EDHデッキ紹介その115(Ghalta, Primal Hunger/原初の飢え、ガルタ)
記事作成日:2018/05/01 執筆:加藤英宝
ツイッター質問箱でこのような質問をいただいた。
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原初の飢え、ガルタのEDHデッキが見たいです!
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ツイッター質問箱設置から今日まで、
ほとんど毎日なにかしらの質問が来る中、
Cardshop Serraの特色なのか、
EDH、レガシー、ヴィンテージに関する質問は多い。
その中でも
・このジェネラルのEDHのデッキ紹介を。
・過去紹介のアップデート版のデッキ紹介を。
というお問い合わせはそこそこの数が来る。
(メールでのお問い合わせもこの2つが多い。)
そして、今回はその中から、
イクサランの相克のガルタさんが選ばれた。
《Ghalta, Primal Hunger/原初の飢え、ガルタ》
コスト:10緑緑
伝説のクリーチャー エルダー(Elder) 恐竜(Dinosaur)
原初の飢え、ガルタを唱えるためのコストは(X)少なくなる。
Xは、あなたがコントロールしているクリーチャーのパワーの合計に等しい。
トランプル
12/12
ただのばかでっかい恐竜ちゃん。
イクサランの相克が出た時点で、
現状一番パワーの大きい恐竜。
12マナで12/12。
これだけ見たらスペシャルガッカリなカード。
コストを減らす能力でいかに最速で着地させるかがカギ。
出さえすれば2回パンチでジェネラルダメージ21点を達成出来る。
しかもトランプルがある事もあり、
ジェネラルダメージ21点は狙うには悪くないスペックがある。
滅多に無い事ではあるが、
あなたのコントロールするクリーチャー内に、
パワーがマイナスの数値になっているクリーチャーがいた場合、
「合計に等しい」
と書かれているので、当然マイナスの数値を計算する。
通常ではありえないだろうけれども、
合計値までマイナスになったとしても、
《原初の飢え、ガルタ》のプレイのコストが増える事はない。
最低12マナのカードをその状態で唱えられるとは思えないが。
デッキは以下。
ジェネラル:《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger》
-クリーチャー36枚-
《東屋のエルフ/Arbor Elf》
《極楽鳥/Birds of Paradise》
《ボリアルのドルイド/Boreal Druid》
《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
《Fyndhorn Elves》
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》
《収穫の魂/Soul of the Harvest》
《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
《ジョラーガの樹語り/Joraga Treespeaker》
《スクリブのレインジャー/Scryb Ranger》
《避難の古木/Sheltering Ancient》
《Elvish Spirit Guide》
《永遠の証人/Eternal Witness》
《激情の共感者/Fierce Empath》
《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade》
《再利用の賢者/Reclamation Sage》
《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》
《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》
《むら気な長剣歯/Wayward Swordtooth》
《ラムナプの採掘者/Ramunap Excavator》
《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》
《狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller》
《刻み角/Manglehorn》
《進歩の災い/Bane of Progress》
《森林の怒声吠え/Woodland Bellower》
《威厳の魔力/Regal Force》
《野生の心、セルヴァラ/Selvala, Heart of the Wilds》
《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid》
《狼の試作機/Lupine Prototype》
《失われた業の巫師/Shaman of Forgotten Ways》
《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》
《葉光らせ/Leaf Gilder》
《雑食のハイドラ/Hydra Omnivore》
-インスタント5枚-
《狂暴化/Berserk》
《輪作/Crop Rotation》
《自然の要求/Nature’s Claim》
《俗世の教示者/Worldly Tutor》
《激励/Invigorate》
-ソーサリー7枚-
《調和/Harmonize》
《生命の遺産/Life’s Legacy》
《森の占術/Sylvan Scrying》
《異界の進化/Eldritch Evolution》
《自然の秩序/Natural Order》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
《リシュカーの巧技/Rishkar’s Expertise》
-エンチャント7枚-
《調和の中心/Concordant Crossroads》
《適者生存/Survival of the Fittest》
《森の知恵/Sylvan Library》
《よりよい品物/Greater Good》
《食物連鎖/Food Chain》
《楽園の拡散/Utopia Sprawl》
《繁茂/Wild Growth》
-アーティファクト11枚-
《金属モックス/Chrome Mox》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》
《ロナスの碑/Rhonas’s Monument》
《エメラルドの大メダル/Emerald Medallion》
《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》
《密輸人の回転翼機/Smuggler’s Copter》
-土地33枚-
《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《ウギンの目/Eye of Ugin》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《露天鉱床/Strip Mine》
《不毛の大地/Wasteland》
《魂の洞窟/Cavern of Souls》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
21《森/Forest》
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キーカードという程のものは無いのだが、
結構重要なカードはいくつか挙げておこう。
まずは、機体である、
この2枚。
能力も単純に弱くないが、
大切なのは搭乗する事。
搭乗するとジェネラルのプレイコストが減る。
仮にこの2つが場に出ていて、
この2つに別々に搭乗出来る生物があるとすると、
搭乗用生物のパワー合計(1+3):4
《領事の旗艦、スカイソブリン》のパワー:6
《密輸人の回転翼機》:3
合計で13。
これだけでジェネラルは緑緑のみでプレイ可能。
相当コスト軽減される事になる。
機体以外では、
《不屈の神ロナス》
《むら気な長剣歯》
《ピーマの改革派、リシュカー》
の3枚もかなりの仕事をする。
破壊不能がついている《不屈の神ロナス》は除去されにくいので、
殴れなくてもジェネラルのコストを5下げるマナアーティファクトみたいなものだ。
ジェネラルが着地すると自動的に殴る条件を満たせるのも良い。
《むら気な長剣歯》は、
《Wayward Swordtooth/むら気な長剣歯》
コスト:2緑
クリーチャー 恐竜(Dinosaur)
昇殿(あなたがパーマネントを10個以上コントロールしているなら、このゲームの間、あなたは都市の承認を得る。)
あなたの各ターンに、あなたは追加の土地を1つプレイしてもよい。
あなたが都市の承認を持っていないかぎり、むら気な長剣歯では攻撃したりブロックしたりできない。
5/5
レア
殴れなくてもブロック出来なくても一向に構わない。
パワー5のおかげでジェネラルを5マナ軽減、
さらには追加セットランドもついてくる。
もうこれだけでも十分。
ただ、デッキの性質上、
思った以上にパーマネント10枚くらい並ぶので、
条件を満たす事は頻繁にある。
《ピーマの改革派、リシュカー》は、
《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade》
コスト:2緑
伝説のクリーチャー エルフ(Elf) ドルイド(Druid)
ピーマの改革派、リシュカーが戦場に出たとき、クリーチャー最大2体を対象とし、
それらの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。
あなたがコントロールするカウンターが置かれている各クリーチャーはそれぞれ
「(T):あなたのマナ・プールに(緑)を加える。」
を持つ。
2/2
レア
単体は貧弱な3マナ2/2だが、
能力で自身以外の生物、仮に1/1生物2体にカウンターを1つ乗せたとしたら、
その2体のパワー合計は4。
自身のパワーが2で合計6。
そしてマナを出せる能力を与えるので2マナが出る。
するとジェネラルが12マナだったら、
当然あと4マナもしくは合計パワー4までの生物が入ればOK。
上記3枚、3マナの生物の中では、
このデッキに相当に適した3枚。
必須と言っても過言ではないくらいの仕事っぷりである。
それから、一応無限コンボもある。
《ロナスの碑》
《食物連鎖》
なんでも良いのでジェネラル以外のクリーチャー
ジェネラル
これで
・クリーチャー専用マナの無限マナ
・ジェネラル以外で場に出ているクリーチャーのパワー無限
が可能になる。
どうして?となりそうなので説明をば。
まず、状況の一例を。
・緑緑の2マナが出せる状況にある。
・クリーチャーは1/1、5/5、4/4の3体がいる。
・《ロナスの碑》と《食物連鎖》が置いてある。
・ジェネラルは一度もプレイしていない。
とする。
最初のジェネラルコストは「10緑緑」だが、
クリーチャーのパワー合計が10なので、
「緑緑」だけでプレイ出来る。
(正確には《ロナスの碑》の効果でも1減っている。)
まず、ジェネラルを緑緑でプレイする。
《ロナスの碑》の能力が誘発し、
場にいる1/1か5/5か4/4のどれかに+2/+2の修正を与える。
ここでは5/5に与えて7/7にしておこう。
ジェネラルは着地後、
いきなり《食物連鎖》で潰して、
クリーチャー専用緑マナ13マナを得る。
場のクリーチャーの合計は1+7+4で合計12。
ジェネラルは一度死んでいるので次にかかるのは「12緑緑」だが、
《ロナスの碑》で1軽減とクリーチャーのパワー分の12軽減が入るので、
やっぱり「緑緑」だけでプレイ可能。
この時点でクリーチャー専用緑マナが11マナ余る。
プレイすると《ロナスの碑》が誘発し・・・
と繰り返し。
《ロナスの碑》のプラス修正と
ジェネラルの追加コスト&軽減能力が《食物連鎖》に完全に噛み合っているので、
たまたま出来てしまう不思議なコンボ。
《ロナスの碑》の能力は緑生物呪文1軽減と+修正だが、
ついでにトランプルも与えてくれる。
なので、召喚酔いしていないクリーチャーが数体並んでいれば、
このコンボが成立するとブロッカーがいても突き抜けられる。
欠点は言うまでもないのだが、
このデッキは緑単色。
アーティファクトとエンチャントをサーチする手段など無いに等しい。
《次元の門/Planar Portal》や《三つの願いの指輪/Ring of Three Wishes》は、
マナコストが重たいので現実的ではない。
もちろん《次元橋/Planar Bridge》も。
《ロナスの碑》も《食物連鎖》も単体でそれほど弱くないため、
そのまま採用で問題無いので、
「時々決まったら嬉しいコンボ」
くらいに覚えておけばOK。
《ロナスの碑》は思っている以上に強い。
適当な生物に+修正とトランプルを与えて、
殴れる相手を殴っているだけでも、
そこそこにライフを削ってくれる。
EDHでは、
《むかつき/Ad Nauseam》
《森の知恵/Sylvan Library》
《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》
などのライフをカードに変えるカードを使う人もいるし、
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《真鍮の都/City of Brass》
《マナの合流点/Mana Confluence》
《背信のオーガ/Treasonous Ogre》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
などライフが減るマナを出すカードの採用率も低くない。
削る事は常に念頭に置いておこう。
殴れる時に殴らなかった数ライフの差が勝負を決める事もある。
《ロナスの碑》での+2修正からのパンチは馬鹿に出来ない。
これら以外で《原初の飢え、ガルタ》ならではという動きや面白さのあるカードは、
《リシュカーの巧技》
《生命の遺産》
《よりよい品物》
《狂暴化》
この4枚。
《狂暴化》以外の3枚はパワー参照型ドローカードなので、
使い方は言うまでもないだろう。
《狂暴化》の使い方は主に2パターン。
・場にいる殴る気も無さそうな《むら気な長剣歯》さんか、
殴っても壊れない《不屈の神ロナス》さんに向かって《狂暴化》を撃ち、
パワーを倍にしたところでジェネラルプレイ。
擬似的《暗黒の儀式/Dark Ritual》。
・《原初の飢え、ガルタ》パンチから一撃で誰かを張り倒す時。
《狂暴化》でパワー24なので、一撃でジェネラルダメージ21点成立。
どちらの使い方かなり有用。
というよりもとても楽しい。
この《原初の飢え、ガルタ》さん、
EDHのジェネラルのお題として挙げられた時は、
「ああ、殴るだけで芸が無い子がジェネラル指定されたなぁ。」
と思ったのだが、
そんな事は無かった。
想像以上に《原初の飢え、ガルタ》さんは楽しいデッキに仕上がっている。
作ってからそれほど時間も経っておらず、
まだまだ練り込める部分を残しつつも、
いち早くご希望に応えたかった事とと、
想像を超えてデッキが面白い事から、
急ぎでデッキ紹介をする事に。
この《原初の飢え、ガルタ》さん、
是非とも一度遊んでいただきたい。
緑好きな方ならこのデッキは嫌いにならないはず。
ではまた。