EDHデッキ紹介その114(Jhoira of the Ghitu/ギトゥのジョイラ)
記事作成日:2018/04/29 執筆:加藤英宝
今回のEDHのデッキ紹介は《ギトゥのジョイラ/Jhoira of the Ghitu》。
昔からイラスト人気のあるジョイラ姉さん。
《Jhoira of the Ghitu / ギトゥのジョイラ》
コスト:1青赤
伝説のクリーチャー 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(2),あなたの手札にある土地でないカードを1枚追放する:
その追放されたカードの上に時間(time)カウンターを4個置く。
それが待機を持っていない場合、それは待機を得る。
(あなたのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、
それをそのマナ・コストを支払うことなく唱える。
それがクリーチャーである場合、それは速攻を持つ。)
2/2
レア
どんなに重たい呪文も待機4で撃てる能力。
EDHにはまず関係ないが、
《触れられざる者フェイジ/Phage the Untouchable》は待機したらダメ。
言うまでもなく待機がとけると自分が死ぬ。
カジュアルに遊ぶには、
重たくて使ってみたいカードで遊べるので、
非常に面白いカード。
リバイアサンやらクラーケンのように、
基本的に重たいクリーチャータイプを待機しまくるカジュアルプレイは楽しい。
「海産物×ジョイラ」
という作り方はカジュアルとしてはなかなかに面白い。
3マナ2/2はジェネラルダメージ21点はまず無理。
基本は能力で待機したコストの重たいカードで勝ちに行く。
能力を見るだけだとこのカードには一切欠点がないのだが、
EDHの実践では欠点がある。
欠点については後述。
ジェネラル:《ギトゥのジョイラ/Jhoira of the Ghitu》
-クリーチャー8枚-
《裂け目の精霊/Rift Elemental》
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》
《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》
《粗石の魔道士/Trinket Mage》
《背信のオーガ/Treasonous Ogre》
《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》
-インスタント16枚-
《否定の契約/Pact of Negation》
《渦まく知識/Brainstorm》
《時計回し/Clockspinning》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《白鳥の歌/Swan Song》
《時操術/Timecrafting》
《秘儀の否定/Arcane Denial》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《憤怒の魔除け/Fury Charm》
《マナ吸収/Mana Drain》
《差し戻し/Remand》
《大あわての捜索/Frantic Search》
《直観/Intuition》
《長期計画/Long-Term Plans》
《意志の力/Force of Will》
《誤った指図/Misdirection》
-ソーサリー12枚-
《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
《親身の教示者/Personal Tutor》
《思案/Ponder》
《定業/Preordain》
《汚損破/Vandalblast》
《Timetwister》
《Wheel of Fortune》
《意外な授かり物/Windfall》
《ミジックスの熟達/Mizzix’s Mastery》
《呪文ねじり/Spelltwine》
《時のらせん/Time Spiral》
《無限への突入/Enter the Infinite》
-エンチャント1枚-
《ドリーム・ホール/Dream Halls》
-アーティファクト26枚-
《金属モックス/Chrome Mox》
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《Jeweled Amulet》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《モックス・アンバー/Mox Amber》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《通電式キー/Voltaic Key》
《友なる石/Fellwar Stone》
《砕けたパワーストーン/Fractured Powerstone》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《イゼットの印鑑/Izzet Signet》
《精神石/Mind Stone》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《サファイアの大メダル/Sapphire Medallion》
《緋色のダイアモンド/Fire Diamond》
《思考の器/Thought Vessel》
《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
《連合の秘宝/Coalition Relic》
《彫り込み鋼/Sculpting Steel》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
-プレインズウォーカー3枚-
《ダク・フェイデン/Dack Fayden》
《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
-土地33枚-
《Volcanic Island》
《蒸気孔/Steam Vents》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《滝の断崖/Cascade Bluffs》
《真鍮の都/City of Brass》
《統率の塔/Command Tower》
《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
《大焼炉/Great Furnace》
《マナの合流点/Mana Confluence》
《教議会の座席/Seat of the Synod》
《産業の塔/Spire of Industry》
《尖塔断の運河/Spirebluff Canal》
《硫黄の滝/Sulfur Falls》
10《島/Island》
2《山/Mountain》
——————————
勝ち方はほとんど1つ。
《無限への突入》を撃って、
《研究室の偏執狂》とドロー系カードで勝利。
詳しく書くと、
《無限への突入》を撃つとライブラリーが1枚になり、
手札から0マナのアーティファクト等のマナを増やす手段をプレイ。
土地をセットしていないなら土地セットも。
3マナから《研究室の偏執狂》プレイ。
《渦まく知識》あたりを撃つとライブラリーが1枚なので、
引く事が出来ずに負け→《研究室の偏執狂》の能力で勝利。
となる。
この方法以外での勝ち手段はかなり限られていて、
《潮吹きの暴君》+マナアーティファクトで無限マナを出し、
その後、
《精神を刻む者、ジェイス》をプレイ。
0能力起動をしてマナアーティファクトプレイで、
《潮吹きの暴君》の能力で《精神を刻む者、ジェイス》を手札に戻す。
《精神を刻む者、ジェイス》再プレイから0能力起動という手順を繰り返して、
ライブラリーを引き切って最後は《研究室の偏執狂》の能力で勝利、
または、
上記手順の途中で《時計回し》が手札に来た時点で、
無限マナから《時計回し》連発で、
《精神を刻む者、ジェイス》の忠誠度を上げ、一人に奥義。
その後、無限マナ状態なので、マナアーティファクトプレイで、
《精神を刻む者、ジェイス》を手札に戻して、再プレイ。
《時計回し》連発で忠誠度を上げ、一人に奥義。
とひたすら《精神を刻む者、ジェイス》の奥義を連発、
という勝ち手段も一応はある。
《ギトゥのジョイラ》のデッキを練るにあたり、
この《無限への突入》で勝つ手段を避けたかった。
理由は攻め手段が単調過ぎてもうちょっと他の手段に行きたかったから。
そこで、
比較的《ギトゥのジョイラ》を作る人に好まれる、
伝説エルドラージ、リセット呪文を搭載する形も試した。
(《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》も。)
このエルドラージ、リセット搭載型ジョイラは、
結構プレイの問題が大きい。
これが前述のEDHにおけるジョイラの欠点。
どういう事かという説明は簡単。
以下のような場面を考えてみてほしい。
想定その1。
貴方の対戦相手は《ギトゥのジョイラ》を置き、
《抹消/Obliterate》を待機した。
さてどうする?
1:《抹消》の待機がとける前に本体を倒す。
2:《抹消》の待機がとける事を覚悟して展開を止めて対策を考える。
だいたいこのどちらかだろう。
想定その2。
貴方の対戦相手は《ギトゥのジョイラ》を置き、
《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》を待機した。
さてどうする?
1:《真実の解体者、コジレック》の着地前に本体を倒す。
2:《真実の解体者、コジレック》の着地を覚悟して対策を他者と相談する。
だいたいこのどちらかだろう。
どちらの想定でも、
「待機されている間に本体を倒す。」という選択が出てしまう。
みんなの気持ちは一緒で、
「あんなもん待機されたら本体倒しに行くよなぁ。」
である。
まして、時々予想を裏切って、
待機カウンターの数を減らしに来る事もあるので、
気を抜く事も出来ない。
これが《ギトゥのジョイラ》使用者の視点で見るとまた悩みの種なのだ。
別に《抹消》を撃ったからと言って勝てるわけではない。
別に《真実の解体者、コジレック》が着地したからと言って勝てるわけではない。
《抹消》はただのリセットなので勝てるわけがないのは当然。
《真実の解体者、コジレック》は除去されなければ勝てるスペックの持ち主だが、
やはり待っている4ターンの間は狙われ続けるか、
待機がとけるまえに誰かがコンボを決めてくるか、
誰かが《真実の解体者、コジレック》に対策を考える。
強気に待機するカードが多ければ多いほど、
ゲームが1対3になっていく。
待機カウンターを減らす呪文を入れてはいるものの、
(この場合、追加ターン呪文も含む。)
待機4は戦々恐々の時間だ。
それから、《ギトゥのジョイラ》の使い方について。
《ギトゥのジョイラ》で待機するものが間違っている事が多い。
上記は一例で書いたので、そのミスプレイがそのまま書いてあるのだが、
リセット呪文なんてものは普通は待機してはいけない。
理想的なプレイで言えば、
1:エルドラージを待機。
2:その後リセット呪文。
3:エルドラージ着地。
4:エルドラージを守れるカウンターを持っている。
という形。
もっとも、これをやっても勝てない事もあるのが頭が痛い。
このタイプの構成は、
・守るためのカウンター
・守りと攻めのためのリセット
・勝ち手段のエルドラージや《荒廃鋼の巨像》
・ドロー系スペル
・マナを出す手段
でデッキが構成される。
そして、簡単にはバランスよく来てくれないのだ。
99枚のライブラリーで、
そうそう都合よく手札に来るというのが中々にうまくいかない。
リセットが手札に2枚来たり、
そもそもリセットを素撃ちしないと負ける状況であったり。
状況次第では《ギトゥのジョイラ》は着地していて、
待機カードなど1枚も無いところから、
リセット呪文を素撃ちして《ギトゥのジョイラ》ごと流す、なんて事も。
それに、待機カウンターをいじれる呪文が無い場合、
《ギトゥのジョイラ》着地から、
何かを待機、さらに4ターンを待つ。
普通は1ターン目に《ギトゥのジョイラ》を出せるわけがないので、
《ギトゥのジョイラ》の着地から待機、
待機がとけるまでを考えると、
トータルで開始から6ターン以上の時間が経過する事になる。
かなり長い間隙だらけになりやすく、
へたをすると瞬殺されてしまう事もある。
こういうEDH特有の状況から、
この《ギトゥのジョイラ》の能力は一見欠点の無い能力だが、
事が有利に運ぶとは限らない事が問題になってしまう。
これが最初に言った欠点。
そしてこの欠点は既に何年も前から知っていた。
以前に一度《ギトゥのジョイラ》でデッキを作って欲しいというご要望があった。
デッキを作ってテストプレイをしていたら、
「それ、《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》にしたら?」
と言われて、
デッキのジェネラルが変わってしまった。
あの数年前の時点では《無限への突入》はこの世に無かったので、
《ギトゥのジョイラ》はリセット、エルドラージ搭載型は主流と言えば主流だった。
ただ、これがあんまり勝てない事もよく知っていて、
結局《火想者ニヴ=ミゼット》に落ち着いてしまった。
余談になるが、
これがきっかけで《火想者ニヴ=ミゼット》が相当お気に入りジェネラルになり、
その後何年も持ち続けるデッキになった。
と、こんな経験から、
一撃必殺を狙えるようになった、《無限への突入》型ジョイラが、
リセット、エルドラージ型よりも戦えるだろうと思い、
この構成を紹介するかたちに。
リセット、エルドラージ型でも相当強く作れるぞ!
もしくは海産物×ジョイラでも相当強く作れるぞ!
という人がいたら、是非ともメール等でリストを送っていただきたい。
その時はCardshop SerraのHPでリストのみ紹介だけでもさせてほしい。
特に海産物のほう。
どこまで尖った構築に出来るのか、
自分以外のアイデアでそんなデッキを見てみたい。
ではまた。