Tides》
《壊滅的大潮/Devastation Tide》
《広がりゆく海/Spreading Seas》(ジェネラルとの相性良し。)
ももちろん採用だ。
食べる→召し上がる。
海産物は加工食品もある。
つまり、《召し上げ/Expropriate》と《加工/Fabricate》採用。
・・・クソデッキの予感しかしねえ。
さあ構築だ。
《Wrexial, the Risen Deep/目覚めし深海、レクシャル》
コスト:3青青黒
伝説のクリーチャー クラーケン(Kraken)
島渡り、沼渡り(このクリーチャーは、防御プレイヤーが
島(Island)か沼(Swamp)をコントロールしているかぎりブロックされない。)
目覚めし深海、レクシャルがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、
そのプレイヤーの墓地にあるインスタント・カード1枚かソーサリー・カード1枚を対象とする。
あなたはそれを、そのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。
このターン、そのカードが墓地に置かれる場合、代わりにそれを追放する。
5/8
神話レア
イカの大王様。
渡りの能力が2つもあるうえに、
相手の墓地を勝手に使える6マナで5/8。
あんまり使う人を見ないが、
実はこの生物は結構強い。
強いジェネラルには青や黒は多いので、
ブロックされない事は多いし、
攻撃が通ればその人の墓地から呪文を1発タダで唱えられる。
当たり前の話だが、
強いデッキほど強い呪文を使うので、
必然的にこのジェネラルが弱くはなくなる。
欠点は言うまでもなく指定コストと6マナという重さになるが、
決して弱いジェネラルの部類にはならない。
他人依存型の能力は基本的には弱い能力とされるが、
このカードは例外になれる強さがある。
海産物デッキなんて言い出さなければ、
そこそこ強ジェネラルの仲間入りすら果たせそうなスペックである。
さあ、絶望的な素晴らしい海の幸デッキを作ろう。
ジェネラル:《目覚めし深海、レクシャル/Wrexial, the Risen Deep》
-クリーチャー20枚-
《巨大鯨/Great Whale》鯨
《方解石のカミツキガメ/Calcite Snapper》亀
《巨大カキ/Giant Oyster》カキ
《タラバガニ/King Crab》カニ
《タッサの使者/Thassa’s Emissary》カニ
《厄介な船沈め/Vexing Scuttler》カニ
《Deep Spawn》エビ
《大クラゲ/Man-o’-War》クラゲ
《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》魚
《船団の災い魔/Scourge of Fleets》イカ
《深海のクラーケン/Deep-Sea Kraken》イカ
《うねり嵐のクラーケン/Stormsurge Kraken》イカ
《潮汐を作るもの、ロートス/Lorthos, the Tidemaker》タコ
《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》タコ
《水晶オウムガイ/Crystalline Nautilus》貝
《ジェイスの精神追い/Jace’s Mindseeker》魚
《船団呑み/Fleet Swallower》魚
《深輝エイ/Deepglow Skate》魚
《シュモクザメ/Hammerhead Shark》魚
《縞カワヘビ/Striped Riverwinder》海蛇
-インスタント11枚-
《High Tide》
《秘儀の否定/Arcane Denial》
《差し戻し/Remand》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《渦まく知識/Brainstorm》
《マナ吸収/Mana Drain》
《意志の力/Force of Will》
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《岸の飲み込み/Engulf the Shore》
《誤った指図/Misdirection》
-ソーサリー12枚-
《宝船の巡航/Treasure Cruise》
《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
《壊滅的大潮/Devastation Tide》
《思案/Ponder》
《定業/Preordain》
《Timetwister》
《時のらせん/Time Spiral》
《意外な授かり物/Windfall》
《召し上げ/Expropriate》
《圧倒的な波/Whelming Wave》
《囁く狂気/Whispering Madness》
《加工/Fabricate》
-エンチャント2枚-
《夢の潮流/Dream Tides》
《広がりゆく海/Spreading Seas》
-アーティファクト21枚-
《肉屋の包丁/Butcher’s Cleaver》包丁
《熱いスープ/Hot Soup》スープ
《魂の大鍋/Cauldron of Souls》鍋
《サファイアの大メダル/Sapphire Medallion》
《威圧のタリスマン/Talisman of Dominance》
《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》
《友なる石/Fellwar Stone》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《金属モックス/Chrome Mox》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《通電式キー/Voltaic Key》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《連合の秘宝/Coalition Relic》
-土地33枚-
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《統率の塔/Command Tower》
《Underground Sea》
《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
《湿った墓/Watery Grave》
《産業の塔/Spire of Industry》
《地底の大河/Underground River》
《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》
《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》
《涙の川/River of Tears》
《窪み渓谷/Sunken Hollow》
《異臭の池/Fetid Pools》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
1《沼/Swamp》
15《島/Island》
——————————
まず、
《岸の飲み込み》
《船団の災い魔》
などの《島》の枚数を参照するカードがあり、
《High Tide》の採用もあるので、
《島》多めの構築。
戦いとしてはとにかく展開して、
相手の知らん海産物を出して、
「それなんですか?」
って言われたらある意味勝ちだと思え。
カードの説明を無視して食えるか食えないかを語るくらいがちょうどいい。
なお、テストプレイ時にジェネラルでさえ、
「それなんですか?」
と言われた。
悔しいのは白が入れられない事だ。
白青黒の3色で伝説海産物野郎がいないのだ。
白さえ入れられれば完璧なのだが。
白が入りさえすれば、
《ハルマゲドン/Armageddon》
が入れられる。
そうすれば、
海鮮丼の完成である。
古来より、MTGの世界では、
生物を出して《ハルマゲドン》を撃つ事は、
○○ドンと呼ばれてきている。
《アーナム・ジン/Erhnam Djinn》+《ハルマゲドン》=アーニーゲドン
《セラの天使/Serra Angel》+《ハルマゲドン》=セラマゲドン
などが有名。
ミノタウロスを出して《ハルマゲドン》はもちろん牛丼であり、
《イラクサ豚/Nettle Swine》などを出して《ハルマゲドン》は豚丼である。
《泥沼のヤツメウナギ/Quagmire Lamprey》や《Electric Eel》の場合は、
当然、うな丼である。
まぁ、こんな事はMTGプレイヤーとして常識なので、
説明の必要も無かっただろう。
《セラの天使》はMTGの中でも特別な存在として、
セラマゲドンという名を冠しているが、
他の天使を適当に置いて《ハルマゲドン》は天丼である。
おっと、こんな事はMTGプレイヤーとして常識なので、
説明の必要も無かっただろう。
これにならい、
海の幸を出して《ハルマゲドン》は当然海鮮丼なのである。
これが出来ないのは痛い。
WotCさん、早く白青黒の伝説海産物を出して下さい。
さ、デッキ壊そ。
ではまた。